以下は、最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で扱われていた内容です。
1年前まで腰痛がひどく、立つことすらできず、車椅子の生活を送っていたK・Sさん(29)。ですが、現在では杖を使って外出できるまでに回復したそうです。そんな彼女が受けた治療は、整形外科だけによるものではありませんでした。
年間、1万人もの腰痛患者が訪れる福島県立医科大学附属病院では、ストレスが腰痛の大きな原因となっている患者に対し、「リエゾン治療」を行っています。
「リエゾン」とは、フランス語で「連携」という意味です。リエゾン治療とは、整形外科と心身医療科が連携し、体と心、二つの面から腰痛を治す治療法です。具体的には整形外科では痛みを和らげる治療や、リハビリ療法で筋力の回復を図っていき、その一方で、心身医療科では腰痛の原因であるストレスを軽減するために、認知行動療法が用いられています。
認知行動療法とは、不快な感情や不適応な行動の背景にある認知に焦点を当て、適応的な感情や行動へと変化させることを目的とする治療法を総称します。簡単に言えば、物事の受け止め方・認知を変えることで、対処の仕方・行動を変え、心理的ストレスを軽減する治療法です。
もともとは、米国の精神科医のベックらがうつ病に用いて有名となりました。現在では、種々の行動療法的技法と統合され、うつ病ばかりでなく、パニック障害、強迫性障害、摂食障害、物質依存、人格障害などに適応されています。また、慢性疼痛、糖尿病、癌患者のQOLの改善やストレス・マネージメントなどに使われます。
1年前は腰痛がひどく、車椅子の生活を送っていたという彼女も、認知行動療法で、痛みが大きく改善した患者の一人です。具体的な治療法としては、以下のようなものでした。
1年前まで腰痛がひどく、立つことすらできず、車椅子の生活を送っていたK・Sさん(29)。ですが、現在では杖を使って外出できるまでに回復したそうです。そんな彼女が受けた治療は、整形外科だけによるものではありませんでした。
年間、1万人もの腰痛患者が訪れる福島県立医科大学附属病院では、ストレスが腰痛の大きな原因となっている患者に対し、「リエゾン治療」を行っています。
「リエゾン」とは、フランス語で「連携」という意味です。リエゾン治療とは、整形外科と心身医療科が連携し、体と心、二つの面から腰痛を治す治療法です。具体的には整形外科では痛みを和らげる治療や、リハビリ療法で筋力の回復を図っていき、その一方で、心身医療科では腰痛の原因であるストレスを軽減するために、認知行動療法が用いられています。
認知行動療法とは、不快な感情や不適応な行動の背景にある認知に焦点を当て、適応的な感情や行動へと変化させることを目的とする治療法を総称します。簡単に言えば、物事の受け止め方・認知を変えることで、対処の仕方・行動を変え、心理的ストレスを軽減する治療法です。
もともとは、米国の精神科医のベックらがうつ病に用いて有名となりました。現在では、種々の行動療法的技法と統合され、うつ病ばかりでなく、パニック障害、強迫性障害、摂食障害、物質依存、人格障害などに適応されています。また、慢性疼痛、糖尿病、癌患者のQOLの改善やストレス・マネージメントなどに使われます。
1年前は腰痛がひどく、車椅子の生活を送っていたという彼女も、認知行動療法で、痛みが大きく改善した患者の一人です。具体的な治療法としては、以下のようなものでした。
今から1年前、彼女を担当した心身医療科の先生が最初に提案したのは、心理学の本の抜き書きでした。本を読み、自分に当てはまることや共感できることを紙に書き出すよう指示したのです。すると先生は、その中にある、一つの文章に着目しました
「理想が高すぎる人は、それが実現しなかったときの落胆が大きい」。聞けば、彼女は子供のころから、勉強でも目標を高くしがちで、そこに到達できないと落胆ばかりしていたといいます。
そして治療開始からまもなくのこと、リハビリ担当のスタッフからも、そのことを裏付ける報告が上がってきたのです。「一日でも早く、歩くこと」を目標にしていた彼女は、立ち上がることすらできない自分の現実に落ち込み、すっかり、やる気を失っているというのです。目標に到達できないと失敗と受け止め落胆し、それを投げだしてしまう。
