SKE48チームSの松井珠理奈が肺炎であることが判明し、緊急入院することになった。
松井は体調不良を理由に、先週末から劇場公演や握手会などのイベントを欠席。肺炎と診断された彼女は3日間の入院後、再度検査を受けることになる。
これにより、直近の活動はすべて休止。回復状況および活動再開時期については、オフィシャルサイトで追って報告される。
(SKE48松井珠理奈が肺炎のため緊急入院)
肺炎とは、肺胞や肺間質に生ずる炎症のことです。原因は種々の微生物や化学物質、物理的、免疫学的要因など、さまざまなものがあります。一般的には肺の急性感染症として理解されています(ウィルスや細菌などが原因となっています)。
日本人の死亡率の第4位を占める疾患は肺炎であり、85歳以上の高齢者では肺炎が死亡率の第2位となり、治療薬として優れた抗菌薬を用いても高齢化社会が進むわが国では大きな問題となっています。
罹患場所によって市中肺炎(普通の生活のなかで発症した肺炎)や院内肺炎(病院で治療中の患者、他の疾患を持つ患者に発症した肺炎)と分けたり、他にも感染した細菌やウィルスなどで分類したりします。起炎微生物の種類としては肺炎球菌とレジオネラの2菌種が重症肺炎の原因菌となり、注意する必要があります。
上記のようなケースでは、市中肺炎であると考えられます。肺炎で最も頻度の多い原因は、肺炎球菌です。特に、ウイルス感染や喫煙で気道の線毛運動によるクリアランス機構(細菌を排除する機能)が障害されると、細気管支や肺胞腔内に吸入されて、肺炎が起こってしまいます。
肺炎の診断は、呼吸器に炎症が存在する症状・所見があり、X線写真で陰影を認めること、そして原因菌をグラム染色で認めるか培養で分離すること、またはその他の方法で原因菌を確定することが重要です。
臨床症状としては一般的に、喀痰や咳嗽、発熱、胸痛、息切れなどが重要です。一般細菌性肺炎(膿性痰を伴う湿性咳嗽が多い)と非定型肺炎(痰を伴わない乾いた咳が多い)では臨床像や検査所見などが異なり、治療方針も違ってくるため、両者を判別することは臨床的に重要です。
ただ、高齢者の場合、こうした症状があまり前面に出てこなく、食欲不振や自発性の低下のみが前面に立つ場合も多いので注意が必要です。
肺炎を疑ったら、まず胸部X線を撮影し、陰影が認められれば肺炎として、重症度の判定や病原微生物の検索へと進んでいきます。胸部X線で陰影の有無が判明しないときには、胸部CTが役立つ場合があります。また、胸水の存在や空洞形成なども診断には有用な所見です。
肺炎のX線所見は、大きく分けて1)均等性陰影、2)不均等性陰影、3)間質性陰影に分類されると考えられます。
1)均等性陰影は一葉に広がる傾向のある、気管支透亮像を有する均等な陰影で、肺炎球菌による大葉性肺炎でみられるものです。
2)不均等性陰影は気管支の走行に沿って広がる濃淡のある陰影で、その中心部は均等陰影となるものです。いわゆる気管支肺炎といわれるもので、ブドウ球菌やグラム陰性桿菌による肺炎でみられるものです。
一方、主に肺門周囲にみられるすりガラス様、あるいは線状粒状陰影は、3)間質性陰影と表現され、非定型肺炎にみられるものとされています。ただし、肺炎球菌性肺炎でもマイコプラズマ肺炎同様、すりガラス様の陰影を呈することがあり、しかもCT写真でみると、マイコプラズマ肺炎は気管支壁の肥厚像を伴った細気管支中心性粒状影、不均等影が主で、逆に肺炎球菌性肺炎ですりガラス様を呈することもあります。
血液検査では、白血球数やCRP、赤沈、ムコ蛋白などの急性相反応の上昇がみられます。これは、炎症が起こっていることを示します。また、細菌性肺炎では白血球増加が特徴であり、マイコプラズマやクラミジア、ウイルスなどによる非定型肺炎では白血球は一般に増加しません。
非定型肺炎では、ASTやALTなどの酵素の上昇がしばしばみられます。マイコプラズマ肺炎では、寒冷凝集素の上昇も特徴的です。
原因となった微生物は、痰を検体としてGram染色などを行います。他にも、血液培養や血清学的診断法として、抗体価の上昇などをみて同定していきます。
肺炎の治療としては、以下のようなものがあります。
松井は体調不良を理由に、先週末から劇場公演や握手会などのイベントを欠席。肺炎と診断された彼女は3日間の入院後、再度検査を受けることになる。
これにより、直近の活動はすべて休止。回復状況および活動再開時期については、オフィシャルサイトで追って報告される。
(SKE48松井珠理奈が肺炎のため緊急入院)
肺炎とは
肺炎とは、肺胞や肺間質に生ずる炎症のことです。原因は種々の微生物や化学物質、物理的、免疫学的要因など、さまざまなものがあります。一般的には肺の急性感染症として理解されています(ウィルスや細菌などが原因となっています)。
日本人の死亡率の第4位を占める疾患は肺炎であり、85歳以上の高齢者では肺炎が死亡率の第2位となり、治療薬として優れた抗菌薬を用いても高齢化社会が進むわが国では大きな問題となっています。
罹患場所によって市中肺炎(普通の生活のなかで発症した肺炎)や院内肺炎(病院で治療中の患者、他の疾患を持つ患者に発症した肺炎)と分けたり、他にも感染した細菌やウィルスなどで分類したりします。起炎微生物の種類としては肺炎球菌とレジオネラの2菌種が重症肺炎の原因菌となり、注意する必要があります。
上記のようなケースでは、市中肺炎であると考えられます。肺炎で最も頻度の多い原因は、肺炎球菌です。特に、ウイルス感染や喫煙で気道の線毛運動によるクリアランス機構(細菌を排除する機能)が障害されると、細気管支や肺胞腔内に吸入されて、肺炎が起こってしまいます。
