室内の空気がホコリなどで汚れていると、単純に気分が悪くなるだけでなく、頭痛やめまい、さらにはぜん息やアレルギーなどを引き起こす要因がある。HealthDayではアメリカ国立女性健康情報センター(The National Women's Health Information Center)の話として、室内の空気を清潔に保つ方法について、次のようなアドバイスをしている。
・ペンキなどのような化学物質を使うときには、窓を開けて換気を十分に行う。
・加湿器や除湿器を使い、湿度を30%から50%に保つ。
・加湿器を使う際には、かびの発生を防ぐために加湿器そのものを清潔にして、水を毎日交換する。
・台所やお風呂場では換気扇を使用する。そして衣服の乾燥機の排気は屋外に排出する。
・もしカーペットや敷物が汚れたら、すぐにきれいにしてカビや細菌が発生しないようにする。
・室内を定期的に掃除し、ほこりやアレルギーを発生させる要素をていねいに除去する。
要は「換気を十分に行い、清潔な生活環境を維持する」ということに集約される。空気そのものは目には見えないのでつい軽視しがちだが、目に見えないからこそ気を配り、対処する必要がある。

それに掃除をしたり空気をきれいにすると、室内で生活する分にも気分がよくなるというもの。多少手間はかかるが、気分そう快・健康にも良いのなら、やらない手はないだろう。
(部屋の空気をきれいに保つための6つのチェックポイント)


喘息とは、気道の慢性炎症性疾患であり、気管・気管支平滑筋の攣縮、気道内分泌物の過多、気道粘膜の浮腫など、広範な気道の狭窄に特徴づけられます。簡単に言ってしまえば、突然気管支が狭くなり、咳や呼吸困難などの発作を起こす疾患です。

小児および成人ともに軽症・中等度症の死亡例が増加して、急激な経過で死亡することが問題になっています。重症ほど突然死を生じやすいというわけでないため、注意が必要となります。

気管支喘息患者にみられる発作性の呼吸困難、喘鳴(「ヒューヒュー」「ゼェーゼェー」という音が、聴診器を使わずに聞こえる状態)、咳の症状がみられる状態です。

気道狭窄がひどくなり、気流制限(呼吸ができにくい状態)が起こるために生じます。軽度〜致死的な発作まであり、自然に、または治療により発作が終われば元の状態に戻ります。夜間から早朝に出現することが多く、治っても反復し、安静時にも出現することがあります。

喘息発症の初期の誘因として、気道における抗原の慢性曝露や、気道感染を代表とする慢性気道刺激があるといわれています。具体的には、花粉やハウスダスト、ダニ、たばこの煙、ディーゼルの排気ガスなど、アレルギー物質を日常的に吸い込むことで、気道に炎症が起こります。

また、このような刺激に対する過敏反応として、気管支平滑筋・気道粘膜の浮腫、気道分泌亢進などにより気道の狭窄・閉塞が起こり、いわゆる喘息発作を起こすことがあります。

日頃から部屋の掃除をマメに行い、ハウスダストなどを除去することは非常に重要なこととなります。一方、ハウスダストなどが原因でアレルギーを起こすことがあり、こちらの対策にも上記のチェック項目は重要です。アレルギーについては、以下のような説明ができると思われます。
通年性のアレルギー性鼻炎、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルゲンとして有名なのがハウスダストです。ハウスダストとは、アレルギーを引き起こすいくつかのアレルゲンが混合したもので、ペットなどの動物やヒトのフケ、カビ、ダニ、および細菌などが混ざったものです。中でも、多くがチリダニ (House dust mite) の仲間の虫体および糞などが細かく崩壊したものが、アレルギーの原因となるそうです。

アレルギー検査としては、パッチテストがあります。原因と思われるアレルギー物質を皮膚に貼り付けます。その状態で、2日間(48時間)、3日間(72時間)後に、赤くなるかを判断する検査です。

ハウスダストのアレルギーと診断される人のほぼ100パーセントが、ハウスダストの中のダニ(ヒョウヒダニの死骸や糞)に反応しているといわれています。ハウスダストに反応するがダニには反応しない場合、さらに詳細なアレルゲン検索が行われることがあります。

こうしたアレルギー患者の数は増加しており、気密な住宅構造、ソファー、カーペットの使用、エアコンの普及などの生活様式の変化によりハウスダスト中のヒョウヒダニが著しく増えているような状況が原因の一つと考えられます。

治療としては、アレルゲン回避と対症療法としての薬物療法が専ら用いられています。抗ヒスタミン薬が、くしゃみ・鼻水に有効な薬剤として第1選択薬と評価されています。第2世代の抗ヒスタミン薬は眠気や口渇などの副作用が少なく、長時間有効なものが主流を占めており、最近では即効性も認められるとの報告もあります。

ほかにも、ステロイド薬を用いることもあり、噴霧薬として鼻腔に投与されることが多いです。数日の連用で効果が認められ、全身的な副作用も少なく臨床効果が十分期待できます。特に頑固な鼻閉に有効であるといわれています。また、経口薬も用いられることもありますが、少量の連用でも容易に副作用が現れることもあり、注意が必要です。

ほかにも、抗ロイコトリエン、抗プロスタグランジンD2、トロンボキサンA2薬などが用いられることもあります。ただ、効果発現に2〜4週間の連用が必要とされています。

花粉症が辛いという時期でもあり、しっかりとしたアレルギー対策が望まれます。まずは掃除をマメにすることから始めてみてはいかがでしょうか。

【関連記事】
アレルギー対策 ハウスダストは掃除機で吸い込めば十分?

花粉症の季節、口呼吸にご注意を−咽頭炎などの原因にも

本当は怖い花粉症−口腔アレルギー症候群