ついつい食べ過ぎてしまうことは誰にでも経験があるはず。しかし常に空腹感を持ち、いくら食べても腹が減っているように感じる人は、単純に「食いしん坊」というだけでなく、医学的な問題が生じている可能性がある。
アメリカ国立医学図書館(The U.S. National Library of Medicine)の言としてHealthDayではこのような状況について、「過食症(Hyperphagia)」「多食症(Polyphagia)」と呼ぶと共に、次のような問題視すべき原因が考えられると指摘している。
糖尿病と食欲の関係については、例えば糖尿ドットコムの説明にもあるように、「空腹命令」を出す脂肪酸が血液中に溶け出すことや、インスリンの低下によって「満腹命令」が伝達されにくくなるなど、脳内への命令にトラブルが生じることで「異常な食欲」が生じてしまうことがある。だからといって食欲が異常に高まってもそれが即糖尿病につながるわけではない。
また、当方(不破)自身も、起きた直後でまだ寝ぼけている時に甘いお菓子を口にした際、つい食べ過ぎてしまう経験があった。これは起き掛けが低血糖状態にあるからなのだろう。
また、以前内臓疾患をわずらい入院したことがあったが、退院直後の自宅療養時において、ステロイドを処方された時に主治医から「食欲がおう盛になる場合がある」と説明された(実際にはそのような副作用は生じなかったが)。今から思い返してみればこれも、副腎皮質ステロイドの副作用のことを言っていたわけだ。
さらに正確には「不安感」とはややベクトルを異にするが、ストレスによる過食症(神経性大食症)も大きな問題。薬の副作用や糖尿病などの他の病気と異なり、肉体的な疾患を起因としないため、他人から理解されないことも多い。
食べ物をたくさん、美味しくいただくのはとても幸せなこと。しかしそれが実は心身のトラブルを知らせようとするシグナルの場合もある。自他共に、これまでに無いほどの「これはどう考えても食欲がありすぎだよね」という食欲を感じたり見受けられたら、しかるべき機関に相談した方が良いだろう。
(いつも腹ペコ、でもそれ正常なの?)
摂食障害は拒食や過食といった、食行動のコントロールが困難となる疾患です。思春期の女性に多いといわれています(ですが、近年では若年例、高年例、男性例が増加しています)。神経性無食欲症(いわゆる拒食症)と神経性大食症(いわゆる過食症)の2つの病態に大きく分けられます。
神経性大食症(いわゆる過食症)の方は、短時間内(多くは夜間)に大量の食物をむちゃ食いする点に特徴があり、抑えがたい衝動によってむちゃ食いしてしまいます。また過食後も多くのケースでやせ願望や肥満恐怖があり、自己誘発性嘔吐や下剤の乱用などがみられます。
ちなみに、極端な過食をしながら、自己誘発嘔吐や下剤,利尿薬乱用などの排出行為を伴うタイプと、運動によって体重増加を防ぐのみで排出行為のないタイプがあります。神経性大食症は肥満恐怖がありますが、極度の体重減少はない点が神経性無食欲症とは異なります。
神経性無食欲症と神経性大食症の両者は、正反対の病態のようにもみえますが、拒食症が過食症へと変遷したり、過食症が拒食症様の症状を呈したりします。両者は相互に移行したり重複したりし、連続性のある病態と考えられ、摂食障害として1つにまとめられます。両方とも、体重や体型によって自己評価が極端に左右されるという認知の歪みが認められる点で一致しています。
多食症(過食症)とは、食欲が異常に亢進し、大量の食物を摂取する状態を指します。食欲は、視床下部腹内側核の満腹中枢と外側核群の空腹中枢とのバランスによって調節されます。これら食欲中枢に対し神経情報のほかに、血中のグルコース、インスリン、遊離脂肪酸などが影響を与えます。
空腹中枢が興奮すると、そのインパルスが辺縁葉に送られ空腹感あるいは食欲が形成され、摂食行動をもたらします。その摂食行動の異常が、過食症につながっていきます。原因として精神疾患、糖尿病などの内分泌疾患、視床下部下垂体系の腫瘍などが問題になります。
神経性過食症(大食症)は、短時間内(多くは夜間)に大量の食物をむちゃ食いする点に特徴があり、むちゃ食い中はその衝動を抑えがたくなります。また、過食後も多くのケースでやせ願望や肥満恐怖があり、自己誘発性嘔吐や下剤の乱用などがみられることもあります。
