山口隼人(松本潤)は、学生時代に一目惚れした綾(香里奈)に衝撃的運命の出会いな再会をして結婚。希望の職場に就職し、愛娘・みゅう(畠山彩奈)も生まれ、順風満帆な人生だった。
しかし、そんな隼人を突然「病魔」が襲った。うまく歩くことができない。電車で立っていられない。握力もほとんどなくなってしまう。起き上がることさえ出来ない。
隼人が診断された病名は、「ギランバレー症候群」だった。
ギランバレー症候群とは、突然、手足が動きにくくなり、麻痺していってしまう病気なのだが、一過性のものであり、4週間ほどで症状のピークを迎えるとその後は改善していく。隼人は「4週間で治る」病気であることに大きな期待を寄せた。しかし、4週間を過ぎても、症状は日増しに悪化するばかりだった。
だが、隼人は愛する妻子に、その苦悩を決してみせることはなかった。
一方、隼人の性格をよく知る妻・綾は隼人の主治医に疑問をぶつけ、セカンドオピニオンを希望して転院した。そこで隼人が宣告されたのはCIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)という10万人に1人の難病だった。
「ギランバレー症候群」との決定的な違いは慢性疾患であることだった。つまり、一生、元のように歩けるようにならないと宣告されてしまった。
夫として、父親として、何一つ「普通」のことがしてやれない。完全に、一筋の希望を経たれてしまった隼人。絶望の淵から、隼人を救ったものは…。そして、そんな隼人を強くした、妻・綾や娘・みゅうへの「誓い」とは。
山口隼人25歳。
10万人に1人の難病の体を奮い立たせながら、その「誓い」を守るための戦いが始まる。
(みゅうの足パパにあげる)
慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP:chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)とは、四肢の運動・感覚障害が2ヶ月以上の経過で進行する末梢神経障害です。臨床像から運動障害優位型、感覚障害優位型、運動・感覚障害混在型に分けられます。
国内での、厳密な疫学研究の報告はまだありませんが、男女比は1.5〜2:1で、男性に多いといわれています。発症年齢は2〜76歳(平均30歳代)であり、有病率は0.3〜0.5人/ 100,000人と推定されています。
発症様式としては、下肢または上肢の脱力が多く、近位筋(胴体に近い方の筋肉)または遠位筋(胴体に遠い方の筋肉)のいずれからも起こりえます。病初期には症状の左右差が目立つこともあります。筋力が衰えるため、上記のように歩くことや立ち上がることが難しかったり、握力の低下などが見られます。
臨床経過としては、緩徐進行型と寛解・増悪型があり、緩徐進行型の運動障害優位型では運動ニューロン疾患との鑑別が重要となります。また寛解・増悪型ではその周期が数年のこともあります。
上記でも出てきていますが、ギラン・バレー症候群(Guillain-Barre症候群)などの急性炎症性脱髄性多発根神経炎(AIDP)と対比して位置づけられる疾患です。
ギラン・バレー症候群は、急性の多発末梢神経障害であり、先行感染(EBウイルス、マイコプラズマ、Campylobacter jejuni感染に伴う例が知られています)などの刺激により、誘発された自己免疫機序によるものと考えられています。他にも、経過が急性であり、抗糖脂質抗体(IgGタイプ)が高率に陽性であるといった特徴があります。
発症1〜3週前に上気道炎症状や下痢がみられることが多いです。筋力低下は、通常2週以内にピークに達して徐々に回復していきます。一部では「未治療でも勝手に治る予後良好な疾患」といった捉え方もありますが、実際は全国調査によると、日常生活に支障をきたす後遺症を残した患者が21%を占めているといったことも指摘されています。
一方、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)も、何らかの自己抗体または免疫学的異常機序が関与しているといわれていますが、筋力低下と感覚障害は緩徐に発症し、2ヶ月以上にわたって進行する、という違いがあります。
診断に際しては、髄液検査による蛋白細胞解離(蛋白上昇がみられるが、細胞数は上昇しない)、電気生理学的検査にて、末梢神経伝導速度の低下とF波出現率の減少が有用であるといわれています。
