難病の子どもたちの夢をかなえる活動をしている国際ボランティア団体「メイク・ア・ウィッシュ オブ ジャパン」(MAWJ)福岡支部(福岡市)は2日、悪性腫瘍「ユーイング肉腫」と闘っている久留米高校2年の樋口祐介さん(18)にバリトンサックスを贈った。
この日、宗像市の宗像ユリックスのステージで贈呈式があり、その場で樋口さんが贈られた楽器を使い、プロの九州管楽合奏団とジャズを協演。「夢のような時間」と喜んだ。
樋口さんは、中学2年だった2005年10月、右足に悪性腫瘍が見つかり、久留米大学病院に入院。07年3月に退院するまでの1年半に、2度の手術や抗がん剤治療を重ね、病魔と闘ってきた。現在も2カ月に1回、経過観察を続けている。
(悪性腫瘍と闘う 久留米高2年樋口さん 念願のサックス手に笑顔)
ユーイング(Ewing)肉腫とは、1921年ユーイングによって報告された高悪性度小円形細胞肉腫です。
悪性骨腫瘍の中では3番目、小児に発生する悪性骨腫瘍としては骨肉腫に次いで2番目ですが、日本整形外科学会骨腫瘍登録では1年間の登録数は20例前後ときわめて稀です。
10代〜20歳代に好発しますが、40歳以降にも発生することがあります。大腿骨、上腕骨などの長管骨骨幹部や骨盤、肋骨に好発します。初発症状の多くは痛みと腫脹です。
悪性度が高く急速に進行することが多いが、1年以上の病悩期間を有する患者も少なくありません。
典型的には、単純X線写真で長管骨骨幹部などに虫食い状moth-eatenの不規則で境界不明瞭な骨破壊とタマネギの皮様onion peelと表現されるような骨膜反応がみられます。
ですが、例外も多く、虫食いよりももっと小さな浸透状permeativeと呼ばれるような骨破壊の場合には単純X線写真では骨の変化に気づかれない場合もあります。しかしそのような例で軟部の腫脹がないことはきわめて稀であり、軟部の腫脹があればその目でX線を観察することが重要となります。
小児あるいは思春期〜若年成人の患者でこのようなの画像所見を見たら、この腫瘍を疑います。注意すべきは、ときに発熱やCRP高値などの炎症所見を伴うため、骨髄炎と早合点しないことです。
MRI検査も有用で、骨外に浸潤した腫瘍とともに骨内の病変を明瞭に描出することができます。
ユーイング肉腫の治療としては、以下のようなものがあります。
この日、宗像市の宗像ユリックスのステージで贈呈式があり、その場で樋口さんが贈られた楽器を使い、プロの九州管楽合奏団とジャズを協演。「夢のような時間」と喜んだ。
樋口さんは、中学2年だった2005年10月、右足に悪性腫瘍が見つかり、久留米大学病院に入院。07年3月に退院するまでの1年半に、2度の手術や抗がん剤治療を重ね、病魔と闘ってきた。現在も2カ月に1回、経過観察を続けている。
(悪性腫瘍と闘う 久留米高2年樋口さん 念願のサックス手に笑顔)
ユーイング肉腫とは
ユーイング(Ewing)肉腫とは、1921年ユーイングによって報告された高悪性度小円形細胞肉腫です。
悪性骨腫瘍の中では3番目、小児に発生する悪性骨腫瘍としては骨肉腫に次いで2番目ですが、日本整形外科学会骨腫瘍登録では1年間の登録数は20例前後ときわめて稀です。
10代〜20歳代に好発しますが、40歳以降にも発生することがあります。大腿骨、上腕骨などの長管骨骨幹部や骨盤、肋骨に好発します。初発症状の多くは痛みと腫脹です。
悪性度が高く急速に進行することが多いが、1年以上の病悩期間を有する患者も少なくありません。
ユーイング肉腫の診断
典型的には、単純X線写真で長管骨骨幹部などに虫食い状moth-eatenの不規則で境界不明瞭な骨破壊とタマネギの皮様onion peelと表現されるような骨膜反応がみられます。
ですが、例外も多く、虫食いよりももっと小さな浸透状permeativeと呼ばれるような骨破壊の場合には単純X線写真では骨の変化に気づかれない場合もあります。しかしそのような例で軟部の腫脹がないことはきわめて稀であり、軟部の腫脹があればその目でX線を観察することが重要となります。
小児あるいは思春期〜若年成人の患者でこのようなの画像所見を見たら、この腫瘍を疑います。注意すべきは、ときに発熱やCRP高値などの炎症所見を伴うため、骨髄炎と早合点しないことです。
MRI検査も有用で、骨外に浸潤した腫瘍とともに骨内の病変を明瞭に描出することができます。
ユーイング肉腫の治療
ユーイング肉腫の治療としては、以下のようなものがあります。
治療は術前・術後化学療法(VCR、ACTD、CYC、ADR:VAC療法+ADR)、放射線療法、広範摘出術、術後化学療法のプログラムが一般的です。
非転移性のEwing肉腫に対しては、まず化学療法を約3ヶ月間行った後、外科的切除や放射線による局所治療を行い、その後にも化学療法を追加します。全治療期間は約12ヶ月程度です。
化学療法としては、ビンクリスチン(VCR)、アドリアマイシン(DXR)、シクロホスファミド(CPA)によるVDC療法と、イホスファミド(IFM)、エトポシドによるIE療法を交互に行います。骨髄抑制をはじめとする副作用が必発であるため、化学療法に十分な経験を有する医師の指導のもとに、化学療法に慣れた施設で行うべきとされています。
辛い闘病生活の後、将来のことを考えるのも難しいこととは思われますが、ぜひとも夢に向かって頑張っていただきたいと思われます。
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ユーイング肉腫とは:君がくれた夏 ガンと闘った息子の730日
ユーイング肉腫
非転移性のEwing肉腫に対しては、まず化学療法を約3ヶ月間行った後、外科的切除や放射線による局所治療を行い、その後にも化学療法を追加します。全治療期間は約12ヶ月程度です。
化学療法としては、ビンクリスチン(VCR)、アドリアマイシン(DXR)、シクロホスファミド(CPA)によるVDC療法と、イホスファミド(IFM)、エトポシドによるIE療法を交互に行います。骨髄抑制をはじめとする副作用が必発であるため、化学療法に十分な経験を有する医師の指導のもとに、化学療法に慣れた施設で行うべきとされています。
辛い闘病生活の後、将来のことを考えるのも難しいこととは思われますが、ぜひとも夢に向かって頑張っていただきたいと思われます。
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