以下は、最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学で扱われていた内容です。
9年前、ある大手銀行に就職し、キャッシュカードの事務処理を担当することになったO・Kさん。記録的な猛暑となったその年、銀行ではお客様が出入りするフロアを涼しくするため、建物一括管理のシステムで空調を24℃に設定。銀行の規則で制服の上に重ね着することが許されず、毎日、手足の冷たさに耐えながら、仕事を続けることになりました。
数週間後、やけに身体がだるくなり、経験したことのない激しい頭痛にも襲われた彼女。お風呂に入って身体を暖めても、頭痛は治まらず、さらになぜか風邪をひきやすくなってしまいました。
具体的な症状としては、以下のようなものがありました。
このような症状がみられ、O・Kさんは悩んできました。
そこで、同様な症状をもつ患者さんを診ている、という評判を知った彼女は、北里大学東洋医学総合研究所の伊藤剛先生のもとへ受診することにしました。
そこでイリスコーダー(自律神経バランス計測器)などの検査を施行し、診断された疾患名は、「冷房病」でした。
冷房病(disorder due to air-conditioning)とは、夏季に人工的な冷房環境下に、勤務または居住することによって生ずる暑熱適応が乱された不適応症候群を指します。簡単に言ってしまえば、冷房の強い環境により体温を調節する自律神経の機能がみだれる疾患です。
全身または局所の倦怠感、頭痛、咽頭痛、腹痛、腰痛、下半身の冷え、神経痛やリウマチの悪化、感冒様症状、下痢、生理不順などの症状を示すことになります。
O・Kさんは毎日のように冷房の強い刺激を受け続けたことによって、この自律神経の機能が乱れてしまいました。特に「夏の温度差」が問題となっています。
私たちの自律神経は、夏になり暑さを感じると、体の中に熱を閉じ込めないよう、皮膚のすぐ下の血管を拡げ、熱を逃がしやすくします。逆に、冬は外の寒さに熱を奪われないよう、血管を収縮させ体の熱を保とうとします。このように、人間の体は夏型と冬型、季節に応じて変化しています。
しかし、体が夏型になっているにも関わらず、寒いと感じるほどの冷房下に長時間いると、自律神経は体の熱を奪われないように血管を収縮させ、冬型の体に変えようとしてしまいます。ですが、一歩外に出れば猛暑であり、暑さを感じた自律神経は、再び体を夏型に戻そうとします。これを繰り返すうち、次第に自律神経が、今の季節が夏なのか冬なのか混乱し、機能を乱すと考えられています。
今回O・Kさんは、イリスコーダーという目の瞳孔の動きで自律神経を調べる検査から、彼女の自律神経の機能がやや過敏になっていることが確認されました。
冷房病の予防と治療としては、以下のようなものがあります。
9年前、ある大手銀行に就職し、キャッシュカードの事務処理を担当することになったO・Kさん。記録的な猛暑となったその年、銀行ではお客様が出入りするフロアを涼しくするため、建物一括管理のシステムで空調を24℃に設定。銀行の規則で制服の上に重ね着することが許されず、毎日、手足の冷たさに耐えながら、仕事を続けることになりました。
数週間後、やけに身体がだるくなり、経験したことのない激しい頭痛にも襲われた彼女。お風呂に入って身体を暖めても、頭痛は治まらず、さらになぜか風邪をひきやすくなってしまいました。
具体的な症状としては、以下のようなものがありました。
1)倦怠感
疲れやすく、休んでもその疲労が改善されにくくなりました。そのため、慢性的な倦怠感を感じるようになりました。
2)激しい頭痛
倦怠感とともに、激しい頭痛を感じるようになりました。特に、冷房の効いた電車車内や、冷房の効きすぎたオフィスで頭痛が激しくなりました。
3)風邪を引きやすくなる
風邪を引きやすくなり、寝込むことも多くなりました。そのため、健康不安を感じるようになりました。そのため、仕事も辞めざるを得ませんでした
このような症状がみられ、O・Kさんは悩んできました。
そこで、同様な症状をもつ患者さんを診ている、という評判を知った彼女は、北里大学東洋医学総合研究所の伊藤剛先生のもとへ受診することにしました。
そこでイリスコーダー(自律神経バランス計測器)などの検査を施行し、診断された疾患名は、「冷房病」でした。
冷房病とは
冷房病(disorder due to air-conditioning)とは、夏季に人工的な冷房環境下に、勤務または居住することによって生ずる暑熱適応が乱された不適応症候群を指します。簡単に言ってしまえば、冷房の強い環境により体温を調節する自律神経の機能がみだれる疾患です。
全身または局所の倦怠感、頭痛、咽頭痛、腹痛、腰痛、下半身の冷え、神経痛やリウマチの悪化、感冒様症状、下痢、生理不順などの症状を示すことになります。
O・Kさんは毎日のように冷房の強い刺激を受け続けたことによって、この自律神経の機能が乱れてしまいました。特に「夏の温度差」が問題となっています。
