以下は、ザ!世界仰天ニュースで扱われていた内容です。
愛知県南知多ビーチランドの水族館は、イルカとアシカのショーが売り物。2001年7月、この水族館に大阪の高校を卒業した樋口友香さんが入社。実は友香さんは幼い頃、水族館で見たイルカと調教師の姿の虜になり、イルカのトレーナーになる事を夢みていた。
しかし、イルカのいる水族館は全国に30余りしかなく、また、殆どの水族館は欠員が出なければ採用しない狭き門。そこで、友香さんはイルカのトレーナーになる足がかりを掴もうと、全国の水族館に電話。やがて、愛知県南知多ビーチランドで研修を受けることになり、その熱心な働きぶりが認められ正式に採用となった。こうして友香さんの水族館での仕事は始まったが、すぐにイルカのトレーナーになれるわけではなく、いつかイルカの担当になる日を夢見て一生懸命働いた。
そして2004年、友香さんに夢だったイルカと一緒にステージに立つチャンスが巡ってきた。夏休みシーズンに向けイルカとの訓練が始まる。ところが、そんな友香さんを悲劇が襲う!その日の夜、なぜか体が痒くて寝つきが悪かった。そして翌朝、友香さんが目を覚ますと、なんとパジャマに血がついていた。体を見ると、手や首・足に発疹があった。友香さんは病院へ。すると、「症状からアレルギー性の皮膚炎かもしれない」と医師から伝えられる。最近変わった事がなかったか尋ねられ、ふとイルカと接する時間が増えた事がよぎり「まさか、イルカアレルギー?」と思う…。だが、この日は皮膚の炎症とかゆみを押さえる薬をもらい病院を後にした。
友香さんはショーのためイルカとの練習を続けたが、体にはまた発疹とかゆみが現われた。もしイルカアレルギーなら、憧れだったイルカのトレーナーを辞めなければならない…悩む友香さんだったが、医師にイルカとの接触が増えた件を打ち明ける。すると医師は、イルカアレルギーなど聞いたことが無いという。では一体何が原因なのか!?
特に症状の強い部分は腕と首、足の部分だったことから、友香さんは発疹が出ている部分が、ウエットスーツと直接肌が接している部分だという事に気付いた。そして水着の着用部分には、発疹は出ていなかった。友香さんは、イルカショーの担当になってから、訓練のため一日中ウエットスーツを着るようになっていた。医師から「ウエットスーツが原因かもしれない」と伝えられるも、イルカのトレーナーにとってウエットスーツは欠かせないもので、仕事を続けるためには着ないわけにはいかなかった。
結局、友香さんは「イルカアレルギーではなかったが、ウエットスーツアレルギー」と分かった。それでも彼女は痒みを我慢し、ウエットスーツを着て調教師という仕事を続けることに決めた。
アレルギー接触皮膚炎とは、化学物質、金属、植物などの成分(アレルゲン)に対して過敏性を示す人に起こるアレルギー性の皮膚炎です。原因物質に触れた数時間後より痒み、次いで紅斑、浮腫、丘疹、小水疱性などの皮膚炎がみられます。
原因物質としては、ニッケルやクロムなどの金属、ウルシ、桜草などの植物、ヘアダイなどの化粧品、その他外用薬、樹脂など多岐にわたります。上記のケースでは、ゴムなどの樹脂が原因になったのではないか、と考えられます。
診断としては、皮膚症状の正確な観察、問診による原因物質の特定が基本となります。ただ、上記のように患者さんが原因物質への接触時期を確実に記憶していることは少なく、問診の段階で発症状況(時期、部位、症状など)から可能性のあるものを順次取り上げることが必要となります。
原因物質確認のためには、パッチテストが行われます。
パッチテストとは、原因物質を特殊な受け皿のある絆創膏に乗せ正常皮膚に閉鎖貼付48時間、72時間後に紅斑の有無で判定する、アレルギー検査法の一つです。
判定は、貼っていたパッチを剥がした30分後および貼布72時間後、できれば1週間後に被検部皮膚の紅斑、浮腫/丘疹あるいは紅斑、浮腫/丘疹、小水疱をみれば陽性と判定します。
