以下は、最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で扱われていた内容です。
今から6年前、右の乳房に新しいタイプの乳ガンが発見されたM・Kさん(当時68歳)。病が発覚する1年前、乳ガンは「しこり」ができる病気と思っていた彼女は、見よう見まねで自己触診をしたところ、「しこり」がないので胸をなで下ろしていました。
そんなある日、脱衣所で着替え始めた時、右の乳首が湿っているように感じ、下着を見ると、乳首が当たる場所に小指の先程度の薄茶色のシミが付いていました。よくある分泌物だろうとあまり気にしていなかったのですが、異変はさらに続いたのです。
具体的には、以下のような症状がみられていました。
こうした症状がみられたため、近くの診療所に受診したM・Kさん。彼女は、分泌物が付いた布を見せました。すると、医師は「さらに詳しい検査をしましょう。大きな病院に紹介します」と勧めた。
エコーやマンモグラフィーなどを行った結果、M・Kさんに告げられた病名は、「乳癌」でした。「しこりも無かったのに…」とM・Kさんは驚きを隠せませんでした。
乳癌は、浸潤性の有無により、非浸潤癌と浸潤癌に分けられています。浸潤癌の9割は浸潤性乳管癌で、その組織学的な特徴から、乳頭乳管癌、充実腺管癌と硬癌の3つに分類されています(実際にはこれらの組織型を示す部分が混在しており、病理学的には最も多くを占める組織型を代表して診断されます)。浸潤癌のほとんどは腫瘤を形成し、ある程度の大きさになると、しこりとして触知されます。
非浸潤癌は発生母地により、乳管から発生する非浸潤性乳管癌と小葉、あるいは細小乳管から発生する非浸潤性小葉癌があります。非浸潤性乳管癌は腫瘤を形成することもありますが、乳管内を広く伸展して、腫瘤を形成せず、乳頭異常分泌として発見されることがあります。M・Kさんのケースでも、この非浸潤性乳管癌であり、「しこり」として現れませんでした。
簡単に言ってしまえば、乳癌は乳房の中にある母乳の通り道「乳管」の内部に発生します。その後、大部分はガン細胞の成長とともに乳管の壁を破り、周りの組織を巻き込みながら「かたまり」を作っていきます。このかたまりこそが、触診した時に「しこり」として感じられるものです。
ところが、M・Kさんの乳ガンは異なり、癌細胞が乳管の壁を破らずに成長し、その内部を満たすようにして、乳管全体に広がっていきました。これでは、しこりを感じることができないわけです。
非浸潤性乳管癌の具体的な説明は、以下のようにできます。
今から6年前、右の乳房に新しいタイプの乳ガンが発見されたM・Kさん(当時68歳)。病が発覚する1年前、乳ガンは「しこり」ができる病気と思っていた彼女は、見よう見まねで自己触診をしたところ、「しこり」がないので胸をなで下ろしていました。
そんなある日、脱衣所で着替え始めた時、右の乳首が湿っているように感じ、下着を見ると、乳首が当たる場所に小指の先程度の薄茶色のシミが付いていました。よくある分泌物だろうとあまり気にしていなかったのですが、異変はさらに続いたのです。
具体的には、以下のような症状がみられていました。
1)乳首から薄茶色の分泌物が出る
上記のように、下着の乳首が当たる場所に、小指の先程度の薄茶色のシミが付いていました。ですが、「女性なら分泌物が出るのはよくあること」と聞いており、特に気にしていませんでした。
2)下着の同じ場所にシミが付く
薄茶色の分泌物が出ることが、しばらく続いていました。
3)茶色い分泌物が出る
しばらく分泌物が出ていましたが、今度はその色が濃くなっているように感じました。
4)乳頭から出血
上記のような症状もみられていたので、脱衣所で何気なく乳頭を強く押してみたところ、血性の分泌物がみられました。
こうした症状がみられたため、近くの診療所に受診したM・Kさん。彼女は、分泌物が付いた布を見せました。すると、医師は「さらに詳しい検査をしましょう。大きな病院に紹介します」と勧めた。
エコーやマンモグラフィーなどを行った結果、M・Kさんに告げられた病名は、「乳癌」でした。「しこりも無かったのに…」とM・Kさんは驚きを隠せませんでした。
乳癌は、浸潤性の有無により、非浸潤癌と浸潤癌に分けられています。浸潤癌の9割は浸潤性乳管癌で、その組織学的な特徴から、乳頭乳管癌、充実腺管癌と硬癌の3つに分類されています(実際にはこれらの組織型を示す部分が混在しており、病理学的には最も多くを占める組織型を代表して診断されます)。浸潤癌のほとんどは腫瘤を形成し、ある程度の大きさになると、しこりとして触知されます。
非浸潤癌は発生母地により、乳管から発生する非浸潤性乳管癌と小葉、あるいは細小乳管から発生する非浸潤性小葉癌があります。非浸潤性乳管癌は腫瘤を形成することもありますが、乳管内を広く伸展して、腫瘤を形成せず、乳頭異常分泌として発見されることがあります。M・Kさんのケースでも、この非浸潤性乳管癌であり、「しこり」として現れませんでした。
