肺結核で都内の病院に入院していたお笑いコンビ「ハリセンボン」の箕輪はるか(29)が29日、退院した。
所属の吉本興業によると、主治医から、日常生活には支障がなく、仕事復帰に差し支えないと診断されたという。完治まで今後6~9カ月にわたって投薬を続ける必要があるが、他人への感染の恐れはない状態となり、保健所の許可も得た。当面は自宅で静養し、来月半ばにも仕事を再開。テレビ番組で復帰するとみられる。
箕輪は吉本興業を通じて「先輩方やファンの皆様からの、たくさんの励ましに支えられて、無事退院することができました。また相方とコンビで活動できることが、何よりもうれしいです。元気に復帰をして頑張ります」とコメント。相方の近藤春菜(26)も「とてもうれしく安心しました。ご心配おかけしましたが、また2人そろったハリセンボンで頑張っていきます」と喜んでいる。
自粛していた栄養調整食品「クリーム玄米ブラン」のCM放送も近く再開される見込み。
箕輪は4月2日に不調を訴え、翌3日に入院。その後、感染を恐れた東京都は同6日から15日まで電話相談室を設置し、1400件を超える相談が寄せられた。
(箕輪はるか退院、感染の心配なしテレビ復帰へ)
結核症は、宿主をほぼヒトに特化した結核菌が飛沫核感染(空気感染)でヒト−ヒト感染する伝染性疾患です(抗酸菌属のなかの結核菌群による肺感染症)。
初感染は、排菌患者の咳やくしゃみ、会話で生じた小粒子(1〜2μm)を吸入し、そのなかの結核菌が呼吸細気管支や肺胞に定着して成立します。感染後 4〜8週で結核菌成分による感作から細胞性免疫が成立し、両病巣に石灰化を起こして初感染が終息します。80〜85%の例はこの状態で治癒します。
残りが発病、初感染に引き続く発病の初感染結核(primary tuberculosis)と半年〜数十年後発病の既感染結核(post-primary tuberculosis)に分かれていきます。肺門リンパ節病巣や空洞化初感染巣の気管支内穿破があると、結核性・乾酪性肺炎へ進展していきます。
既感染発病(内因性再燃)の要因としては、過労、低栄養、高齢、免疫抑制(ステロイドや抗癌剤投与など)、消耗性疾患(悪性新生物、糖尿病、腎不全、代謝性疾患、胃切除)などがあります。
年齢別罹患率は5〜15歳が最低であり、20〜50歳は20人前後ですが、50歳以降は10歳代ごとに倍増していきます。高齢者の発病(多くが感染数十年後発病)と、糖尿病や腎不全などの免疫能低下例での発病が増加しています。
また、30歳以下の90%以上が自然感染を受けていないため免疫力が弱く、20代女性などを中心に集団感染例(一般病院看護婦など)が増加中です。
10年間で日本の肺結核を含む臓器結核は経年的に減少していますが、粟粒結核は増加していることに注意が必要となります。また、日本の罹患率は2004年で人口10万対23.3(実数として約3万人)に下がってきていますが、オーストラリアや米国の約4倍のレベルです。
病初期は微熱(午後〜夕刻)、食欲不振、全身倦怠感、寝汗、体重減少などの非特異的症状のみで、次いで持続性の咳、痰(膿性痰)、ときに血痰、喀血、胸痛(胸膜炎で多い)が出現します。つまり、数週間続く咳、痰、発熱、血痰または喀血、易疲労感、体重減少、胸痛など、本症特有な症状はないため、気づきにくいといったことがいえると思われます。
日本の新規患者の80%は、自覚症状による医療機関受診で発見されます(一般病院受診が多く、要注意)。残りの20%は自覚症状がなく、検診で発見されます。
このように、約8割が有症状での医療機関受診で発見され、最初に結核を疑う目が非常に重要となります。診断が確定した慢性気道疾患なしに2週間以上、咳、痰が持続または悪化する場合は例外なく喀痰抗酸菌塗抹培養検査を行うべきであるといわれています。
感染症診断の原則は培養菌での同定です。今日最も有用な方法は、塗抹検査と核酸増幅法の併用であり、数日間で結核症の確定診断が可能となります。
現在、日常臨床での非結核性抗酸菌症の増加は著しく抗酸菌塗抹陽性の約半数は、非結核性抗酸菌の可能性があり、核酸法による菌種同定は必須になっています。
喀痰結核菌塗抹陽性(および、それが強く疑われる)例は、原則として入院治療(隔離)が必要となります。塗抹検査がまず基本となります。生理食塩水の吸入で深部痰の誘発、痰の出にくい例では胃液を採取、また集菌法を使って感度を上げる工夫などで、自然喀痰からの直接法よりかなり高率に検出されます。