製品(化粧品、外用剤、点眼液、衣類、皮革など)はそのものを貼布します。ゲル製剤、染毛剤、パーマ液はopen testを行います(被検物質を前腕屈側に直径2cmに塗布し、20分〜30分後に蕁麻疹反応をみる)。消毒液は使用濃度で,洗浄剤は1%水溶液で貼布します。アレルゲンは、ワセリンないし水で至適濃度に希釈したものを作製して貼布します。
治療としては、以下のようなものがあります。
愛知県南知多ビーチランドの水族館は、イルカとアシカのショーが売り物。2001年7月、この水族館に大阪の高校を卒業した樋口友香さんが入社。実は友香さんは幼い頃、水族館で見たイルカと調教師の姿の虜になり、イルカのトレーナーになる事を夢みていた。
しかし、イルカのいる水族館は全国に30余りしかなく、また、殆どの水族館は欠員が出なければ採用しない狭き門。そこで、友香さんはイルカのトレーナーになる足がかりを掴もうと、全国の水族館に電話。やがて、愛知県南知多ビーチランドで研修を受けることになり、その熱心な働きぶりが認められ正式に採用となった。こうして友香さんの水族館での仕事は始まったが、すぐにイルカのトレーナーになれるわけではなく、いつかイルカの担当になる日を夢見て一生懸命働いた。
そして2004年、友香さんに夢だったイルカと一緒にステージに立つチャンスが巡ってきた。夏休みシーズンに向けイルカとの訓練が始まる。ところが、そんな友香さんを悲劇が襲う!その日の夜、なぜか体が痒くて寝つきが悪かった。そして翌朝、友香さんが目を覚ますと、なんとパジャマに血がついていた。体を見ると、手や首・足に発疹があった。友香さんは病院へ。すると、「症状からアレルギー性の皮膚炎かもしれない」と医師から伝えられる。最近変わった事がなかったか尋ねられ、ふとイルカと接する時間が増えた事がよぎり「まさか、イルカアレルギー?」と思う…。だが、この日は皮膚の炎症とかゆみを押さえる薬をもらい病院を後にした。
友香さんはショーのためイルカとの練習を続けたが、体にはまた発疹とかゆみが現われた。もしイルカアレルギーなら、憧れだったイルカのトレーナーを辞めなければならない…悩む友香さんだったが、医師にイルカとの接触が増えた件を打ち明ける。すると医師は、イルカアレルギーなど聞いたことが無いという。では一体何が原因なのか!?
特に症状の強い部分は腕と首、足の部分だったことから、友香さんは発疹が出ている部分が、ウエットスーツと直接肌が接している部分だという事に気付いた。そして水着の着用部分には、発疹は出ていなかった。友香さんは、イルカショーの担当になってから、訓練のため一日中ウエットスーツを着るようになっていた。医師から「ウエットスーツが原因かもしれない」と伝えられるも、イルカのトレーナーにとってウエットスーツは欠かせないもので、仕事を続けるためには着ないわけにはいかなかった。
結局、友香さんは「イルカアレルギーではなかったが、ウエットスーツアレルギー」と分かった。それでも彼女は痒みを我慢し、ウエットスーツを着て調教師という仕事を続けることに決めた。
アレルギー接触皮膚炎とは、化学物質、金属、植物などの成分(アレルゲン)に対して過敏性を示す人に起こるアレルギー性の皮膚炎です。原因物質に触れた数時間後より痒み、次いで紅斑、浮腫、丘疹、小水疱性などの皮膚炎がみられます。
原因物質としては、ニッケルやクロムなどの金属、ウルシ、桜草などの植物、ヘアダイなどの化粧品、その他外用薬、樹脂など多岐にわたります。上記のケースでは、ゴムなどの樹脂が原因になったのではないか、と考えられます。
診断としては、皮膚症状の正確な観察、問診による原因物質の特定が基本となります。ただ、上記のように患者さんが原因物質への接触時期を確実に記憶していることは少なく、問診の段階で発症状況(時期、部位、症状など)から可能性のあるものを順次取り上げることが必要となります。
原因物質確認のためには、パッチテストが行われます。