簡単に言ってしまえば、乳癌は乳房の中にある母乳の通り道「乳管」の内部に発生します。その後、大部分はガン細胞の成長とともに乳管の壁を破り、周りの組織を巻き込みながら「かたまり」を作っていきます。このかたまりこそが、触診した時に「しこり」として感じられるものです。
ところが、M・Kさんの乳ガンは異なり、癌細胞が乳管の壁を破らずに成長し、その内部を満たすようにして、乳管全体に広がっていきました。これでは、しこりを感じることができないわけです。
非浸潤性乳管癌の具体的な説明は、以下のようにできます。
非浸潤性乳管癌の患者数は、年々増加しており、40代から50代の女性を中心に、現在では乳癌全体の1割から2割を占めるようになりました。しこりもなく、つかみどころのない癌ですが、その中で唯一手がかりとなる症状が、乳頭からの分泌物です。
そもそも乳管は、母乳を運ぶ器官。授乳期間以外でも、白や無色透明の分泌物が出ることは決して珍しくありません。しかし、分泌物の色が茶色や赤色の時は、注意が必要となります。癌細胞のもろい血管が破れ、乳管を通って分泌された可能性もあるからです。とはいえ、唯一の症状といえるこの分泌物。人によっては出ないこともあり、残念ながら早期発見の決め手にはなりません。
では、どうすれば、この乳ガンの早期発見が可能なのかといえば、その手段こそ、「乳癌検診」です。全国の乳ガン検診で実施されている乳房専用のレントゲン「マンモグラフィ検査」や超音波を使った「エコー検査」を受診すれば、しこりを感じる乳ガンはもちろん、しこりを感じにくい乳ガンも高い確率で早期発見することができるといわれています。
超音波検査では、正常の乳腺は皮膚の下のエコー輝度の低い脂肪に囲まれたエコー輝度の高い均一な像として描出されます。一方、乳腺に腫瘍性病変があるとこの組織構成が崩されて、低エコーの像として描出されることが多くなります。
マンモグラフィーでは、描出された腫瘤陰影と石灰化像から、その腫瘤の良・悪性を診断していくことになります。乳癌の典型的な像としては、放射状陰影(spicule)を有する不整形の腫瘤陰影で、周辺の透明帯(halo)を伴わないか、伴ったとしても不均一なものです。また、形状不整の集蔟した微小石灰化像は、乳癌を疑う所見となります。
また、上記のように乳頭異常分泌がある場合は、分泌のある乳管にカニューレを入れて、そこから造影剤を注入して乳房撮影を行うことにより乳管造影が可能となります。それにより乳管の断裂や狭小といった像が得られれば、異常分泌の原因となっている微細な癌や乳頭腫を発見することできます。
こうした観点から、乳癌の早期のため、乳がん検診の重要性が指摘されています。ところが、発見が日本でのマンモグラフィ受診率は、たったの4.1%であり、欧米諸国に比べて、著しく低い状況です。機会があれば、是非とも受けていただきたいと思われます。
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そもそも乳管は、母乳を運ぶ器官。授乳期間以外でも、白や無色透明の分泌物が出ることは決して珍しくありません。しかし、分泌物の色が茶色や赤色の時は、注意が必要となります。癌細胞のもろい血管が破れ、乳管を通って分泌された可能性もあるからです。とはいえ、唯一の症状といえるこの分泌物。人によっては出ないこともあり、残念ながら早期発見の決め手にはなりません。
では、どうすれば、この乳ガンの早期発見が可能なのかといえば、その手段こそ、「乳癌検診」です。全国の乳ガン検診で実施されている乳房専用のレントゲン「マンモグラフィ検査」や超音波を使った「エコー検査」を受診すれば、しこりを感じる乳ガンはもちろん、しこりを感じにくい乳ガンも高い確率で早期発見することができるといわれています。
超音波検査では、正常の乳腺は皮膚の下のエコー輝度の低い脂肪に囲まれたエコー輝度の高い均一な像として描出されます。一方、乳腺に腫瘍性病変があるとこの組織構成が崩されて、低エコーの像として描出されることが多くなります。
マンモグラフィーでは、描出された腫瘤陰影と石灰化像から、その腫瘤の良・悪性を診断していくことになります。乳癌の典型的な像としては、放射状陰影(spicule)を有する不整形の腫瘤陰影で、周辺の透明帯(halo)を伴わないか、伴ったとしても不均一なものです。また、形状不整の集蔟した微小石灰化像は、乳癌を疑う所見となります。
また、上記のように乳頭異常分泌がある場合は、分泌のある乳管にカニューレを入れて、そこから造影剤を注入して乳房撮影を行うことにより乳管造影が可能となります。それにより乳管の断裂や狭小といった像が得られれば、異常分泌の原因となっている微細な癌や乳頭腫を発見することできます。
こうした観点から、乳癌の早期のため、乳がん検診の重要性が指摘されています。ところが、発見が日本でのマンモグラフィ受診率は、たったの4.1%であり、欧米諸国に比べて、著しく低い状況です。機会があれば、是非とも受けていただきたいと思われます。
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