読売新聞の医療相談室で、以下のような相談がなされていました。
こうした症状に対して、以下のように記載されていました。
過活動膀胱とは、尿意切迫感に、日常的に頻尿や夜間尿を伴う症状症候群であるといえます(切迫性尿失禁はなくてもよい)。尿流動態検査で検出可能な排尿筋過活動を示唆するもので、尿意切迫感や頻尿を起こします。
排尿筋過活動は、脳梗塞やパーキソン病、脊髄損傷などによる膀胱支配神経障害による神経因性排尿筋過活動と、原因不明の排尿筋過活動とがあります。また、前立腺肥大症や高齢者に伴います。
診断は症状で可能でありますが、同様の症状を呈する他疾患を鑑別し、除外することが必要となります。鑑別すべき疾患は尿路感染症、膀胱癌、膀胱結石、間質性膀胱炎、前立腺炎、前立腺癌、尿閉、多尿や神経性頻尿などがあります。
治療としては、以下のようなものがあります。
過活動膀胱の治療は、生活指導や膀胱訓練のような行動療法、干渉低周波治療や薬物療法が行われます。中心は薬物療法、すなわち抗コリン薬が主体となります。
排尿間隔を少しずつ延ばす膀胱訓練や、骨盤底の筋肉を収縮させる骨盤底筋訓練などをまず1ヶ月程度行います。これらの治療は、単独では高い効果は得にくいので、並行して排尿筋過活動を抑制し、骨盤底筋群の筋力増進効果のある干渉低周波治療を行います。
これらの治療と同時進行か単独で抗コリン薬主体とするよる薬物療法を行います。抗コリン薬は排尿筋の収縮を抑え、排尿筋過活動も抑えることが期待されます。過活動膀胱に2006年4月より抗コリン薬系のデトルシトールカプセル(2・4mg)とベシケア錠(2.5・5mg)が承認されています。
ほかにも、 神経因性膀胱治療薬である塩酸プロピベリン(バップフォー)、 塩酸オキシブチニン(ポラキス)、塩酸フラボキサート(ブラダロン)などが用いられることがあります。
まずは泌尿器科を受診し、その上でどのような検査・治療を受けるべきか相談することが望まれます。
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慢性的な膀胱炎に悩む64歳女性
最近、急に尿意をもよおして、トイレに駆け込むことが多くなりました。我慢しきれず漏れてしまうこともしばしば。改善する方法はありませんか。(東京都51歳 女性)
こうした症状に対して、以下のように記載されていました。
質問の内容からして、過活動膀胱の疑いがあります。カフェインやアルコール含有飲料を控える、市販薬を服用するなどしても改善しない場合は、泌尿器科や婦人科などの受診をおすすめします。
過活動膀胱とは、あきらかな感染症やがんなどがないのに、急に尿意をもよおして我慢できなくなったり、漏れてしまったりする症状を示す病気をいいます。
主な原因は、膀胱に少ししか尿がたまっていないのに、膀胱の筋肉(排尿筋)が自分の意思とは関係なく収縮してしまうこと。その症状を引き起こす要因は、脳血管障害などの神経疾患、男性では前立腺肥大症、女性では骨盤底の筋肉のゆるみなどがあげられ、年代によって異なりますが、20〜50人に1人の割合で発症しています。
主な症状は、“尿意切迫感"で、「テレビドラマや映画のクライマックスで、あと5分見ていたいのにトイレが我慢できない」というようなときは過活動膀胱の疑いがあります。多くの場合、頻尿や尿失禁が合併するため、さらに生活の質が低下して、思うような生活ができにくくなります。
過活動膀胱とは、尿意切迫感に、日常的に頻尿や夜間尿を伴う症状症候群であるといえます(切迫性尿失禁はなくてもよい)。尿流動態検査で検出可能な排尿筋過活動を示唆するもので、尿意切迫感や頻尿を起こします。
排尿筋過活動は、脳梗塞やパーキソン病、脊髄損傷などによる膀胱支配神経障害による神経因性排尿筋過活動と、原因不明の排尿筋過活動とがあります。また、前立腺肥大症や高齢者に伴います。
診断は症状で可能でありますが、同様の症状を呈する他疾患を鑑別し、除外することが必要となります。鑑別すべき疾患は尿路感染症、膀胱癌、膀胱結石、間質性膀胱炎、前立腺炎、前立腺癌、尿閉、多尿や神経性頻尿などがあります。
治療としては、以下のようなものがあります。
症状を改善するには、まずはセルフケアから始めましょう。水分は、取り過ぎも取らな過ぎもよくありません。目安は1日1〜2リットルの間。カフェインやアルコールの含有飲料、シトラス系の炭酸飲料などは症状を悪化させるので、できるだけ控えてください。
過労やストレス、便秘でトイレでいきむことなども症状を悪化させるので注意が必要です。冬場の“冷え"も大敵ですから、腰まわりなどの下半身は腹巻きやひざかけ、カイロなどを使って保温に努めましょう。
また、骨盤底の筋肉を鍛える「骨盤底筋体操」も有効です。肛門と膣を締めて、3〜5秒維持したら元に戻します。これを1日10〜30回程度毎日行ってください。可能なら膀胱の内膜の知覚過敏を治すために尿意を少し我慢して、排尿回数を1日8回以下にするようにコントロールしてみましょう。
最近は、頻尿に有効な薬が市販されているので、それを利用するのも一つの方法です。しばらく服用しても症状が改善しない場合は、最寄りのクリニック(内科、婦人科など)を受診し、それでも快方に向かわなければ、泌尿器科専門医の診察を受けることをおすすめします。
その際、骨盤周辺にがんなどがないかを確かめるために、超音波検査などが必要です。最近では女性専用の泌尿器外来もあるので、ご質問の方も、あきらめずに適切なケアを進めていきましょう。
過活動膀胱の治療は、生活指導や膀胱訓練のような行動療法、干渉低周波治療や薬物療法が行われます。中心は薬物療法、すなわち抗コリン薬が主体となります。
排尿間隔を少しずつ延ばす膀胱訓練や、骨盤底の筋肉を収縮させる骨盤底筋訓練などをまず1ヶ月程度行います。これらの治療は、単独では高い効果は得にくいので、並行して排尿筋過活動を抑制し、骨盤底筋群の筋力増進効果のある干渉低周波治療を行います。
これらの治療と同時進行か単独で抗コリン薬主体とするよる薬物療法を行います。抗コリン薬は排尿筋の収縮を抑え、排尿筋過活動も抑えることが期待されます。過活動膀胱に2006年4月より抗コリン薬系のデトルシトールカプセル(2・4mg)とベシケア錠(2.5・5mg)が承認されています。
ほかにも、 神経因性膀胱治療薬である塩酸プロピベリン(バップフォー)、 塩酸オキシブチニン(ポラキス)、塩酸フラボキサート(ブラダロン)などが用いられることがあります。
まずは泌尿器科を受診し、その上でどのような検査・治療を受けるべきか相談することが望まれます。
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