以下は、最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で扱われていた内容です。
昨年(2007年)の春、仕事先の大阪で倒れ緊急入院、医師から生存率20%と告げられ死の淵をさまよった中尾彬さん。若い頃スポーツで鍛えた体には自信を持ち、常に健康だと思い込んでいた彼は、グルメ、酒豪、ヘビースモーカーの日々を送りながら、注射嫌いもあって病院に行ったことがありませんでした。
そんな中尾さんに最初の異変が襲ったのは、2007年3月27日の夜。体がだるく、熱っぽい。いわゆる風邪の症状を感じました。風邪ぐらい寝れば治るだろうと思っていた中尾彬さん。しかし、翌朝になると症状はより悪化し、その後も様々な異変が続きました。
横紋筋融解症とは、骨格の周りについた横紋筋という筋肉の細胞が、何らかの原因でダメージを与えられ、壊死していく疾患です。
普段は筋肉の中で酸素を蓄えているミオグロビンが溶け出し、血液中に流出します。そのミオグロビンが腎臓に詰まると(横紋筋融解症では、高率にこうした急性尿細管壊死を併発することになります)、急性腎不全を起こしてしまいます(腎機能が急激に低下する)。
こうした急性腎不全の状態になると、最悪の場合、多臓器不全を引き起こし、死に至ることもあります。中尾さんもまさに多臓器不全に陥り、生死にかかわる状態となってしまいました。
横紋筋融解症の原因としては、横紋筋の外傷性挫滅、過激な運動、アルコール過飲、向精神薬などの薬剤、糖尿病性ケトアシドーシスなどの代謝性疾患や、感染症などにより筋組織が破壊されることで起こります。
中尾さんの場合、妻の病や義母の死で、精神的なストレスが蓄積していました。さらに、看病のための東京・沖縄の往復、64歳という年齢、大量の飲酒や喫煙などの生活習慣といった肉体的なストレスも溜めていました。
その結果、体調を崩して風邪をひいてしまいました。しかし、病院嫌いの中尾さんは薬を飲んだだけで京都ロケを敢行し、それがたたって中尾さんの風邪はさらに悪化し、急性肺炎を発症してしまいました。この急性肺炎が、さらに横紋筋融解症を併発させたと考えられます。
検査や治療としては、以下のようなものがあります。
昨年(2007年)の春、仕事先の大阪で倒れ緊急入院、医師から生存率20%と告げられ死の淵をさまよった中尾彬さん。若い頃スポーツで鍛えた体には自信を持ち、常に健康だと思い込んでいた彼は、グルメ、酒豪、ヘビースモーカーの日々を送りながら、注射嫌いもあって病院に行ったことがありませんでした。
そんな中尾さんに最初の異変が襲ったのは、2007年3月27日の夜。体がだるく、熱っぽい。いわゆる風邪の症状を感じました。風邪ぐらい寝れば治るだろうと思っていた中尾彬さん。しかし、翌朝になると症状はより悪化し、その後も様々な異変が続きました。
1)風邪こうした症状がみられ、病院へと搬送されることになりました。そこで診察や検査の結果で判明した疾患は、横紋筋融解症でした。
体がだるく、熱っぽいといった感冒様の症状を呈していました。
2)足がふらつく
上記のような症状が現れてきましたが、京都ロケを敢行して無理を続けました。その結果、足がふらついて上手く歩くことが出来なくなりました。
3)手がふるえる
何もしていない状態で手が震えてしまって、定まらないといった症状がみられていました。
4)身体が動かない
マネージャーからの電話があっても、それに出ることが出来ず、体が動きませんでした。
横紋筋融解症とは、骨格の周りについた横紋筋という筋肉の細胞が、何らかの原因でダメージを与えられ、壊死していく疾患です。
普段は筋肉の中で酸素を蓄えているミオグロビンが溶け出し、血液中に流出します。そのミオグロビンが腎臓に詰まると(横紋筋融解症では、高率にこうした急性尿細管壊死を併発することになります)、急性腎不全を起こしてしまいます(腎機能が急激に低下する)。
こうした急性腎不全の状態になると、最悪の場合、多臓器不全を引き起こし、死に至ることもあります。中尾さんもまさに多臓器不全に陥り、生死にかかわる状態となってしまいました。
横紋筋融解症の原因としては、横紋筋の外傷性挫滅、過激な運動、アルコール過飲、向精神薬などの薬剤、糖尿病性ケトアシドーシスなどの代謝性疾患や、感染症などにより筋組織が破壊されることで起こります。
中尾さんの場合、妻の病や義母の死で、精神的なストレスが蓄積していました。さらに、看病のための東京・沖縄の往復、64歳という年齢、大量の飲酒や喫煙などの生活習慣といった肉体的なストレスも溜めていました。
その結果、体調を崩して風邪をひいてしまいました。しかし、病院嫌いの中尾さんは薬を飲んだだけで京都ロケを敢行し、それがたたって中尾さんの風邪はさらに悪化し、急性肺炎を発症してしまいました。この急性肺炎が、さらに横紋筋融解症を併発させたと考えられます。
検査や治療としては、以下のようなものがあります。
