お笑いコンビ・タカアンドトシのトシ(33)が27日、都内の病院で椎間板(ついかんばん)ヘルニアの手術を行うため、出演予定だった日本テレビ系「おもいッきりDON!」を欠席した。
所属事務所によると、トシは患部の内視鏡手術を行い、1週間程度入院する。腰の持病が悪化したもの。なお、この日の番組は相方のタカ(33)が単独出演。今後のテレビなどは、タカ単独、またはトシの代役を立てる予定も。
(タカアンドトシのトシがヘルニア手術)
椎間板は、隣接する脊椎の椎体と椎体の間にあるものです。円盤状をしており、周辺部の線維軟骨性の線維輪と、中央部のゼリー状構造の髄核からなっています。機能としては、脊柱において、椎体と椎体の間のクッションとして働いたり、椎体の運動の支点の役割をしています。
椎間板ヘルニアとは、この椎間板に異常な外力が加わり、線維輪を破って中心の髄核が流れ出ることによって生じます。結果、脱出した椎体の部分が神経根を圧迫して、腰痛や坐骨神経痛(下肢痛)などを生じます。
20〜40歳台の男性(スポーツ活動なども激しくなる、思春期頃から罹患者が増加する)に多いといわれています。一般的には、寛解と増悪を繰り返すようです。一般に中腰での労働、重量物の挙上、くしゃみなどを誘因として発症することが多いですが、何ら誘因のない場合もあります。
椎間板ヘルニアは、頚椎、胸椎、腰椎のどこにでも発生する可能性があります。ですが、特に後縦靱帯、脊椎骨の構造の差から、頸椎より腰椎に生じやすく、胸椎にはまれなものであるといわれています。特に、L4/5間(第4腰椎と第5腰椎の間)、L5/S間(第5腰椎と仙椎の間)のヘルニアがほとんどを占めます。
腰部椎間板ヘルニアは、腰痛と片側の殿部痛や下肢放散痛で発症することが多いですが、腰痛は伴わない場合もあります。神経障害が進行すると、罹患神経支配領域の感覚障害、運動麻痺が起こります。疼痛は腰椎の運動負荷により増悪し、安静臥床により軽減します。
診断にあたっては、神経学的所見や疼痛部位と、単純腰椎X線、MRIなどによるヘルニアの高位と横断位が一致した場合に、診断が確定されます。
他覚的な所見としては、疼痛性側弯といって、坐骨神経痛に対する防御反応による機能的側弯で、構築性側弯と異なり椎体の回旋は通常伴わない所見がみられます。また、腰椎可動域減少がみられ、各方向の腰椎運動が制限され、坐骨神経痛があると前屈が制限されます。神経脱落症状といって、高度障害例では感覚障害、筋力低下などの麻痺症状を伴うこともあります。
神経学的所見では、上記のような症状(膝以下から足部の疼痛、知覚障害や筋力低下などや、末梢神経の障害による疼痛など)があるかどうか、ラゼーグテストLasegue testやSLR(straight leg raising)testが陽性であるかどうかなどが重要です。
Lasegueテストとは、伸脚挙上テストとも呼ばれ、あおむけで股関節と膝関節を90°になるようにし(脚を上げて、膝を曲げている状態)、その肢位から膝関節を伸ばしていく手技です。これで痛みがあれば、Lasegue徴候陽性です。
SLRテスト(straight leg raising test;坐骨神経伸展テスト)とは、坐骨神経伸展テストとも呼ばれます。膝関節を伸ばした状態で脚を上げ、殿部から下肢後面に痛みが誘発あるいは増強される場合を陽性とします。
大腿神経伸展試験(femoral nerve stretch test:FNST)では、原法は健側下の側臥位ですが、通常は腹臥位で行われ、股関節を過伸展し、膝関節を屈曲すると大腿前面の大腿神経支配領域に疼痛が生じます。