心身医療科の先生は、彼女のこの受け止め方こそが、ストレスを増加させ、腰痛を悪化させていると確信しました。そして、このことを彼女に告げ、自覚してもらうとともに、ある提案をしたのです。それが「リハビリ・カレンダー作戦」。
リハビリ・カレンダー作戦とは、リハビリの目標を1週間ごとに細かくたてていき、達成出来た日は、印をつけるというものです。ポイントは目標を「歩く」ことに置かず、まずはその前提となる「しっかり立つこと」に下げさせたこと。目標を高くするのではなく、目標を小刻みにできる内容に変えて、毎日チェックすることで達成感を積み重ねてもらおうと思ったのです。
この小さな達成感は、彼女にとって新鮮なものでした。「目標を低くし、その達成を成功と受け止める」。そんな考え方は、彼女には全く無かった発想だったのです。そしてリハビリが進むうちに、腰痛の原因だった悲観的な受け止め方と行動が、いつの間にか消えていたのです。そして、リハビリ・カレンダーを始めて1年近く経った今では、杖を使って外出できるまでに回復しました。
このように、認知行動療法の特徴は、認知と感情や行動との関係のパターンを自覚すること、そして、これらの変化を継時的に観察し、よりよい方向に修正していくことにあります。
つまりは、患者さん自らが自分の感情や行動と認知のパターンを認識し、合理的な対処法を考え、セルフ・モニタリングすることによって、その変化を確証し、目標へと進んでいく方法がとられます。
一口に腰痛といっても、その原因は多岐にわたり、ストレスが大きな原因となっていることもあります。精神的な支えを得たり、そのリハビリに精神的な療法が用いられることは大きな利点があると考えられます。
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コンサルテーション・リエゾン精神医学とは
「理想が高すぎる人は、それが実現しなかったときの落胆が大きい」。聞けば、彼女は子供のころから、勉強でも目標を高くしがちで、そこに到達できないと落胆ばかりしていたといいます。
そして治療開始からまもなくのこと、リハビリ担当のスタッフからも、そのことを裏付ける報告が上がってきたのです。「一日でも早く、歩くこと」を目標にしていた彼女は、立ち上がることすらできない自分の現実に落ち込み、すっかり、やる気を失っているというのです。目標に到達できないと失敗と受け止め落胆し、それを投げだしてしまう。
心身医療科の先生は、彼女のこの受け止め方こそが、ストレスを増加させ、腰痛を悪化させていると確信しました。そして、このことを彼女に告げ、自覚してもらうとともに、ある提案をしたのです。それが「リハビリ・カレンダー作戦」。
リハビリ・カレンダー作戦とは、リハビリの目標を1週間ごとに細かくたてていき、達成出来た日は、印をつけるというものです。ポイントは目標を「歩く」ことに置かず、まずはその前提となる「しっかり立つこと」に下げさせたこと。目標を高くするのではなく、目標を小刻みにできる内容に変えて、毎日チェックすることで達成感を積み重ねてもらおうと思ったのです。
この小さな達成感は、彼女にとって新鮮なものでした。「目標を低くし、その達成を成功と受け止める」。そんな考え方は、彼女には全く無かった発想だったのです。そしてリハビリが進むうちに、腰痛の原因だった悲観的な受け止め方と行動が、いつの間にか消えていたのです。そして、リハビリ・カレンダーを始めて1年近く経った今では、杖を使って外出できるまでに回復しました。
このように、認知行動療法の特徴は、認知と感情や行動との関係のパターンを自覚すること、そして、これらの変化を継時的に観察し、よりよい方向に修正していくことにあります。
つまりは、患者さん自らが自分の感情や行動と認知のパターンを認識し、合理的な対処法を考え、セルフ・モニタリングすることによって、その変化を確証し、目標へと進んでいく方法がとられます。
一口に腰痛といっても、その原因は多岐にわたり、ストレスが大きな原因となっていることもあります。精神的な支えを得たり、そのリハビリに精神的な療法が用いられることは大きな利点があると考えられます。
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