以下は、最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で扱われていた内容です。
主婦のY・Sさん(51)の悩みの種は、肩こり。いつも、ずしんと重いものが乗っているような鈍痛に悩まされていましたが、ある日、食器棚に手を伸ばした時、肩から二の腕にかけて刺すような痛みが走りました。
その夜、床についても肩に痛みを感じ、なかなか寝付けません。その後、日常のちょっとした動作をするだけで痛みを感じるようになり、ますます悪化していきます。具体的には、以下のような症状が現れてきました。
肩関節周囲炎とは、肩関節部の疼痛と運動制限を来すもので、1つの症候群と考えられています。明らかな誘因がなく、40歳以降の患者が疼痛と肩関節可動制限をきたし、夜間痛を訴える患者さんも多いです。
簡単に言ってしまえば、肩関節やその周辺に炎症が起き、動きの制限や激しい痛みが起こる疾患で「五十肩」と呼ばれています(肩関節の疼痛と可動域制限を2大症状とする肩関節周囲炎の中で、中年以降とくに50歳代に好発し、明確な病態診断をつけることができない疾患群をいわゆる五十肩という概念に入れています)。年齢層は40代から60代までと幅広く、現在およそ600万人の患者がいると言われています。
主な原因は加齢です。肩関節は他の関節に比べ可動域が広いため、普段から大きな負担がかかっています。長年の動作により、肩の関節を支える上腕二頭筋や、棘上筋などの組織が老化し、ちょっとした動作で、炎症が起きやすくなってしまい肩から腕にかけて痛みなどが起きてしまいます。
疼痛と可動域制限の症状のうち、疼痛は三角筋部から上腕・肘への放散痛(肩〜二の腕の辺り)を呈します。運動時のみならず安静時、とくに夜間就眠時痛が特徴的です。
可動域制限は病初期(疼痛性筋けい縮期)では関節包の癒着などが生じていない時期であり、除痛が得られれば可動域は速やかに改善します。ですが、関節包の癒着が生じてくると可動域制限は著明(筋性拘縮期)となり、「凍結肩」と呼ばれます(初期では疼痛が、後に拘縮が主体となる)。
肩関節周囲炎(五十肩)のほとんどが半年から1年ほどで自然に治りますが、Y・Sさんのように肩関節周囲炎(五十肩)の炎症が進行してしまうと、関節が凍ったように硬くなり、動かせなくなってしまう状態になってしまいます。
肩関節周囲炎(五十肩)の必要な検査や治療としては、以下のようなものがあります。
主婦のY・Sさん(51)の悩みの種は、肩こり。いつも、ずしんと重いものが乗っているような鈍痛に悩まされていましたが、ある日、食器棚に手を伸ばした時、肩から二の腕にかけて刺すような痛みが走りました。
その夜、床についても肩に痛みを感じ、なかなか寝付けません。その後、日常のちょっとした動作をするだけで痛みを感じるようになり、ますます悪化していきます。具体的には、以下のような症状が現れてきました。
1)肩から二の腕にかけて、刺すような痛みようやく病院に行き、検査などを行った結果、彼女が受けた診断は「肩関節周囲炎による凍結肩」でした。
上記のように、食器棚の上の物に手を伸ばそうとしたところ、肩から上腕にかけて痛みがはしりました。
2)夜、肩が痛む
肩の痛みを感じて、その夜に痛みが持続し、寝付けませんでした。
3)少し肩を動かすだけで痛い
肩から上腕に掛けての痛みを感じて以降、少しでも腕を動かすだけで痛くなり、次第に悪化しているような症状が現れてきました。
4)大きく動かすと肩に激痛
症状が悪化していき、肩を大きく動かすと、激痛が走るようになってしまいました。
5)肩が全く動かない
結果、今度は肩が全く動かないような状態になってしまいました。その結果、日常生活に大きな支障が生じてきました。
肩関節周囲炎とは、肩関節部の疼痛と運動制限を来すもので、1つの症候群と考えられています。明らかな誘因がなく、40歳以降の患者が疼痛と肩関節可動制限をきたし、夜間痛を訴える患者さんも多いです。
簡単に言ってしまえば、肩関節やその周辺に炎症が起き、動きの制限や激しい痛みが起こる疾患で「五十肩」と呼ばれています(肩関節の疼痛と可動域制限を2大症状とする肩関節周囲炎の中で、中年以降とくに50歳代に好発し、明確な病態診断をつけることができない疾患群をいわゆる五十肩という概念に入れています)。年齢層は40代から60代までと幅広く、現在およそ600万人の患者がいると言われています。
主な原因は加齢です。肩関節は他の関節に比べ可動域が広いため、普段から大きな負担がかかっています。長年の動作により、肩の関節を支える上腕二頭筋や、棘上筋などの組織が老化し、ちょっとした動作で、炎症が起きやすくなってしまい肩から腕にかけて痛みなどが起きてしまいます。
疼痛と可動域制限の症状のうち、疼痛は三角筋部から上腕・肘への放散痛(肩〜二の腕の辺り)を呈します。運動時のみならず安静時、とくに夜間就眠時痛が特徴的です。
可動域制限は病初期(疼痛性筋けい縮期)では関節包の癒着などが生じていない時期であり、除痛が得られれば可動域は速やかに改善します。ですが、関節包の癒着が生じてくると可動域制限は著明(筋性拘縮期)となり、「凍結肩」と呼ばれます(初期では疼痛が、後に拘縮が主体となる)。