私たちの自律神経は、夏になり暑さを感じると、体の中に熱を閉じ込めないよう、皮膚のすぐ下の血管を拡げ、熱を逃がしやすくします。逆に、冬は外の寒さに熱を奪われないよう、血管を収縮させ体の熱を保とうとします。このように、人間の体は夏型と冬型、季節に応じて変化しています。
しかし、体が夏型になっているにも関わらず、寒いと感じるほどの冷房下に長時間いると、自律神経は体の熱を奪われないように血管を収縮させ、冬型の体に変えようとしてしまいます。ですが、一歩外に出れば猛暑であり、暑さを感じた自律神経は、再び体を夏型に戻そうとします。これを繰り返すうち、次第に自律神経が、今の季節が夏なのか冬なのか混乱し、機能を乱すと考えられています。
今回O・Kさんは、イリスコーダーという目の瞳孔の動きで自律神経を調べる検査から、彼女の自律神経の機能がやや過敏になっていることが確認されました。
冷房病の予防と治療
冷房病の予防と治療としては、以下のようなものがあります。
予防には、なんと言っても温度差対策が重要です。特に、外気温との温度差を5℃以下に調節、または衣服による保温が有効となっています。オフィスなど、冷えすぎる場所では体を冷やしすぎないようにすることが重要です。
上記のケースでは、漢方薬が治療として用いられていました。
そもそも、漢方の病理観では、気・血・水があります。気・血・水は西洋医学の神経・免疫・内分泌の相関に対応する概念といもいえると考えられます。気・血・水は神経系、内分泌系、免疫系と同じく互いに協調して生体のホメオスターシスを維持しています。外からの感染、内部の乱れ、発癌などに対して恒常性を保ち治癒に向かわせるシステムとして機能します。
「気」は、摂食意欲、消化吸収機能などを示します。気の病態には気虚、気滞、気逆などが区別されます。気虚とは、脳幹の活動性、生命活動の根源的エネルギーである気の働きが低下した状態を指します。気滞は、気の循環に停滞を来した病態です。抑うつ、咽喉・食道のつかえ感がその症状として現れます。気逆は気の循環の逆流です。
「血」は、内分泌と循環を指します。血の病態には血虚、お血が区別されます。血虚は血液の不足とそれによる動悸、顔色不良、めまい感、皮膚の乾燥、手足のしびれなどの症状からなります。お血は主として末梢血管の循環障害、その他、血管外出血を意味しています。
「水」は、生体防御とそれに関連した組織(粘膜、皮膚)、リンパ系を指します。生理的体液のことを津液といいます。そして、身体内の水分の偏在によって起こる病的状態を水毒といっています。
冷房病では、漢方の病理観で考えれば、冷えによって気の流れが悪くなり、血と水のバランスが崩れている、と考えられます。そのため、身体をあたため血行をよくすると同時に水分の代謝をスムーズにする漢方薬が選択されます。
たとえば、葛根湯や桂枝茯苓丸、五苓散、当帰芍薬散、真武湯などが用いられます。
まずはしっかりと冷え対策を行い、外気との気温差をしっかりと考慮していただくことが予防の第一歩ではないか、と考えられます。
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上記のケースでは、漢方薬が治療として用いられていました。
そもそも、漢方の病理観では、気・血・水があります。気・血・水は西洋医学の神経・免疫・内分泌の相関に対応する概念といもいえると考えられます。気・血・水は神経系、内分泌系、免疫系と同じく互いに協調して生体のホメオスターシスを維持しています。外からの感染、内部の乱れ、発癌などに対して恒常性を保ち治癒に向かわせるシステムとして機能します。
「気」は、摂食意欲、消化吸収機能などを示します。気の病態には気虚、気滞、気逆などが区別されます。気虚とは、脳幹の活動性、生命活動の根源的エネルギーである気の働きが低下した状態を指します。気滞は、気の循環に停滞を来した病態です。抑うつ、咽喉・食道のつかえ感がその症状として現れます。気逆は気の循環の逆流です。
「血」は、内分泌と循環を指します。血の病態には血虚、お血が区別されます。血虚は血液の不足とそれによる動悸、顔色不良、めまい感、皮膚の乾燥、手足のしびれなどの症状からなります。お血は主として末梢血管の循環障害、その他、血管外出血を意味しています。
「水」は、生体防御とそれに関連した組織(粘膜、皮膚)、リンパ系を指します。生理的体液のことを津液といいます。そして、身体内の水分の偏在によって起こる病的状態を水毒といっています。
冷房病では、漢方の病理観で考えれば、冷えによって気の流れが悪くなり、血と水のバランスが崩れている、と考えられます。そのため、身体をあたため血行をよくすると同時に水分の代謝をスムーズにする漢方薬が選択されます。
たとえば、葛根湯や桂枝茯苓丸、五苓散、当帰芍薬散、真武湯などが用いられます。
まずはしっかりと冷え対策を行い、外気との気温差をしっかりと考慮していただくことが予防の第一歩ではないか、と考えられます。
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猛暑に気をつける病−熱中症
猛暑に気をつける病−血行力学性脳梗塞