パッチテストとは、原因物質を特殊な受け皿のある絆創膏に乗せ正常皮膚に閉鎖貼付48時間、72時間後に紅斑の有無で判定する、アレルギー検査法の一つです。
判定は、貼っていたパッチを剥がした30分後および貼布72時間後、できれば1週間後に被検部皮膚の紅斑、浮腫/丘疹あるいは紅斑、浮腫/丘疹、小水疱をみれば陽性と判定します。
製品(化粧品、外用剤、点眼液、衣類、皮革など)はそのものを貼布します。ゲル製剤、染毛剤、パーマ液はopen testを行います(被検物質を前腕屈側に直径2cmに塗布し、20分〜30分後に蕁麻疹反応をみる)。消毒液は使用濃度で,洗浄剤は1%水溶液で貼布します。アレルゲンは、ワセリンないし水で至適濃度に希釈したものを作製して貼布します。
治療としては、以下のようなものがあります。
アレルギー接触皮膚炎の治療は、当然のことながら原因となるアレルゲン、接触刺激因子を見つけ出し除去することが必要になります。根本的な治療は、現時点では困難となります。そのため、的確な診断と対症療法、生活指導が必要になります。
対症療法としては、ステロイド薬の外用を主体として、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の投与が行われることもあります。
具体的には、発赤・腫脹・灼熱感に対しては、症状の程度に応じてmild〜very strongクラスのステロイド外用剤を塗った後、氷水や水道水などにより冷湿布します。漿液性丘疹・小水疱・びらんのみられる場合は、mild〜very strongクラスのステロイド外用剤を単純塗擦後、亜鉛華軟膏を塗ります。
ただ、ステロイド剤により、原因の追及や適応部位の検討なしに漫然と治療を行うことは、副作用(特に顔面)が大きな問題となります。そのため、原因物質の特定が重要です。
痒みに対しては、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤の内服を併用します。症状の強い場合は、短期間のプレドニゾロンの内服治療を行います。
上記のケースでは、しっかりと原因物質が特定されていますが、それでも夢のため、ウェットスーツを着続ける必要がありました。下に長袖の水着を着るなど、対処を行っているようです。これからも、彼女が出来ることなら大好きな仕事を続けることができれば、と願わずにいられません。
【関連記事】
仰天ニュース系の症例集
突然発症、赤く腫れた皮膚−日光蕁麻疹とは
食物アレルギーとは−きゅうりパックで発症
対症療法としては、ステロイド薬の外用を主体として、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の投与が行われることもあります。
具体的には、発赤・腫脹・灼熱感に対しては、症状の程度に応じてmild〜very strongクラスのステロイド外用剤を塗った後、氷水や水道水などにより冷湿布します。漿液性丘疹・小水疱・びらんのみられる場合は、mild〜very strongクラスのステロイド外用剤を単純塗擦後、亜鉛華軟膏を塗ります。
ただ、ステロイド剤により、原因の追及や適応部位の検討なしに漫然と治療を行うことは、副作用(特に顔面)が大きな問題となります。そのため、原因物質の特定が重要です。
痒みに対しては、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤の内服を併用します。症状の強い場合は、短期間のプレドニゾロンの内服治療を行います。
上記のケースでは、しっかりと原因物質が特定されていますが、それでも夢のため、ウェットスーツを着続ける必要がありました。下に長袖の水着を着るなど、対処を行っているようです。これからも、彼女が出来ることなら大好きな仕事を続けることができれば、と願わずにいられません。
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