肩関節周囲炎(五十肩)のほとんどが半年から1年ほどで自然に治りますが、Y・Sさんのように肩関節周囲炎(五十肩)の炎症が進行してしまうと、関節が凍ったように硬くなり、動かせなくなってしまう状態になってしまいます。
肩関節周囲炎(五十肩)の必要な検査や治療としては、以下のようなものがあります。
まず、他動的な可動域の測定で関節包・靱帯などの癒着や拘縮、筋性防御などの部位診断を行います。次に、可動範囲内での内外旋や外転抵抗運動で、疼痛などの症状がでる肢位あるいは条件、疼痛の自覚部位にくわえ、力を入れた際に運動軸の維持ができるか否かを検査します。
また、上腕二頭筋長頭腱や腱板に対するストレステスト、procaine testによる局所麻酔剤の効果から、肩関節自体の症状発現部位の病態および機能への影響を診断したりします。
このように特徴的な画像診断の検査所見はなく、除外診断が中心となります。補助診断法としては単純X線撮影、関節造影、肩峰下滑液包造影、MRI、超音波検査などがあり、主として腱板や関節包の状態を観察し、明らかな病態診断がついた場合には本疾患から除外します。
治療としては、原則は保存療法です。安静、注射、内服薬などで疼痛を生じている組織の炎症の鎮静化、癒着している部分のできる限り穏やかな伸張による可動域の改善、そして機能的に低下している腱板と肩甲胸郭関節の機能を上げることで、肩関節は正常な動きを取り戻すことができることになります。
内服薬としては消炎鎮痛剤、筋弛緩剤を投与します。注射療法も有効であり、局所麻酔剤とステロイド剤の混合液、あるいはヒアルロン酸ナトリウムの製剤を上腕二頭筋長頭腱腱鞘や肩関節腔内または肩峰下滑液包内に注入します。
そもそも肩関節周囲炎(五十肩)は、急性期、慢性期、回復期の3つの期間に分けられます。日常のちょっとした動きでも痛みを感じる急性期。その期間は、2週間程度から長い人で4ヶ月ほど続く場合があります。この段階では、安静にすることがベストです。急性期が過ぎると、やがて日常生活ではさほど痛みを感じない慢性期に移行します。実はこの慢性期に、大事なポイントがあったのです。
慢性期には、炎症がさらに周囲に波及。関節を滑りやすくしている組織が徐々に固まり、骨との癒着が始まります。通常は、痛みも落ち着いてくるため、肩を動かす機会が増え、自然に癒着がはがれ元の状態に戻っていくのです。
しかし、Y・Sさんは「安静しておいた方がいい」と、とにかく使わないようにしていました。実はこれが大間違い。動かさずにいたため骨との癒着が一段と進行し、凍ったように堅くなり動かせなくなってしまったのです。その後、彼女は治療により日常生活に支障がないまでに回復しましたが、運動制限が残り、一定以上動かすことができなくなってしまいました。
しっかりと肩の状態を医師の診断のもとで判断し、しかるべき処置や治療を受けることが重要となります。
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また、上腕二頭筋長頭腱や腱板に対するストレステスト、procaine testによる局所麻酔剤の効果から、肩関節自体の症状発現部位の病態および機能への影響を診断したりします。
このように特徴的な画像診断の検査所見はなく、除外診断が中心となります。補助診断法としては単純X線撮影、関節造影、肩峰下滑液包造影、MRI、超音波検査などがあり、主として腱板や関節包の状態を観察し、明らかな病態診断がついた場合には本疾患から除外します。
治療としては、原則は保存療法です。安静、注射、内服薬などで疼痛を生じている組織の炎症の鎮静化、癒着している部分のできる限り穏やかな伸張による可動域の改善、そして機能的に低下している腱板と肩甲胸郭関節の機能を上げることで、肩関節は正常な動きを取り戻すことができることになります。
内服薬としては消炎鎮痛剤、筋弛緩剤を投与します。注射療法も有効であり、局所麻酔剤とステロイド剤の混合液、あるいはヒアルロン酸ナトリウムの製剤を上腕二頭筋長頭腱腱鞘や肩関節腔内または肩峰下滑液包内に注入します。
そもそも肩関節周囲炎(五十肩)は、急性期、慢性期、回復期の3つの期間に分けられます。日常のちょっとした動きでも痛みを感じる急性期。その期間は、2週間程度から長い人で4ヶ月ほど続く場合があります。この段階では、安静にすることがベストです。急性期が過ぎると、やがて日常生活ではさほど痛みを感じない慢性期に移行します。実はこの慢性期に、大事なポイントがあったのです。
慢性期には、炎症がさらに周囲に波及。関節を滑りやすくしている組織が徐々に固まり、骨との癒着が始まります。通常は、痛みも落ち着いてくるため、肩を動かす機会が増え、自然に癒着がはがれ元の状態に戻っていくのです。
しかし、Y・Sさんは「安静しておいた方がいい」と、とにかく使わないようにしていました。実はこれが大間違い。動かさずにいたため骨との癒着が一段と進行し、凍ったように堅くなり動かせなくなってしまったのです。その後、彼女は治療により日常生活に支障がないまでに回復しましたが、運動制限が残り、一定以上動かすことができなくなってしまいました。
しっかりと肩の状態を医師の診断のもとで判断し、しかるべき処置や治療を受けることが重要となります。
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