元巨人内野手の難波昭二郎氏が14日午前8時28分に心不全のため横浜市内の病院で死去。74歳だった。

難波氏は大阪府出身で関大では大型内野手として活躍。58年に大学野球のスター選手同士だった長嶋茂雄(立大)とともに巨人に入団。しかし、長嶋が金田正一(国鉄)に4三振を喫した1年目の開幕戦は代打で出場するなど、三塁手でポジションが重なったため出場機会に恵まれなかった。

62年に西鉄に移籍。同年引退後はワーナー・パイオニア(現ワーナーミュージック・ジャパン)に入社し、「わが巨人軍は永久に不滅です」で知られる長嶋の引退セレモニーのレコード化ではプロデューサーを務めた。
(ミスターのライバル 難波昭二朗氏が逝く)

心不全とは


心不全とは、「心臓のポンプ機能の失調により、臓器が必要とする心拍出量が得られず、臓器低灌流とうっ血のため惹起される臨床症候群と定義できる」と思われます。

心臓はポンプとして、臓器、組織が必要とする血液を送り出しています。心臓のポンプとしての機能が低下すると、臓器、組織の機能を維持するのに十分な血液量を送ることができなくなり、易疲労感、運動耐容能低下など、組織灌流不全に基づく症状・徴候が出現してきます。

心ポンプ失調が生じると、代償機序としてFrank-Starling(フランク・スターリング)機序(前負荷[心筋収縮開始直前の心筋にかかる負荷]が増大して心臓の収縮力が増す)、交感神経系、レニン-アルドステロン-アンジオテンシン系が作動しますが、それが破綻したときに心不全の臨床症状が出現してきます。

心不全の原因疾患は多様です。頻度の高いのは虚血性心疾患、弁膜疾患、高血圧性心疾患、心筋疾患の順となっています。誘因としては感染、心房細動などの不整脈、水分・塩分の過剰摂取、治療薬の中断などが重要となります。うっ血性心不全はさまざまなこうした病因による心疾患の終末像であり、状態像です。心不全状態になると患者さんの日常生活が損なわれ、生命予後が短縮することになってしまいます。

収縮不全は心臓の収縮機能の低下や後負荷の不整合により生じ、拡張不全は左心室の等容拡張期における弛緩能または拡張期伸展性の低下によって生じます。

心不全の診断


心不全になると、息切れ、浮腫など、末梢組織、間質や肺などに血液がうっ滞する容量負荷に基づく症状が出現してきます。さらに、心拍出量低下を補うための代償機序として作動する神経体液性因子の活性化に基づく症候が出現してきます。その結果、基礎心疾患の病態に関係なく、共通の臨床症状が現れてきます。

主に左心機能の低下があり、肺うっ血、呼吸困難などを来すものを左心不全、主に右心機能の低下があり、浮腫、静脈怒張、肝腫大などを来すものを右心不全といいます。両者は合併する例が多いです。

急性心不全は、心臓の機能的あるいは構造的異常が急激に発生し、低下した心臓のポンプ機能を代償できないような重篤な障害が招来される病態を指します。臨床的には心原性肺水腫、心原性ショック、慢性左心不全の急性増悪の3状態が含まれます。

慢性心不全は、慢性の心筋障害により心臓のポンプ機能が低下し、末梢主要臓器の酸素需要量に見合うだけの血液量を充分に拍出できない状態であり、肺または体静脈系にうっ血を来し生活機能に障害を生じた病態と一般に定義されます。

診断は、このような自覚症状(全身倦怠感、食欲不振、息切れ、動悸、呼吸困難、めまい、など多彩)、浮腫の有無などの全身状態の観察、肺野および心臓の聴診で疑い、12誘導心電図、血液検査(血清BNP値などを含む)、胸部X線写真、心臓超音波検査などにより可能です。拡張機能不全の診断には心臓超音波ドプラ法などを用います。

心不全の治療


心不全の治療としては、以下のようなものがあります。
American Heart Association(AHA)の分類(stageA、B、C、D)によると、重症度によって治療法が分類されています。

将来心不全を発症する背景要因を抱えている段階であるstage A(高血圧症、動脈硬化性疾患、糖尿病、肥満、メタボリックシンドロームなどを呈するも心不全はない)では、それぞれの要因をコントロールすることが重要となります。

塩分やアルコールの過剰摂取を含むや睡眠・休養時間を含めた生活習慣の改善、禁煙、適度な運動などが求められます。さらに、コントロール不十分であれば、高血圧症、高脂血症、糖尿病などそれぞれの疾患に対する薬物療法を開始します。

心不全を惹起しうる構造的心臓疾患(心筋梗塞の既往、左室肥大、無症候性の弁膜疾患など)、駆出率低下などはあるが心不全の症状は出現していないstage Bでは、stage Aでの治療に加えて、ACE阻害薬またはARB、およびβ遮断薬を使用することを考えます。

ACE阻害薬またはARBといった基礎薬を使用したうえでβ遮断薬(カルベジロール[アーチスト])が追加されることが多いですが、低血圧の場合はβ遮断薬の追加が難しいこともあります。

構造的心臓疾患をすでに有し、心不全の既往または現在心不全症状が存在するstage Cでは、stage A、Bのすべての治療に加えて、禁忌でなければ、ACE阻害薬またはARB、およびβ遮断薬を用います。

浮腫があれば利尿薬(ラシックス、ダイアート)を用い、使用量に注意を払いながら継続投与とします。心不全症状があり、頻脈、特に心房細動の合併があればジゴキシンを使用したりします。心筋保護を目的に抗アルドステロン薬(アルダクトンA)、心機能低下が高度であれば、Ca拮抗薬(アムロジン)を追加します。

内科的治療に不応性で、特殊なインターベンション(補助循環など)も必要となる難治性心不全であるstage Dでは、stage A〜Cのすべての治療が行われます。利尿薬、ACE阻害薬、β遮断薬、抗アルドステロン薬、ジギタリスなどの投与に加えて、すべてのARBではないがブロプレスの追加でさらなる有効性が示されています。

利尿薬は作用の異なる薬剤、例えばループ利尿薬とサイアザイド系利尿薬の同時投与やラシックス静注、さらには、重症であれば強心薬の経静脈投与とともにラシックス点滴静注を試みます。

心不全症状(NYHA III-IV相当)があり、内服による治療に抵抗性の場合は、ハンプを含めた一時的な経静脈的血管拡張療法も可能です(ですが、慢性心不全の予後にどのような効果があるかについてはなお不明)。

また、強心薬は長期使用すると心筋傷害を増大し予後を悪化させる可能性がありますが、stage Dではやむを得ない対症療法と考えられます。

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