ところが、菌の生死や非定型抗酸菌を分別できないため、注意が必要です。さらに、蛍光染色法で陽性に出れば、チールニールセン染色法で確認しますが、ガフキー1〜2号と少数の場合は偽陽性のこともあります。
核酸増幅法(PCR検査)は、結核菌DNAの特有の塩基配列部分を人工的に増幅して検出する方法であり、菌の生死を区別できませんが、理論的には検体中の菌量が極少量でも確実に検出できる迅速判定方法の一種です。抗酸菌塗抹陽性検体で結核菌か否かを判定するのに有用です。
喀痰が塗抹陰性PCRのみ陽性の場合には、培養検査結果で最終判定とすべきであると考えられます。小川培地を代表とする固形培地での培養では、通常4週と8週で判定します。最近主流となりつつある液体培地での培養法では,固形培地で3週間以上かかった陽性判定が2週間以内と短縮され、感度(陽性率)も優位に高いですが、混在し早期に集落を形成する非定型抗酸菌に隠蔽されたり、一般細菌による汚染の率が若干高いといった点も指摘されています。
治療としては、以下のようなものがあります。
所属の吉本興業によると、主治医から、日常生活には支障がなく、仕事復帰に差し支えないと診断されたという。完治まで今後6~9カ月にわたって投薬を続ける必要があるが、他人への感染の恐れはない状態となり、保健所の許可も得た。当面は自宅で静養し、来月半ばにも仕事を再開。テレビ番組で復帰するとみられる。
箕輪は吉本興業を通じて「先輩方やファンの皆様からの、たくさんの励ましに支えられて、無事退院することができました。また相方とコンビで活動できることが、何よりもうれしいです。元気に復帰をして頑張ります」とコメント。相方の近藤春菜(26)も「とてもうれしく安心しました。ご心配おかけしましたが、また2人そろったハリセンボンで頑張っていきます」と喜んでいる。
自粛していた栄養調整食品「クリーム玄米ブラン」のCM放送も近く再開される見込み。
箕輪は4月2日に不調を訴え、翌3日に入院。その後、感染を恐れた東京都は同6日から15日まで電話相談室を設置し、1400件を超える相談が寄せられた。
(箕輪はるか退院、感染の心配なしテレビ復帰へ)
結核症は、宿主をほぼヒトに特化した結核菌が飛沫核感染(空気感染)でヒト−ヒト感染する伝染性疾患です(抗酸菌属のなかの結核菌群による肺感染症)。
初感染は、排菌患者の咳やくしゃみ、会話で生じた小粒子(1〜2μm)を吸入し、そのなかの結核菌が呼吸細気管支や肺胞に定着して成立します。感染後 4〜8週で結核菌成分による感作から細胞性免疫が成立し、両病巣に石灰化を起こして初感染が終息します。80〜85%の例はこの状態で治癒します。
残りが発病、初感染に引き続く発病の初感染結核(primary tuberculosis)と半年〜数十年後発病の既感染結核(post-primary tuberculosis)に分かれていきます。肺門リンパ節病巣や空洞化初感染巣の気管支内穿破があると、結核性・乾酪性肺炎へ進展していきます。
既感染発病(内因性再燃)の要因としては、過労、低栄養、高齢、免疫抑制(ステロイドや抗癌剤投与など)、消耗性疾患(悪性新生物、糖尿病、腎不全、代謝性疾患、胃切除)などがあります。
年齢別罹患率は5〜15歳が最低であり、20〜50歳は20人前後ですが、50歳以降は10歳代ごとに倍増していきます。高齢者の発病(多くが感染数十年後発病)と、糖尿病や腎不全などの免疫能低下例での発病が増加しています。
また、30歳以下の90%以上が自然感染を受けていないため免疫力が弱く、20代女性などを中心に集団感染例(一般病院看護婦など)が増加中です。
10年間で日本の肺結核を含む臓器結核は経年的に減少していますが、粟粒結核は増加していることに注意が必要となります。また、日本の罹患率は2004年で人口10万対23.3(実数として約3万人)に下がってきていますが、オーストラリアや米国の約4倍のレベルです。
病初期は微熱(午後〜夕刻)、食欲不振、全身倦怠感、寝汗、体重減少などの非特異的症状のみで、次いで持続性の咳、痰(膿性痰)、ときに血痰、喀血、胸痛(胸膜炎で多い)が出現します。つまり、数週間続く咳、痰、発熱、血痰または喀血、易疲労感、体重減少、胸痛など、本症特有な症状はないため、気づきにくいといったことがいえると思われます。
