サウジアラビア人の女性がこのほどドイツの病院で、約18 Kgもある腫瘍を取り除く手術を受けた。医師たちはこれほど大きな腫瘍は見たことがないとしている。
手術を受けたのは、サウジアラビアの35歳で3児の母の女性。名前は明らかにされてない。2004年に悪性の軟骨肉腫と診断され、現在住んでいるクウェートの医師から骨盤の半分と右脚を切断しなければ命が危ないといわれたが、手術は断った。
その後、腫瘍はだんだんと大きくなり、手術を受けるためにドイツに来たときにはビーチボールほどに膨れ上がり、でん部に大きく突き出していた。正常に排尿することが困難になり、腸閉塞の危険性にも直面していた。
ベルリンの病院の医師団はまず、化学療法で腫瘍を内部から壊し、2週間から4週間おきに5回の手術を行い、内容物を除去した。3回目の手術の後、患者はこの半年来、初めてベッドの上に座れるようになった。手術完了後の検査では、腫瘍が再発している兆候はないという。女性は今後、一部取り除かれた骨盤の修復や人工でん部を取り付ける手術を受ける予定だ。
松葉杖をついて歩けるようになったこの女性は24日、医師といっしょに記者会見し、「まるで生まれ変わったよう。家に帰ったら、まず子供たちを抱きしめたい」と語った。
(重さ18キロの腫瘍を除去=最大級大きさ−ドイツでサウジ女性)
軟骨肉腫とは、軟骨基質を形成する異型軟骨細胞からなる悪性骨腫瘍のことを指します(軟骨形成を示す肉腫で、腫瘍性の骨・類骨形成のみられないもの)。悪性骨腫瘍としては骨肉腫に次いで、2番目に多い疾患です(といっても、胃癌の約500分の1程度の発生率で、癌全体では少ない)。
骨に発生する軟骨肉腫は、新規に発生する原発性のものと、骨軟骨腫に二次的に発生する続発性のものに分類されます。原発性の軟骨肉腫は中年以降、とくに60歳代以降に多いですが、二次性軟骨肉腫ではこれより若く発症年齢の平均は30歳代です。
大腿骨や上腕骨のほかに、腸骨や肋骨など体幹部の骨にも発生しやすいです。組織亜型があり、通常型のほかに悪性度の高い脱分化型や間葉性軟骨肉腫などがあります。
痛みが初発症状であることが多いですが、肋骨や骨盤などでは、痛みとともに腫れに気づいている場合が多いです。しかしながら、軟骨肉腫に特徴的な症状はありません。
前駆病変がある場合、小児期より四肢あるいは肋骨などの変形に気づいているということがあります。そのことを明らかにし、痛みがいつ頃から始まったのかを聞き、X線像と対比することで経過の緩急を判断します。
必要な検査や治療としては、以下のようなものがあります。
手術を受けたのは、サウジアラビアの35歳で3児の母の女性。名前は明らかにされてない。2004年に悪性の軟骨肉腫と診断され、現在住んでいるクウェートの医師から骨盤の半分と右脚を切断しなければ命が危ないといわれたが、手術は断った。
その後、腫瘍はだんだんと大きくなり、手術を受けるためにドイツに来たときにはビーチボールほどに膨れ上がり、でん部に大きく突き出していた。正常に排尿することが困難になり、腸閉塞の危険性にも直面していた。
ベルリンの病院の医師団はまず、化学療法で腫瘍を内部から壊し、2週間から4週間おきに5回の手術を行い、内容物を除去した。3回目の手術の後、患者はこの半年来、初めてベッドの上に座れるようになった。手術完了後の検査では、腫瘍が再発している兆候はないという。女性は今後、一部取り除かれた骨盤の修復や人工でん部を取り付ける手術を受ける予定だ。
松葉杖をついて歩けるようになったこの女性は24日、医師といっしょに記者会見し、「まるで生まれ変わったよう。家に帰ったら、まず子供たちを抱きしめたい」と語った。
(重さ18キロの腫瘍を除去=最大級大きさ−ドイツでサウジ女性)