MRIでは脊髄神経根、神経叢の肥厚(特にSTIR法による撮影が有効)と造影効果が観察されます。また、感覚障害のある患者さんでは、腓腹神経生検により髄鞘の菲薄化した有髄神経線維の多数の存在や、onion bulb形成(脱髄と髄鞘再生を繰り返し、タマネギを輪切りにしたような構造を示す)がみられます。
慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)では、特異的診断マーカーを欠くため、上記のケースのように、Guillan-Barre症候群と診断されることもありえます。そのため、除外診断を十分に行う必要があります。
上記のように、ギラン・バレー症候群と考えられた症例でも、4週を超えて症状の進行が疑われる例や再発を繰り返す例は、CIDPと鑑別し、方針を再確認する必要があるわけです。
治療としては、以下のようなものがあります。
しかし、そんな隼人を突然「病魔」が襲った。うまく歩くことができない。電車で立っていられない。握力もほとんどなくなってしまう。起き上がることさえ出来ない。
隼人が診断された病名は、「ギランバレー症候群」だった。
ギランバレー症候群とは、突然、手足が動きにくくなり、麻痺していってしまう病気なのだが、一過性のものであり、4週間ほどで症状のピークを迎えるとその後は改善していく。隼人は「4週間で治る」病気であることに大きな期待を寄せた。しかし、4週間を過ぎても、症状は日増しに悪化するばかりだった。
だが、隼人は愛する妻子に、その苦悩を決してみせることはなかった。
一方、隼人の性格をよく知る妻・綾は隼人の主治医に疑問をぶつけ、セカンドオピニオンを希望して転院した。そこで隼人が宣告されたのはCIDP(慢性炎症性脱髄性多発神経炎)という10万人に1人の難病だった。
「ギランバレー症候群」との決定的な違いは慢性疾患であることだった。つまり、一生、元のように歩けるようにならないと宣告されてしまった。
夫として、父親として、何一つ「普通」のことがしてやれない。完全に、一筋の希望を経たれてしまった隼人。絶望の淵から、隼人を救ったものは…。そして、そんな隼人を強くした、妻・綾や娘・みゅうへの「誓い」とは。
山口隼人25歳。
10万人に1人の難病の体を奮い立たせながら、その「誓い」を守るための戦いが始まる。
(みゅうの足パパにあげる)
慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP:chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy)とは、四肢の運動・感覚障害が2ヶ月以上の経過で進行する末梢神経障害です。臨床像から運動障害優位型、感覚障害優位型、運動・感覚障害混在型に分けられます。
国内での、厳密な疫学研究の報告はまだありませんが、男女比は1.5〜2:1で、男性に多いといわれています。発症年齢は2〜76歳(平均30歳代)であり、有病率は0.3〜0.5人/ 100,000人と推定されています。
発症様式としては、下肢または上肢の脱力が多く、近位筋(胴体に近い方の筋肉)または遠位筋(胴体に遠い方の筋肉)のいずれからも起こりえます。病初期には症状の左右差が目立つこともあります。筋力が衰えるため、上記のように歩くことや立ち上がることが難しかったり、握力の低下などが見られます。
臨床経過としては、緩徐進行型と寛解・増悪型があり、緩徐進行型の運動障害優位型では運動ニューロン疾患との鑑別が重要となります。また寛解・増悪型ではその周期が数年のこともあります。
上記でも出てきていますが、ギラン・バレー症候群(Guillain-Barre症候群)などの急性炎症性脱髄性多発根神経炎(AIDP)と対比して位置づけられる疾患です。
ギラン・バレー症候群は、急性の多発末梢神経障害であり、先行感染(EBウイルス、マイコプラズマ、Campylobacter jejuni感染に伴う例が知られています)などの刺激により、誘発された自己免疫機序によるものと考えられています。他にも、経過が急性であり、抗糖脂質抗体(IgGタイプ)が高率に陽性であるといった特徴があります。
発症1〜3週前に上気道炎症状や下痢がみられることが多いです。筋力低下は、通常2週以内にピークに達して徐々に回復していきます。一部では「未治療でも勝手に治る予後良好な疾患」といった捉え方もありますが、実際は全国調査によると、日常生活に支障をきたす後遺症を残した患者が21%を占めているといったことも指摘されています。