日本の新規患者の80%は、自覚症状による医療機関受診で発見されます(一般病院受診が多く、要注意)。残りの20%は自覚症状がなく、検診で発見されます。
このように、約8割が有症状での医療機関受診で発見され、最初に結核を疑う目が非常に重要となります。診断が確定した慢性気道疾患なしに2週間以上、咳、痰が持続または悪化する場合は例外なく喀痰抗酸菌塗抹培養検査を行うべきであるといわれています。
感染症診断の原則は培養菌での同定です。今日最も有用な方法は、塗抹検査と核酸増幅法の併用であり、数日間で結核症の確定診断が可能となります。
現在、日常臨床での非結核性抗酸菌症の増加は著しく抗酸菌塗抹陽性の約半数は、非結核性抗酸菌の可能性があり、核酸法による菌種同定は必須になっています。
喀痰結核菌塗抹陽性(および、それが強く疑われる)例は、原則として入院治療(隔離)が必要となります。塗抹検査がまず基本となります。生理食塩水の吸入で深部痰の誘発、痰の出にくい例では胃液を採取、また集菌法を使って感度を上げる工夫などで、自然喀痰からの直接法よりかなり高率に検出されます。
ところが、菌の生死や非定型抗酸菌を分別できないため、注意が必要です。さらに、蛍光染色法で陽性に出れば、チールニールセン染色法で確認しますが、ガフキー1〜2号と少数の場合は偽陽性のこともあります。
核酸増幅法(PCR検査)は、結核菌DNAの特有の塩基配列部分を人工的に増幅して検出する方法であり、菌の生死を区別できませんが、理論的には検体中の菌量が極少量でも確実に検出できる迅速判定方法の一種です。抗酸菌塗抹陽性検体で結核菌か否かを判定するのに有用です。
喀痰が塗抹陰性PCRのみ陽性の場合には、培養検査結果で最終判定とすべきであると考えられます。小川培地を代表とする固形培地での培養では、通常4週と8週で判定します。最近主流となりつつある液体培地での培養法では,固形培地で3週間以上かかった陽性判定が2週間以内と短縮され、感度(陽性率)も優位に高いですが、混在し早期に集落を形成する非定型抗酸菌に隠蔽されたり、一般細菌による汚染の率が若干高いといった点も指摘されています。
治療としては、以下のようなものがあります。
治療の基本方針としては、感受性を認める抗結核薬〔イソニアジド(INH)、リファンピシン(RFP)、エタンブトール(EB)、ピラジナミド(PZA)、ストレプトマイシン(SM)・カナマイシン(KM)が基本〕を 2〜4剤、6〜12か月併用します。
入院か通院かは感染防止と治療遂行の2面から決定します。塗抹陽性は、原則入院(通常 3〜6か月)であり、培養のみ陽性は生活環境により決定することが多いようです。
結核治療の目標は、単に症状の改善だけではなく、体内の生きた結核菌をほぼ完全に根絶することにあります。根絶できない場合として高い確率で再発するからです。また、増殖の遅い結核菌は殺菌にも時間がかかり、かなりの長期の投薬期間が必要です。
結核は、抗結核薬で治療を行います。現在は、耐性獲得の危険があるため単剤での治療は行いません。必ず、複数の併用療法を行います。イソニアジド (INH)、リファンピシン (RFP)、ピラジナミド (PZA)、エタンブトール (EB)(またはストレプトマイシン (SM))の4剤併用療法を行うべきであると考えられています。
ですが、患者さんが自己判断で薬を飲まなくなることや、副作用で薬が飲めなくなることなどで、「多剤耐性結核」を患ってしまうことがあります。そもそも結核菌は、病巣に1億個ほど存在し、その全てを殺さなければ完治はしません。
ところが、処方された薬を全て飲まなかったり、副作用で薬が飲めなくなったりすると、菌は生き残ってしまうばかりか、逆に薬に対して抵抗性を持った菌が残って増殖してしまいます。それまで効いていた薬が効かない、新たな結核菌になってしまうのです。
特に、イソニアジドおよびリファンピシンの二者に耐性をもつ菌は多剤耐性結核菌と呼ばれ、治療に難渋することがあります。生存率は10年間で約60%であり、半数近くの人が死に至ってしまいます。
約10種類の有効な抗結核薬があり、3〜4種類の薬を6〜9カ月間服用することで治すことができます。治療を正確に完了した場合、再発率は5%未満とされています。ですが、治療中断により結核菌に耐性ができ、集団感染することが問題となっています。
