読売新聞の医療相談室で、以下のような相談がなされていました。
女性に多いといわれていますが、幼児、低学年児童では性差はなく、年齢を重ねるにつれて性差が目立つようになります。男児は小学校高学年まで、女性は成人後まで増加します。
一般に、凍瘡の発症温度は、平均気温15℃、1日の温度格差(1日の最高温度と最低温度の差)が10〜15℃で発症しやすいですが、温度4〜5℃、温度格差10℃前後が最も生じやすいといわれています。冬の始まりと終わりに生じやすく、厳寒期にはむしろ減少するそうです。
自覚症状として痛がゆさがあり、暖めると自覚症状が増します。注意すべき点として、SLEなどの膠原病、甲状腺機能低下などを合併する症例があるので、夏期などにも繰り返して発症する症例には精査が必要となります。
治療や予防としては、以下のようなものがあります。
外用薬としては、あまり湿潤していない場合はビタミンE軟膏(ユベラ軟膏)、 副腎皮質ホルモン剤などを塗布し、マッサージを行います。
痒みが強い場合は抗ヒスタミン軟膏(レスタミン軟膏、オイラックスH軟膏)など、潰瘍や感染が考えられる場合はマスキン液などで十分に消毒し、抗生物質を含む軟膏(ゲンタシン軟膏、アクロマイシン軟膏を使用します。
内服薬としては、ビタミンE(ユベラ)、血管拡張薬(カリクレイン、プロサイリン)、抗ヒスタミン薬(ポララミン)などを用います。
生活指導としては、防寒対策を十分に行い、窮屈な手袋や靴の使用を避け、水で濡らすことを避けます。寒冷に曝露されたときは、単に暖めるのではなく摩擦により血流の回復をはかります。
まずは、生活の上で注意できることからご留意ください。その上で、皮膚科に受診なさってはいかがでしょうか。
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冬になると毎年、「しもやけ」に悩まされています。今年も手足の指先がしもやけになり、だんだん広がっています。治療と予防の方法を教えてください。(38歳女性)この相談に対して、平松皮膚科医院院長の平松洋先生は以下のようにお答えになっています。
しもやけは、手足の指と耳たぶに多く見られます。赤いしこりになることが多く、痛みやかゆみを伴い、時に崩れて皮膚潰瘍になることもあります。凍瘡(しもやけ)とは、寒冷に曝露したため循環障害をきたしやすい指、耳たぶ、鼻尖などの末梢部に腫脹、うっ血、水疱、び爛を生じる状態です(寒冷に曝露されやすく、循環障害が生じやすいところに起こりやすい)。
冬に冷たい水などに肌をさらすことで、手足の指や耳たぶの末梢血管の血の流れが悪くなって起こります。
血の巡りの良くない子どもや高齢者、30〜50代の女性に多く見られます。女性が多いのは、家事で冷たい水にさらされる機会が多いからではないかと思います。
女性に多いといわれていますが、幼児、低学年児童では性差はなく、年齢を重ねるにつれて性差が目立つようになります。男児は小学校高学年まで、女性は成人後まで増加します。
一般に、凍瘡の発症温度は、平均気温15℃、1日の温度格差(1日の最高温度と最低温度の差)が10〜15℃で発症しやすいですが、温度4〜5℃、温度格差10℃前後が最も生じやすいといわれています。冬の始まりと終わりに生じやすく、厳寒期にはむしろ減少するそうです。
自覚症状として痛がゆさがあり、暖めると自覚症状が増します。注意すべき点として、SLEなどの膠原病、甲状腺機能低下などを合併する症例があるので、夏期などにも繰り返して発症する症例には精査が必要となります。
治療や予防としては、以下のようなものがあります。
冷たい刺激に弱い人によく起こり、体質や遺伝にもよるので、発症を防ぐことは難しいですが、次のような点に注意するといいと思います。治療の基本は、予防と末梢循環機能の回復です。
1)外出時は少し大きめで、寒気を通さない厚手の手袋や靴下、耳当てを着用する
2)湿った靴下を履いて寒いところにいると、局所的に温度が下がるので、湿気を帯びた靴下はすぐ取り換える
3)冷たい水などに肌をさらした後は、手足をマッサージしたり暖房機器で温めたりする。
また、しもやけになってしまった場合は、血行を良くする「ヘパリン類似物質」の塗り薬で、軽くマッサージをします。
これで治らなければ、ステロイドの塗り薬や、血行を良くする働きがあるビタミンEや漢方薬、「カリジノゲナーゼ」などの内服薬を使います。症状が軽ければ市販薬で治ることもありますが、症状が進んだ場合は、皮膚科専門医を受診して治療しましょう。
外用薬としては、あまり湿潤していない場合はビタミンE軟膏(ユベラ軟膏)、 副腎皮質ホルモン剤などを塗布し、マッサージを行います。
痒みが強い場合は抗ヒスタミン軟膏(レスタミン軟膏、オイラックスH軟膏)など、潰瘍や感染が考えられる場合はマスキン液などで十分に消毒し、抗生物質を含む軟膏(ゲンタシン軟膏、アクロマイシン軟膏を使用します。
内服薬としては、ビタミンE(ユベラ)、血管拡張薬(カリクレイン、プロサイリン)、抗ヒスタミン薬(ポララミン)などを用います。
生活指導としては、防寒対策を十分に行い、窮屈な手袋や靴の使用を避け、水で濡らすことを避けます。寒冷に曝露されたときは、単に暖めるのではなく摩擦により血流の回復をはかります。
まずは、生活の上で注意できることからご留意ください。その上で、皮膚科に受診なさってはいかがでしょうか。
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