診断としては、
こうした治療としては、以下のようなものがあります。
アメリカ国立医学図書館(The U.S. National Library of Medicine)の言としてHealthDayではこのような状況について、「過食症(Hyperphagia)」「多食症(Polyphagia)」と呼ぶと共に、次のような問題視すべき原因が考えられると指摘している。
・不安感
・例えばbulimia(過食症)と呼ばれるものも含めた摂食障害
・妊娠時の糖尿傾向をも含めた糖尿病
・低血糖(低血糖性反応)
・月経前症候群(PMS)
・甲状腺機能亢進症か、グレーブス病などの甲状腺における疾患
・副腎皮質ホルモンなどのステロイド、一部の抗うつ薬などの薬剤の服用による副作用
糖尿病と食欲の関係については、例えば糖尿ドットコムの説明にもあるように、「空腹命令」を出す脂肪酸が血液中に溶け出すことや、インスリンの低下によって「満腹命令」が伝達されにくくなるなど、脳内への命令にトラブルが生じることで「異常な食欲」が生じてしまうことがある。だからといって食欲が異常に高まってもそれが即糖尿病につながるわけではない。
また、当方(不破)自身も、起きた直後でまだ寝ぼけている時に甘いお菓子を口にした際、つい食べ過ぎてしまう経験があった。これは起き掛けが低血糖状態にあるからなのだろう。
また、以前内臓疾患をわずらい入院したことがあったが、退院直後の自宅療養時において、ステロイドを処方された時に主治医から「食欲がおう盛になる場合がある」と説明された(実際にはそのような副作用は生じなかったが)。今から思い返してみればこれも、副腎皮質ステロイドの副作用のことを言っていたわけだ。
さらに正確には「不安感」とはややベクトルを異にするが、ストレスによる過食症(神経性大食症)も大きな問題。薬の副作用や糖尿病などの他の病気と異なり、肉体的な疾患を起因としないため、他人から理解されないことも多い。
食べ物をたくさん、美味しくいただくのはとても幸せなこと。しかしそれが実は心身のトラブルを知らせようとするシグナルの場合もある。自他共に、これまでに無いほどの「これはどう考えても食欲がありすぎだよね」という食欲を感じたり見受けられたら、しかるべき機関に相談した方が良いだろう。
(いつも腹ペコ、でもそれ正常なの?)
摂食障害は拒食や過食といった、食行動のコントロールが困難となる疾患です。思春期の女性に多いといわれています(ですが、近年では若年例、高年例、男性例が増加しています)。神経性無食欲症(いわゆる拒食症)と神経性大食症(いわゆる過食症)の2つの病態に大きく分けられます。
神経性大食症(いわゆる過食症)の方は、短時間内(多くは夜間)に大量の食物をむちゃ食いする点に特徴があり、抑えがたい衝動によってむちゃ食いしてしまいます。また過食後も多くのケースでやせ願望や肥満恐怖があり、自己誘発性嘔吐や下剤の乱用などがみられます。
ちなみに、極端な過食をしながら、自己誘発嘔吐や下剤,利尿薬乱用などの排出行為を伴うタイプと、運動によって体重増加を防ぐのみで排出行為のないタイプがあります。神経性大食症は肥満恐怖がありますが、極度の体重減少はない点が神経性無食欲症とは異なります。
神経性無食欲症と神経性大食症の両者は、正反対の病態のようにもみえますが、拒食症が過食症へと変遷したり、過食症が拒食症様の症状を呈したりします。両者は相互に移行したり重複したりし、連続性のある病態と考えられ、摂食障害として1つにまとめられます。両方とも、体重や体型によって自己評価が極端に左右されるという認知の歪みが認められる点で一致しています。
多食症(過食症)とは、食欲が異常に亢進し、大量の食物を摂取する状態を指します。食欲は、視床下部腹内側核の満腹中枢と外側核群の空腹中枢とのバランスによって調節されます。これら食欲中枢に対し神経情報のほかに、血中のグルコース、インスリン、遊離脂肪酸などが影響を与えます。
空腹中枢が興奮すると、そのインパルスが辺縁葉に送られ空腹感あるいは食欲が形成され、摂食行動をもたらします。その摂食行動の異常が、過食症につながっていきます。原因として精神疾患、糖尿病などの内分泌疾患、視床下部下垂体系の腫瘍などが問題になります。