こうした菌を生み出さないためには、薬が効く段階、つまり最初に結核と診断されたときに、最後まできちんと飲み続けることが大切です。
最近では、DOTS(Directly Observed Treatment,Short-course) 、日本語に訳せば直接監視下短期化学療法と呼ばれる取り組みが成されています。これは、結核患者を発見し治すために世界中で使われている戦略であり、薬の強力な組み合わせであるそれぞれの用量を患者が飲み込むのを直接確認し、そして患者が治癒するまで保健サービスが経過をモニターする、というものです。
結核菌は他人への伝染力がかなり強く、塗抹陽性ならば排菌の恐れがあり、入院治療をしなければならないことをご理解いただきたいと思われます。
結核治療の目標は、単に症状の改善だけではなく、体内の生きた結核菌をほぼ完全に根絶することにあります。根絶できない場合として高い確率で再発する可能性があります。
また、増殖の遅い結核菌は殺菌にも時間がかかり、かなりの長期の投薬期間が必要であることをご理解いただきたいと思われます。
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医師が結核感染、気付かず1695人診察
入院か通院かは感染防止と治療遂行の2面から決定します。塗抹陽性は、原則入院(通常 3〜6か月)であり、培養のみ陽性は生活環境により決定することが多いようです。
結核治療の目標は、単に症状の改善だけではなく、体内の生きた結核菌をほぼ完全に根絶することにあります。根絶できない場合として高い確率で再発するからです。また、増殖の遅い結核菌は殺菌にも時間がかかり、かなりの長期の投薬期間が必要です。
結核は、抗結核薬で治療を行います。現在は、耐性獲得の危険があるため単剤での治療は行いません。必ず、複数の併用療法を行います。イソニアジド (INH)、リファンピシン (RFP)、ピラジナミド (PZA)、エタンブトール (EB)(またはストレプトマイシン (SM))の4剤併用療法を行うべきであると考えられています。
ですが、患者さんが自己判断で薬を飲まなくなることや、副作用で薬が飲めなくなることなどで、「多剤耐性結核」を患ってしまうことがあります。そもそも結核菌は、病巣に1億個ほど存在し、その全てを殺さなければ完治はしません。
ところが、処方された薬を全て飲まなかったり、副作用で薬が飲めなくなったりすると、菌は生き残ってしまうばかりか、逆に薬に対して抵抗性を持った菌が残って増殖してしまいます。それまで効いていた薬が効かない、新たな結核菌になってしまうのです。
特に、イソニアジドおよびリファンピシンの二者に耐性をもつ菌は多剤耐性結核菌と呼ばれ、治療に難渋することがあります。生存率は10年間で約60%であり、半数近くの人が死に至ってしまいます。
約10種類の有効な抗結核薬があり、3〜4種類の薬を6〜9カ月間服用することで治すことができます。治療を正確に完了した場合、再発率は5%未満とされています。ですが、治療中断により結核菌に耐性ができ、集団感染することが問題となっています。
こうした菌を生み出さないためには、薬が効く段階、つまり最初に結核と診断されたときに、最後まできちんと飲み続けることが大切です。
最近では、DOTS(Directly Observed Treatment,Short-course) 、日本語に訳せば直接監視下短期化学療法と呼ばれる取り組みが成されています。これは、結核患者を発見し治すために世界中で使われている戦略であり、薬の強力な組み合わせであるそれぞれの用量を患者が飲み込むのを直接確認し、そして患者が治癒するまで保健サービスが経過をモニターする、というものです。
結核菌は他人への伝染力がかなり強く、塗抹陽性ならば排菌の恐れがあり、入院治療をしなければならないことをご理解いただきたいと思われます。
結核治療の目標は、単に症状の改善だけではなく、体内の生きた結核菌をほぼ完全に根絶することにあります。根絶できない場合として高い確率で再発する可能性があります。
また、増殖の遅い結核菌は殺菌にも時間がかかり、かなりの長期の投薬期間が必要であることをご理解いただきたいと思われます。
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医師が結核感染、気付かず1695人診察