単純腰椎X線写真では、腰椎椎間腔の狭小化の有無、側面像で正常前彎が保たれているか否かなどをみます。MRIでは、突出した椎間板を確認するうえで有用です。椎間孔外ヘルニアが稀にあるため、脊柱管外側の所見にも注意を払う必要があります。その他、脊髄造影(手術時や多発ヘルニア例の責任高位確認のために行う)、選択的神経根造影(責任病巣の同定が困難な場合の、確定診断および治療として有用)などを用いることもあります。
椎間板ヘルニアの治療としては、以下のようなものがあります。
所属事務所によると、トシは患部の内視鏡手術を行い、1週間程度入院する。腰の持病が悪化したもの。なお、この日の番組は相方のタカ(33)が単独出演。今後のテレビなどは、タカ単独、またはトシの代役を立てる予定も。
(タカアンドトシのトシがヘルニア手術)
椎間板ヘルニアとは
椎間板は、隣接する脊椎の椎体と椎体の間にあるものです。円盤状をしており、周辺部の線維軟骨性の線維輪と、中央部のゼリー状構造の髄核からなっています。機能としては、脊柱において、椎体と椎体の間のクッションとして働いたり、椎体の運動の支点の役割をしています。
椎間板ヘルニアとは、この椎間板に異常な外力が加わり、線維輪を破って中心の髄核が流れ出ることによって生じます。結果、脱出した椎体の部分が神経根を圧迫して、腰痛や坐骨神経痛(下肢痛)などを生じます。
20〜40歳台の男性(スポーツ活動なども激しくなる、思春期頃から罹患者が増加する)に多いといわれています。一般的には、寛解と増悪を繰り返すようです。一般に中腰での労働、重量物の挙上、くしゃみなどを誘因として発症することが多いですが、何ら誘因のない場合もあります。
椎間板ヘルニアは、頚椎、胸椎、腰椎のどこにでも発生する可能性があります。ですが、特に後縦靱帯、脊椎骨の構造の差から、頸椎より腰椎に生じやすく、胸椎にはまれなものであるといわれています。特に、L4/5間(第4腰椎と第5腰椎の間)、L5/S間(第5腰椎と仙椎の間)のヘルニアがほとんどを占めます。
椎間板ヘルニアの診断
腰部椎間板ヘルニアは、腰痛と片側の殿部痛や下肢放散痛で発症することが多いですが、腰痛は伴わない場合もあります。神経障害が進行すると、罹患神経支配領域の感覚障害、運動麻痺が起こります。疼痛は腰椎の運動負荷により増悪し、安静臥床により軽減します。
診断にあたっては、神経学的所見や疼痛部位と、単純腰椎X線、MRIなどによるヘルニアの高位と横断位が一致した場合に、診断が確定されます。
他覚的な所見としては、疼痛性側弯といって、坐骨神経痛に対する防御反応による機能的側弯で、構築性側弯と異なり椎体の回旋は通常伴わない所見がみられます。また、腰椎可動域減少がみられ、各方向の腰椎運動が制限され、坐骨神経痛があると前屈が制限されます。神経脱落症状といって、高度障害例では感覚障害、筋力低下などの麻痺症状を伴うこともあります。
神経学的所見では、上記のような症状(膝以下から足部の疼痛、知覚障害や筋力低下などや、末梢神経の障害による疼痛など)があるかどうか、ラゼーグテストLasegue testやSLR(straight leg raising)testが陽性であるかどうかなどが重要です。
Lasegueテストとは、伸脚挙上テストとも呼ばれ、あおむけで股関節と膝関節を90°になるようにし(脚を上げて、膝を曲げている状態)、その肢位から膝関節を伸ばしていく手技です。これで痛みがあれば、Lasegue徴候陽性です。
SLRテスト(straight leg raising test;坐骨神経伸展テスト)とは、坐骨神経伸展テストとも呼ばれます。膝関節を伸ばした状態で脚を上げ、殿部から下肢後面に痛みが誘発あるいは増強される場合を陽性とします。
大腿神経伸展試験(femoral nerve stretch test:FNST)では、原法は健側下の側臥位ですが、通常は腹臥位で行われ、股関節を過伸展し、膝関節を屈曲すると大腿前面の大腿神経支配領域に疼痛が生じます。