軟骨肉腫とは、軟骨基質を形成する異型軟骨細胞からなる悪性骨腫瘍のことを指します(軟骨形成を示す肉腫で、腫瘍性の骨・類骨形成のみられないもの)。悪性骨腫瘍としては骨肉腫に次いで、2番目に多い疾患です(といっても、胃癌の約500分の1程度の発生率で、癌全体では少ない)。
骨に発生する軟骨肉腫は、新規に発生する原発性のものと、骨軟骨腫に二次的に発生する続発性のものに分類されます。原発性の軟骨肉腫は中年以降、とくに60歳代以降に多いですが、二次性軟骨肉腫ではこれより若く発症年齢の平均は30歳代です。
大腿骨や上腕骨のほかに、腸骨や肋骨など体幹部の骨にも発生しやすいです。組織亜型があり、通常型のほかに悪性度の高い脱分化型や間葉性軟骨肉腫などがあります。
痛みが初発症状であることが多いですが、肋骨や骨盤などでは、痛みとともに腫れに気づいている場合が多いです。しかしながら、軟骨肉腫に特徴的な症状はありません。
前駆病変がある場合、小児期より四肢あるいは肋骨などの変形に気づいているということがあります。そのことを明らかにし、痛みがいつ頃から始まったのかを聞き、X線像と対比することで経過の緩急を判断します。
必要な検査や治療としては、以下のようなものがあります。
単純X線写真が診断には最も有効な検査であるといわれています。長管骨では骨内に点状の石灰化あるいは骨化を伴った溶骨性病変があり、骨皮質が内側から圧排され皿状に薄くなっています(scalloping)。
肋骨、肩甲骨、腸骨などの扁平骨では、単純X線では肺や腸管ガスとの重なりのために骨の変化が見づらいことがあり,CTを行うことで骨の変化を捉えることができます。扁平骨では骨が膨隆し、骨皮質は部分的に破壊され消失していることが多いです。病変内には、石灰化や骨化がみられます。
治療としては、高悪性度の腫瘍では外科的に広範切除が原則ですが、低悪性度の場合は切除縁を縮小できることもあります。化学療法は、一般的に高悪性度症例以外では適応になりません。
具体的な手術法としては、長管骨では、広範切除を行い腫瘍用人工関節で再建します。肋骨では胸部外科と共同して手術を行い、壁側胸膜ごと切除します。隣接する肋骨も切除しなければならない場合は、ゴアテックスなどで胸壁を再建します。骨盤では、切除によって仙腸関節あるいは腸骨部分で骨盤輪が断たれる場合には、腓骨などを用いて骨盤輪を再建します。
18Kgもの腫瘍切除となれば、患者さんの負担も非常に大きかったと考えられます。今度はしっかりと治療なさっていただければ、と思われます。
【関連記事】
骨肉腫で下あごを切除した36歳男性
骨肉腫の全身転移で無くなった13歳−今、生きている
肋骨、肩甲骨、腸骨などの扁平骨では、単純X線では肺や腸管ガスとの重なりのために骨の変化が見づらいことがあり,CTを行うことで骨の変化を捉えることができます。扁平骨では骨が膨隆し、骨皮質は部分的に破壊され消失していることが多いです。病変内には、石灰化や骨化がみられます。
治療としては、高悪性度の腫瘍では外科的に広範切除が原則ですが、低悪性度の場合は切除縁を縮小できることもあります。化学療法は、一般的に高悪性度症例以外では適応になりません。
具体的な手術法としては、長管骨では、広範切除を行い腫瘍用人工関節で再建します。肋骨では胸部外科と共同して手術を行い、壁側胸膜ごと切除します。隣接する肋骨も切除しなければならない場合は、ゴアテックスなどで胸壁を再建します。骨盤では、切除によって仙腸関節あるいは腸骨部分で骨盤輪が断たれる場合には、腓骨などを用いて骨盤輪を再建します。
18Kgもの腫瘍切除となれば、患者さんの負担も非常に大きかったと考えられます。今度はしっかりと治療なさっていただければ、と思われます。
【関連記事】
骨肉腫で下あごを切除した36歳男性
骨肉腫の全身転移で無くなった13歳−今、生きている