以下は、最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で扱われていた内容です。
大手メーカーの営業部長、T・Yさん(50)は、喫煙歴30年の愛煙家。咳や痰が出るのは長年の喫煙のせいと自覚し、内心では禁煙したいと思っていました。しかし、タバコを1本吸うだけで仕事に集中できるため、なかなか止められません。
そんなある日、ついに禁煙を始めたものの、その途端イライラが募り、結局、酒宴で喫煙してしまい、三日坊主になってしまいました。何かと言い訳をしては、再びタバコを吸うようになってしまいます。5年後、風邪をひいたにも関わらず、大事な営業があったため無理を押して出社したものの、突然、呼吸困難に襲われます。
この呼吸困難の原因は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)でした。慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、「肺気腫と慢性気管支炎が様々に組み合わさって生じる、非可逆性の閉塞性換気障害を特徴とする病態」を総称しています。簡単に言ってしまえば、主に喫煙が原因で気管支や肺の組織が壊れ、肺が膨らんだまま動かなくなってしまう疾患です。
COPDの最大の危険因子は、喫煙です(80〜90%がこの理由による)。喫煙開始年齢、総喫煙量、現在の喫煙状況からCOPDによる死亡率を予測することができるといわれています。
現在、年間40万人もの人がこの病を発していますが、実は潜在的な患者数は、その10倍以上、530万人と考えられ、年々増加の一途をたどっているのです。しかも患者の95%が喫煙者。喫煙者の4人に1人は、COPDになると考えられています。
もちろん、禁煙をすればCOPDや肺癌の予防になります。ですが、「分かっていても止められない」という人が多いのではないでしょうか。その理由としては、タバコと脳との密接な関係にあります。
そもそも私達の脳は、ドーパミンやノルアドレナリン等といった神経伝達物質を日常的に放出しています。これらの物質には、幸せを感じたり、緊張を取り除くといった働きがあり、これにより普段、平静を保つことができています。
ところが一旦喫煙すると、ニコチンが毛細血管の中に侵入して脳に到達。すると、ニコチンが脳に代わって神経伝達物質を放出する命令を出してしまうのです。これを繰り返すことで、次第に脳は喫煙をしないと、神経伝達物質を出さなくなってしまいます。脳自体がニコチンを求め続けてしまうのです。
こうなると、一旦禁煙をしようとしても、ドーパミンなどが分泌されない脳は不安を感じ、その機能が低下。ストレスに支配され、喫煙しないとイライラする状態になってしまいます。そしてT・Yさんは、酒の席で禁を解いてしまいます。そう、この状態こそがニコチン依存症です。
喫煙を止めようとしても神経伝達物質が不足している脳の指令により、ついついタバコを吸ってしまうのです。つまり脳がニコチンに大きく依存してしまっているのです。
では、この喫煙によって変化してしまった脳は、もう元に戻らないのでしょうか?実は2週間ほどニコチンを断てば、脳は喫煙する前と同じ量の神経伝達物質を分泌するようになると言われています。だからこそ、禁煙をすると2週間はしっかり様子を見ることが大切であるといわれています。
禁煙の方法としては、以下のようなものがあります。
大手メーカーの営業部長、T・Yさん(50)は、喫煙歴30年の愛煙家。咳や痰が出るのは長年の喫煙のせいと自覚し、内心では禁煙したいと思っていました。しかし、タバコを1本吸うだけで仕事に集中できるため、なかなか止められません。
そんなある日、ついに禁煙を始めたものの、その途端イライラが募り、結局、酒宴で喫煙してしまい、三日坊主になってしまいました。何かと言い訳をしては、再びタバコを吸うようになってしまいます。5年後、風邪をひいたにも関わらず、大事な営業があったため無理を押して出社したものの、突然、呼吸困難に襲われます。
この呼吸困難の原因は、COPD(慢性閉塞性肺疾患)でした。慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、「肺気腫と慢性気管支炎が様々に組み合わさって生じる、非可逆性の閉塞性換気障害を特徴とする病態」を総称しています。簡単に言ってしまえば、主に喫煙が原因で気管支や肺の組織が壊れ、肺が膨らんだまま動かなくなってしまう疾患です。
COPDの最大の危険因子は、喫煙です(80〜90%がこの理由による)。喫煙開始年齢、総喫煙量、現在の喫煙状況からCOPDによる死亡率を予測することができるといわれています。