肺炎の診断
肺炎の診断は、呼吸器に炎症が存在する症状・所見があり、X線写真で陰影を認めること、そして原因菌をグラム染色で認めるか培養で分離すること、またはその他の方法で原因菌を確定することが重要です。
臨床症状としては一般的に、喀痰や咳嗽、発熱、胸痛、息切れなどが重要です。一般細菌性肺炎(膿性痰を伴う湿性咳嗽が多い)と非定型肺炎(痰を伴わない乾いた咳が多い)では臨床像や検査所見などが異なり、治療方針も違ってくるため、両者を判別することは臨床的に重要です。
ただ、高齢者の場合、こうした症状があまり前面に出てこなく、食欲不振や自発性の低下のみが前面に立つ場合も多いので注意が必要です。
肺炎を疑ったら、まず胸部X線を撮影し、陰影が認められれば肺炎として、重症度の判定や病原微生物の検索へと進んでいきます。胸部X線で陰影の有無が判明しないときには、胸部CTが役立つ場合があります。また、胸水の存在や空洞形成なども診断には有用な所見です。
肺炎のX線所見は、大きく分けて1)均等性陰影、2)不均等性陰影、3)間質性陰影に分類されると考えられます。
1)均等性陰影は一葉に広がる傾向のある、気管支透亮像を有する均等な陰影で、肺炎球菌による大葉性肺炎でみられるものです。
2)不均等性陰影は気管支の走行に沿って広がる濃淡のある陰影で、その中心部は均等陰影となるものです。いわゆる気管支肺炎といわれるもので、ブドウ球菌やグラム陰性桿菌による肺炎でみられるものです。
一方、主に肺門周囲にみられるすりガラス様、あるいは線状粒状陰影は、3)間質性陰影と表現され、非定型肺炎にみられるものとされています。ただし、肺炎球菌性肺炎でもマイコプラズマ肺炎同様、すりガラス様の陰影を呈することがあり、しかもCT写真でみると、マイコプラズマ肺炎は気管支壁の肥厚像を伴った細気管支中心性粒状影、不均等影が主で、逆に肺炎球菌性肺炎ですりガラス様を呈することもあります。
血液検査では、白血球数やCRP、赤沈、ムコ蛋白などの急性相反応の上昇がみられます。これは、炎症が起こっていることを示します。また、細菌性肺炎では白血球増加が特徴であり、マイコプラズマやクラミジア、ウイルスなどによる非定型肺炎では白血球は一般に増加しません。
非定型肺炎では、ASTやALTなどの酵素の上昇がしばしばみられます。マイコプラズマ肺炎では、寒冷凝集素の上昇も特徴的です。
原因となった微生物は、痰を検体としてGram染色などを行います。他にも、血液培養や血清学的診断法として、抗体価の上昇などをみて同定していきます。
肺炎の治療
肺炎の治療としては、以下のようなものがあります。
市中肺炎の治療に際してまず重要なことは、外来で治療をするか、入院させて治療をするかといった判断です。
高齢者や肺炎の経過に影響を及ぼす合併症や基礎疾患を有する患者さん、経口摂取のできない患者さん、頻脈、頻呼吸、低血圧、低酸素血症、意識レベルの低下などを認める患者さんでは、入院による治療が必要となると考えられます(これらの判断基準は、「呼吸器感染症に関するガイドライン」の肺炎の重症度分類などに記してある)。
市中肺炎の治療に関しては、肺炎球菌を目標に薬剤を選択します。したがって、ペニシリン系抗菌薬が第1選択であり、そのほかにセフェム系抗菌薬も選ばれますが、日本では特にペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)の増加が問題となっています。
また、マクロライド耐性肺炎球菌の増加も著しく、耐性の肺炎球菌に対してもペニシリン系抗菌薬の注射剤であれば、十分な濃度が肺炎の局所で達成されるため、有効であり、第1選択となりえます。
マイコプラズマやクラミジア、レジオネラなどによる非定型肺炎に対しては、マクロライド系抗菌薬やテトラサイクリン系抗菌薬、フルオロキノロン系抗菌薬が有用であると考えられます。このような薬剤を適宜用いて、治療を行っていきます。
【関連記事】
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高齢者や肺炎の経過に影響を及ぼす合併症や基礎疾患を有する患者さん、経口摂取のできない患者さん、頻脈、頻呼吸、低血圧、低酸素血症、意識レベルの低下などを認める患者さんでは、入院による治療が必要となると考えられます(これらの判断基準は、「呼吸器感染症に関するガイドライン」の肺炎の重症度分類などに記してある)。
市中肺炎の治療に関しては、肺炎球菌を目標に薬剤を選択します。したがって、ペニシリン系抗菌薬が第1選択であり、そのほかにセフェム系抗菌薬も選ばれますが、日本では特にペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)の増加が問題となっています。
また、マクロライド耐性肺炎球菌の増加も著しく、耐性の肺炎球菌に対してもペニシリン系抗菌薬の注射剤であれば、十分な濃度が肺炎の局所で達成されるため、有効であり、第1選択となりえます。
マイコプラズマやクラミジア、レジオネラなどによる非定型肺炎に対しては、マクロライド系抗菌薬やテトラサイクリン系抗菌薬、フルオロキノロン系抗菌薬が有用であると考えられます。このような薬剤を適宜用いて、治療を行っていきます。
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