一方、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)も、何らかの自己抗体または免疫学的異常機序が関与しているといわれていますが、筋力低下と感覚障害は緩徐に発症し、2ヶ月以上にわたって進行する、という違いがあります。
診断に際しては、髄液検査による蛋白細胞解離(蛋白上昇がみられるが、細胞数は上昇しない)、電気生理学的検査にて、末梢神経伝導速度の低下とF波出現率の減少が有用であるといわれています。
MRIでは脊髄神経根、神経叢の肥厚(特にSTIR法による撮影が有効)と造影効果が観察されます。また、感覚障害のある患者さんでは、腓腹神経生検により髄鞘の菲薄化した有髄神経線維の多数の存在や、onion bulb形成(脱髄と髄鞘再生を繰り返し、タマネギを輪切りにしたような構造を示す)がみられます。
慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)では、特異的診断マーカーを欠くため、上記のケースのように、Guillan-Barre症候群と診断されることもありえます。そのため、除外診断を十分に行う必要があります。
上記のように、ギラン・バレー症候群と考えられた症例でも、4週を超えて症状の進行が疑われる例や再発を繰り返す例は、CIDPと鑑別し、方針を再確認する必要があるわけです。
治療としては、以下のようなものがあります。
上記のように、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)の発病には何らかの自己抗体または免疫学的異常機序が関与しているといわれています。そのため、副腎皮質ステロイド薬の投与や血液浄化療法、ヒト免疫グロブリンの大量静注療法(IVIg療法)などが広く行われています。
ただ、いずれの療法も単独で患者の病状を長期寛解に導くことは困難であるといわれています。通常は、複数の治療法を組み合わせて行われています。さらに、こうした治療抵抗性の患者では、免疫抑制薬(特にシクロスポリン)、インターフェロンαの追加使用が試みられています。
具体的には、初発例または急性増悪例では、IVIg療法または血液浄化療法を行い、治療反応性をみます。こうした治療で良好な効果が得られる患者さんでは、1ヶ月以上の間隔をおいてIVIg療法を繰り返しながら、プレドニゾロンをゆっくり減量します。」
また、IVIg療法を年に4回以上必要とする患者さんや、プレドニゾロンの減量が困難な患者さん(1年以上経ても0.5mg/kg以下に減量できない)などでは、治療抵抗例と考えてシクロスポリンが用いられます。
慢性進行性や再発性の経過をとることが多く、筋萎縮や重度の身体障害に陥ることが多いといわれています。また、呼吸障害や褥瘡よりの感染により死亡する例も稀ではないとのことです(逆に、自然寛解もときに見られることはあります)。
今回のテレビドラマにより、こうした疾患に対する理解が深まることや、治療研究が進むことが望まれます。
【関連記事】
有名人の症例集
長男の難聴を告白−今井絵理子さん
ただ、いずれの療法も単独で患者の病状を長期寛解に導くことは困難であるといわれています。通常は、複数の治療法を組み合わせて行われています。さらに、こうした治療抵抗性の患者では、免疫抑制薬(特にシクロスポリン)、インターフェロンαの追加使用が試みられています。
具体的には、初発例または急性増悪例では、IVIg療法または血液浄化療法を行い、治療反応性をみます。こうした治療で良好な効果が得られる患者さんでは、1ヶ月以上の間隔をおいてIVIg療法を繰り返しながら、プレドニゾロンをゆっくり減量します。」
また、IVIg療法を年に4回以上必要とする患者さんや、プレドニゾロンの減量が困難な患者さん(1年以上経ても0.5mg/kg以下に減量できない)などでは、治療抵抗例と考えてシクロスポリンが用いられます。
慢性進行性や再発性の経過をとることが多く、筋萎縮や重度の身体障害に陥ることが多いといわれています。また、呼吸障害や褥瘡よりの感染により死亡する例も稀ではないとのことです(逆に、自然寛解もときに見られることはあります)。
今回のテレビドラマにより、こうした疾患に対する理解が深まることや、治療研究が進むことが望まれます。
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