現在、年間40万人もの人がこの病を発していますが、実は潜在的な患者数は、その10倍以上、530万人と考えられ、年々増加の一途をたどっているのです。しかも患者の95%が喫煙者。喫煙者の4人に1人は、COPDになると考えられています。
もちろん、禁煙をすればCOPDや肺癌の予防になります。ですが、「分かっていても止められない」という人が多いのではないでしょうか。その理由としては、タバコと脳との密接な関係にあります。
そもそも私達の脳は、ドーパミンやノルアドレナリン等といった神経伝達物質を日常的に放出しています。これらの物質には、幸せを感じたり、緊張を取り除くといった働きがあり、これにより普段、平静を保つことができています。
ところが一旦喫煙すると、ニコチンが毛細血管の中に侵入して脳に到達。すると、ニコチンが脳に代わって神経伝達物質を放出する命令を出してしまうのです。これを繰り返すことで、次第に脳は喫煙をしないと、神経伝達物質を出さなくなってしまいます。脳自体がニコチンを求め続けてしまうのです。
こうなると、一旦禁煙をしようとしても、ドーパミンなどが分泌されない脳は不安を感じ、その機能が低下。ストレスに支配され、喫煙しないとイライラする状態になってしまいます。そしてT・Yさんは、酒の席で禁を解いてしまいます。そう、この状態こそがニコチン依存症です。
喫煙を止めようとしても神経伝達物質が不足している脳の指令により、ついついタバコを吸ってしまうのです。つまり脳がニコチンに大きく依存してしまっているのです。
では、この喫煙によって変化してしまった脳は、もう元に戻らないのでしょうか?実は2週間ほどニコチンを断てば、脳は喫煙する前と同じ量の神経伝達物質を分泌するようになると言われています。だからこそ、禁煙をすると2週間はしっかり様子を見ることが大切であるといわれています。
禁煙の方法としては、以下のようなものがあります。
そもそも、禁煙が困難であるのは、喫煙がニコチンに対する依存症であるといえると思われます。ちなみに、その重症度は、禁煙したいができない、喫煙できないときにイライラ・集中力低下(ニコチン離脱症状)が起こるなど、タバコに対する自律性が損なわれている程度によりタバコ依存症スクリーニングテスト(TDS:tobacco dependence screener)などを用いて判定が可能です。
禁煙者の約7割は1年後に再喫煙するというデータもあり、その困難さが伺われます。禁煙成功のためには、長期間繰り返し治療する必要があります。
治療内容としては、まず、患者さんに喫煙習慣を質問します。基礎疾患の有無にかかわらず、すべての喫煙者に明確な禁煙勧告を行い、禁煙への関心度、達成度に従って対応します。
第一歩として、完全禁煙開始日を決めます。これは、本数をしだいに減らしていく漸減法より、完全に喫煙を断つ断煙法が成功しやすいと考えられるからです。喫煙本数が多い、起床後直ちに吸うなど依存度の高いといった喫煙者には、ニコチン代替療法を積極的に用います。
この受診後、2週間ごとに再診していき、離脱症状の緩和・再喫煙防止のアドバイス、禁煙努力の賞賛と激励などを継続して行っていきます。失敗してもあきらめずに禁煙に再挑戦することが重要です。失敗の経験を糧にし、成功するまで何回でも気楽にチャレンジしていくといったスタンスが必要になります。
【関連記事】
肺癌、COPD予防に−正しいニコチンパッチの使い方
慢性閉塞性肺疾患(COPD)対策のため、「肺年齢」を提唱へ
禁煙者の約7割は1年後に再喫煙するというデータもあり、その困難さが伺われます。禁煙成功のためには、長期間繰り返し治療する必要があります。
治療内容としては、まず、患者さんに喫煙習慣を質問します。基礎疾患の有無にかかわらず、すべての喫煙者に明確な禁煙勧告を行い、禁煙への関心度、達成度に従って対応します。
第一歩として、完全禁煙開始日を決めます。これは、本数をしだいに減らしていく漸減法より、完全に喫煙を断つ断煙法が成功しやすいと考えられるからです。喫煙本数が多い、起床後直ちに吸うなど依存度の高いといった喫煙者には、ニコチン代替療法を積極的に用います。
この受診後、2週間ごとに再診していき、離脱症状の緩和・再喫煙防止のアドバイス、禁煙努力の賞賛と激励などを継続して行っていきます。失敗してもあきらめずに禁煙に再挑戦することが重要です。失敗の経験を糧にし、成功するまで何回でも気楽にチャレンジしていくといったスタンスが必要になります。
【関連記事】
肺癌、COPD予防に−正しいニコチンパッチの使い方
慢性閉塞性肺疾患(COPD)対策のため、「肺年齢」を提唱へ