単純腰椎X線写真では、腰椎椎間腔の狭小化の有無、側面像で正常前彎が保たれているか否かなどをみます。MRIでは、突出した椎間板を確認するうえで有用です。椎間孔外ヘルニアが稀にあるため、脊柱管外側の所見にも注意を払う必要があります。その他、脊髄造影(手術時や多発ヘルニア例の責任高位確認のために行う)、選択的神経根造影(責任病巣の同定が困難な場合の、確定診断および治療として有用)などを用いることもあります。
椎間板ヘルニアの治療
椎間板ヘルニアの治療としては、以下のようなものがあります。
治療としては、まずは保存的療法が原則となります。というのも、椎間板ヘルニアは自然消退することがあり、ヘルニア塊の大きいものや遊離脱出したもので吸収される割合が高いからです。
非ステロイド性消炎鎮痛薬と筋緊張弛緩薬の併用は、椎間板ヘルニア症例を含む腰痛症例に有効であるといわれ、硬膜外ステロイド注入は疼痛軽減に有効です。他にも、理学療法(マニピュレーション)、物理療法(牽引,温熱療法など)、装具療法などが行われることもあります。
手術は、馬尾症候群(膀胱直腸障害)といって、排尿障害などを呈する場合は、予後の観点からできるだけ早くに手術を施行することが必要となります(絶対的適応)。ほかにも、痛みや神経障害の程度、期間、日常生活における困難の度合いに応じ、十分な説明のうえ患者と相談して、手術するかどうかを決定します(相対的適応)。
手術としては、片側の椎弓や椎間関節内側部を部分切除によって開窓し、神経組織をよけてヘルニア腫瘤を摘出するLove変法が一般的であるといわれています。ヘルニア腫瘤のみを摘出するヘルニア摘出術、母髄核の一部を含めて摘出する髄核摘出術などがありますが、手術成績にはあまり違いはないようです。
腰骨の後方を4 cmほど切開し、顕微鏡(または内視鏡)を使って腰骨に小さな穴を開けてヘルニアを摘出する方法もあります。保険適用もあり、入院期間は1週間程度です。レーザー治療(レーザー蒸散法)も用いられています。ただ、これは保険診療が認められておらず適応には慎重を要します。
タカさんのケースでは、内視鏡により手術が行われたそうです。是非ともご自愛なさって、徐々に復帰なさっていただければ、と思われます。
【関連記事】
腰痛患者を救う認知行動療法
椎間板ヘルニアと診断された45歳男性
非ステロイド性消炎鎮痛薬と筋緊張弛緩薬の併用は、椎間板ヘルニア症例を含む腰痛症例に有効であるといわれ、硬膜外ステロイド注入は疼痛軽減に有効です。他にも、理学療法(マニピュレーション)、物理療法(牽引,温熱療法など)、装具療法などが行われることもあります。
手術は、馬尾症候群(膀胱直腸障害)といって、排尿障害などを呈する場合は、予後の観点からできるだけ早くに手術を施行することが必要となります(絶対的適応)。ほかにも、痛みや神経障害の程度、期間、日常生活における困難の度合いに応じ、十分な説明のうえ患者と相談して、手術するかどうかを決定します(相対的適応)。
手術としては、片側の椎弓や椎間関節内側部を部分切除によって開窓し、神経組織をよけてヘルニア腫瘤を摘出するLove変法が一般的であるといわれています。ヘルニア腫瘤のみを摘出するヘルニア摘出術、母髄核の一部を含めて摘出する髄核摘出術などがありますが、手術成績にはあまり違いはないようです。
腰骨の後方を4 cmほど切開し、顕微鏡(または内視鏡)を使って腰骨に小さな穴を開けてヘルニアを摘出する方法もあります。保険適用もあり、入院期間は1週間程度です。レーザー治療(レーザー蒸散法)も用いられています。ただ、これは保険診療が認められておらず適応には慎重を要します。
タカさんのケースでは、内視鏡により手術が行われたそうです。是非ともご自愛なさって、徐々に復帰なさっていただければ、と思われます。
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