神経性過食症(大食症)は、短時間内(多くは夜間)に大量の食物をむちゃ食いする点に特徴があり、むちゃ食い中はその衝動を抑えがたくなります。また、過食後も多くのケースでやせ願望や肥満恐怖があり、自己誘発性嘔吐や下剤の乱用などがみられることもあります。
診断としては、
A:無茶食いのエピソードの繰り返し、無茶食いのエピソードは以下の2つによって特徴づけられる。こうしたものが基準となります。
1)他とはっきり区別される時間の間に(例:1日の何時間でも2時間以内の間)、ほとんどの人が同じように食べる量よりも明らかに多い食物を食べること。
2)そのエピソードの間は、食べることを制御できないという感覚(例:食べることをやめることができない、または、何を、またはどれほど多く食べているかを制御できないという感じ)。
B:体重の増加を防ぐために不適切な代償行為を繰り返す、例えば、自己誘発性嘔吐;下剤、利尿剤、浣腸、またはその他の薬剤の間違った使用;絶食;または過剰な運動。
C:無茶食いおよび不適切な代償行為はともに、平均して、少なくとも3ヶ月間にわたって週2回起こっている。
D:自己評価は、体型および体重の影響を過剰に受けている。
E:障害は、神経性無食欲症のエピソード期間中にのみ起こるものではない。
亜型分類
排出型:現在の神経性大食症のエピソードの期間中、その人は定期的に自己誘発性嘔吐をする、または下剤、利尿剤、または浣腸の誤った使用をする。
非排出型:現在の神経性大食症のエピソードの期間中、その人は、絶食または過剰な運動などの他の不適切な代償行為を行ったことがあるが定期的に自己誘発性嘔吐、または、下剤、利尿剤、または浣腸の誤った使用はしたことがない。
こうした治療としては、以下のようなものがあります。
まず、治療のゴールを体重の回復のように身体面の改善だけに置くのではなく、本人の自立を根気よく精神的に援助していく姿勢が望まれます。そして、治療は年の単位となるのが一般的で、患者さんだけでなく、周囲や治療者も焦らないようにする必要があります。
ただ、精神療法だけで治療することには限界があり、身体療法、家族療法、薬物療法、認知行動療法などの治療法を組み合わせて総合的に対処する必要があります。
精神療法としては、個人精神療法、集団精神療法(心理教育も含む)、家族療法などがあります。個人療法では、受容的・支持的な態度をしめすことが重要となります。体重が増えると自信や自己存在が大きく揺らぐ不安に共感していきます。一方で、認知行動療法を用いて、体重や体型、食事に対する歪んだ認知の修正をはかることも行います。
また、過食症ではうつ(二次的なうつと考えられているが)の合併があり、抑うつと強迫傾向が強い場合、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などを処方することもあります。
ただ、このような精神的な疾患だけでなく、内分泌異常などが原因となることもあります。まずはしっかりとそうした鑑別診断を行い、原因を考えることも重要となります。
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ただ、精神療法だけで治療することには限界があり、身体療法、家族療法、薬物療法、認知行動療法などの治療法を組み合わせて総合的に対処する必要があります。
精神療法としては、個人精神療法、集団精神療法(心理教育も含む)、家族療法などがあります。個人療法では、受容的・支持的な態度をしめすことが重要となります。体重が増えると自信や自己存在が大きく揺らぐ不安に共感していきます。一方で、認知行動療法を用いて、体重や体型、食事に対する歪んだ認知の修正をはかることも行います。
また、過食症ではうつ(二次的なうつと考えられているが)の合併があり、抑うつと強迫傾向が強い場合、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)などを処方することもあります。
ただ、このような精神的な疾患だけでなく、内分泌異常などが原因となることもあります。まずはしっかりとそうした鑑別診断を行い、原因を考えることも重要となります。
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