血圧、脈拍数、呼吸数、意識レベルといった身体的な所見がまず重要となります。また、一般血液検査や生化学検査(電解質、BUN、クレアチニン、CPK)、血液ガス、尿検査(時間尿量、色調、ミオグロビン量)などが重要となります。
血液検査や尿検査にて、血中・尿中Mb(ミオグロビン)は著増し、クレアチンホスホキナーゼ(CPK)やアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アルドラーゼなどの筋逸脱酵素も上昇します。尿は暗赤色を呈し、潜血反応は陽性だが赤血球沈渣を認ないといった特徴があります。
実は、横紋筋融解症は挫滅症候群(クラッシュ症候群)でも起こりえます。挫滅症候群とは、震災などで倒壊家屋の下敷きになったり、落盤事故などで四肢や臀部が長時間圧迫されるか窮屈な肢位を強いられ、救出後に急速に圧迫局所の浮腫による腫脹と四肢骨格筋の傷害に加え、低容量性ショックや横紋筋融解症に基づく腎不全などの重篤な全身の障害をきたしたりします。
圧迫の解除とともに大量の血漿が血管外に漏出し、ショックから腎不全に移行するので、可能であれば発見現場からでも細胞外液の大量輸液を開始する必要があります(もちろん、横紋筋融解症においても有効です)。できるだけ速やかに行うことで、ショックや腎不全発症の回避につながります。
具体的には、加温した乳酸リンゲルか酢酸リンゲルを、循環動態が安定し、1ml/kg/時以上の時間尿量が得られるまで500〜1,000ml/hで急速投与します。こうした輸液に加えて強制利尿も有効で、ラシックスやマンニトールを適宜用いたりします(入院後は、細胞破壊に伴う高カリウム血症になりやすいため、カリウムを含有しない低張電解質液にマンニトールを併用し、代謝性アシドーシスの改善に重炭酸ナトリウムを投与したりします)。
メイロン(炭酸水素ナトリウム)を静注すると、アシドーシスの補正以外に高K血症の是正、尿細管でのミオグロビンや尿酸の沈着を予防する効果も期待できるといわれています。
完成した乏尿性腎不全や高カリウム血症に対しては、血液透析の適応となります。循環動態が不安定であれば、持続血液透析や持続血液透析濾過を選択することになります。
中尾さんは、入院後に妻・志乃さんの献身的な看病の甲斐もあり、担当医も驚くほどの回復を見せたそうです。およそ3ヶ月後には仕事に復帰できました。たかが風邪、と思わずに、無理をしすぎないことが重要であると考えられます。
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血液検査や尿検査にて、血中・尿中Mb(ミオグロビン)は著増し、クレアチンホスホキナーゼ(CPK)やアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アルドラーゼなどの筋逸脱酵素も上昇します。尿は暗赤色を呈し、潜血反応は陽性だが赤血球沈渣を認ないといった特徴があります。
実は、横紋筋融解症は挫滅症候群(クラッシュ症候群)でも起こりえます。挫滅症候群とは、震災などで倒壊家屋の下敷きになったり、落盤事故などで四肢や臀部が長時間圧迫されるか窮屈な肢位を強いられ、救出後に急速に圧迫局所の浮腫による腫脹と四肢骨格筋の傷害に加え、低容量性ショックや横紋筋融解症に基づく腎不全などの重篤な全身の障害をきたしたりします。
圧迫の解除とともに大量の血漿が血管外に漏出し、ショックから腎不全に移行するので、可能であれば発見現場からでも細胞外液の大量輸液を開始する必要があります(もちろん、横紋筋融解症においても有効です)。できるだけ速やかに行うことで、ショックや腎不全発症の回避につながります。
具体的には、加温した乳酸リンゲルか酢酸リンゲルを、循環動態が安定し、1ml/kg/時以上の時間尿量が得られるまで500〜1,000ml/hで急速投与します。こうした輸液に加えて強制利尿も有効で、ラシックスやマンニトールを適宜用いたりします(入院後は、細胞破壊に伴う高カリウム血症になりやすいため、カリウムを含有しない低張電解質液にマンニトールを併用し、代謝性アシドーシスの改善に重炭酸ナトリウムを投与したりします)。
メイロン(炭酸水素ナトリウム)を静注すると、アシドーシスの補正以外に高K血症の是正、尿細管でのミオグロビンや尿酸の沈着を予防する効果も期待できるといわれています。
完成した乏尿性腎不全や高カリウム血症に対しては、血液透析の適応となります。循環動態が不安定であれば、持続血液透析や持続血液透析濾過を選択することになります。
中尾さんは、入院後に妻・志乃さんの献身的な看病の甲斐もあり、担当医も驚くほどの回復を見せたそうです。およそ3ヶ月後には仕事に復帰できました。たかが風邪、と思わずに、無理をしすぎないことが重要であると考えられます。
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