2009年11月24日放送の「最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学」にて、スピードワゴンがゲスト出演していた。この日の放送は「本当は怖い声の変化」ということで、加齢により発生がしにくくなる疾患が特集されていた。

実際にあった症例の再現VTRの後に、ゲストたちが発生時間を検査することになった。大和田漠、高橋ジョージ、岩崎宏美、相方の井戸田、山本モナらが次々にクリアしていく中で、ようやく小沢の番になった。

発生を始めると数秒で安定感の無い声になり、8秒で音程がハズれ(15秒発生し続けられたらクリア)、強制終了となった。ただ一人、異常と判断されて、さらにファイバースコープによる検査が行われた。

ファイバースコープで声帯を見ると、発生時にしっかりと声門が閉じず、声門閉鎖不全をきたしていた。さらに、声帯にはいくつかの溝がみられ、「声帯溝症」と診断されていた。これは、その名の通り声帯に溝がみられ、声門がしっかりと閉じないことが問題となり、声がかすれる。

日頃から会話も少なく、さらにヘビースモーカーであることが声に影響していると考えられるが、原因は不明である。本来は高齢者に多い疾患であるが、30代の小沢が「声帯溝症」と診断されていた。

めちゃイケの『歌ヘタ王決定戦』でも「小声過ぎて聴き取れない」といったことがイジられているが、今回のテレビ出演で医学的に「異常がある」と指摘された形になった。
(スピードワゴン小沢 「医学的に声の異常を指摘」)

声帯溝症とは


声帯溝症(声帯皺襞症)とは、声帯遊離縁部に前後に走る溝があり、それが原因で音声障害が起こるものを指します。

そもそも声帯とは、声を出す器官であり、左右の声帯が発声時内転して真ん中で近づき、下方からの呼気流によって振動します。つまり、この声帯が震えることと後、きちんと閉鎖した上で震えることできれいな声が出ます。

ところが、声帯溝症などのように声帯がしっかりと閉じないと、声が掠れてしまうことになります(これを嗄声[させい]と言います)。

このように、「声帯溝症」の症状は嗄声で、喉頭鏡下に声帯遊離縁部に前後に走る溝を認め、声帯縁は弓状に陥凹し、発声時に声門は完全に閉じず紡錘形の隙間がみられます。実際、小沢さんのケースでは、ファイバースコープによる検査で、声帯遊離縁部に前後に走る溝がみられ、発声時に声門は完全に閉じず紡錘形の隙間がみられていました。また、「声帯溝症」であると、仮声帯が代償性に過内転することがあります。

声帯溝症の原因には先天性、長期にわたる炎症の残遺、老人性変化などがあります。溝は多くは両側性で、声帯遊離縁の重層扁平上皮領域にあり、溝の底部は膠原線維が密で血管に乏しいといった特徴があります。

声帯溝症の治療


声帯溝症の治療としては、以下のようなものがあります。
声帯溝症の治療としては、その問題点である声門閉鎖不全を改善する手術などが行われているようです。保存的治療としては、音声治療があります。座っている椅子を強く持ち上げつつ発声させたりして、声帯に強い力が働くようにするといった訓練もなされる場合があるようです。

手術的治療には、シリコン、アテロコラーゲン、自家脂肪などを用いる声帯注入療法と喉頭形成術があります。術後は、音声療法により発声練習などが重要となります。

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