以下は、ザ!世界仰天ニュースで取り上げられていた内容です。
アメリカ・オハイオ州でエレーナ・デザリックは両親、妹とともに幸せいっぱいの日々を過ごしていた。しかしある日、まっすぐに歩行できないなど体の変化がエレーナに起こり始めた。声が出なくなり、すぐに病院に行き精密検査を受けると、「びまん性橋グリオーマ」という脳腫瘍だと診断された。
「びまん性橋グリオーマ」とは、脳幹に発生し、ガン細胞が散らばるようにしてできるため摘出するのが困難で完治が殆ど不可能な病気だった。彼女は6歳を目前にして余命4ヵ月半と宣告された。
診断から2日後、テネシー州の病院に向かい、6週間の放射線治療を行った。治療の効果があり退院したものの、再び病状が悪化し入院。彼女の病は確実に進行し、余命宣告から9か月半後、家族の願いは届くことなくエレーナは6歳の若さで息を引き取った。しかし彼女は病気と闘う中、家族にある思い出を残していた。
彼女が亡くなってからしばらくたったある日、母が彼女の部屋にあった1冊の本を手にすると、中から1枚の小さなメモが出てきた。そこには「パパ、ママ、グレース愛してる」と書かれていた。そして数日後、またもやメモが見つかった。
いつの間に隠していたのかわからなかったが、それからもたくさんのメモがいろんなところから見つかった。最初のメモが見つかってから2か月後、古いかばんを整理していると封をされた父親宛の手紙が見つかった。やがて母親宛の手紙も…。
エレーナは自分の病気が治らないことを感じ取っていたのかもしれない。自分がいなくなった後、みんなに忘れられないように、家族がさびしがらないよう、必死にメモを書き、それらを家中に隠したのだろう。メモが見つかる度に、家族は笑顔になりエレーナを側に感じ取ることができる。エレーナが亡くなってから2年たった今でもメモが見つかるという。
神経膠腫(グリオーマ)とは、外胚葉の神経上皮由来のグリア細胞を発生母地とする脳腫瘍を指します。
組織学的には星状細胞腫、膠芽腫がおのおの30%でそのほか悪性星状細胞腫、乏突起神経膠腫、上衣腫、脈絡叢乳頭腫が続きます。小児期では星状細胞腫が、成人では膠芽腫が最多です。性差は4:3でやや男性に多い。上衣腫以外は大脳半球に好発します。
エレナちゃんのケースでは、びまん性内在性橋膠腫(diffuse intrinsic pontine glioma;DIPG)だったそうです。脳幹部内部に発生する予後不良の小児腫瘍であり、3歳から7歳くらいの小児に多いです。組織学的には、星細胞系腫瘍(びまん性星細胞腫、退形成性星細胞腫、膠芽腫)が多いようです。
脳幹とは、間脳を含む場合もありますが、通常は延髄、橋、中脳を合わせてこう呼びます。脳幹には、脊髄と前脳との間を連絡する多くの線維路に加え大部分の脳神経核および脳神経根があります。
そのため、この部位が腫瘍などで傷害されると、部位と大きさによって、各部位に特有な脳神経麻痺や種々の程度の運動麻痺、感覚麻痺、運動失調、意識障害などがみられます。脳幹部の広範な傷害では、高度の意識障害+四肢麻痺をきたすことが多いです。呼吸の異常も伴うこともあります。
上記のように、まずは初期症状はふらついて歩くのが不安定になること(失調性歩行)が多いようです。さらに、四肢の運動麻痺ばかりでなく顔面神経麻痺(顔がゆがむ)や、眼球運動障害(眼の位置・動きがおかしい)などの脳神経症状もでてくることもあります。
脳腫瘍の治療としては、以下のようなものがあります。
アメリカ・オハイオ州でエレーナ・デザリックは両親、妹とともに幸せいっぱいの日々を過ごしていた。しかしある日、まっすぐに歩行できないなど体の変化がエレーナに起こり始めた。声が出なくなり、すぐに病院に行き精密検査を受けると、「びまん性橋グリオーマ」という脳腫瘍だと診断された。
「びまん性橋グリオーマ」とは、脳幹に発生し、ガン細胞が散らばるようにしてできるため摘出するのが困難で完治が殆ど不可能な病気だった。彼女は6歳を目前にして余命4ヵ月半と宣告された。
診断から2日後、テネシー州の病院に向かい、6週間の放射線治療を行った。治療の効果があり退院したものの、再び病状が悪化し入院。彼女の病は確実に進行し、余命宣告から9か月半後、家族の願いは届くことなくエレーナは6歳の若さで息を引き取った。しかし彼女は病気と闘う中、家族にある思い出を残していた。
彼女が亡くなってからしばらくたったある日、母が彼女の部屋にあった1冊の本を手にすると、中から1枚の小さなメモが出てきた。そこには「パパ、ママ、グレース愛してる」と書かれていた。そして数日後、またもやメモが見つかった。
いつの間に隠していたのかわからなかったが、それからもたくさんのメモがいろんなところから見つかった。最初のメモが見つかってから2か月後、古いかばんを整理していると封をされた父親宛の手紙が見つかった。やがて母親宛の手紙も…。
エレーナは自分の病気が治らないことを感じ取っていたのかもしれない。自分がいなくなった後、みんなに忘れられないように、家族がさびしがらないよう、必死にメモを書き、それらを家中に隠したのだろう。メモが見つかる度に、家族は笑顔になりエレーナを側に感じ取ることができる。エレーナが亡くなってから2年たった今でもメモが見つかるという。
グリオーマ(神経膠腫)とは
神経膠腫(グリオーマ)とは、外胚葉の神経上皮由来のグリア細胞を発生母地とする脳腫瘍を指します。
組織学的には星状細胞腫、膠芽腫がおのおの30%でそのほか悪性星状細胞腫、乏突起神経膠腫、上衣腫、脈絡叢乳頭腫が続きます。小児期では星状細胞腫が、成人では膠芽腫が最多です。性差は4:3でやや男性に多い。上衣腫以外は大脳半球に好発します。
エレナちゃんのケースでは、びまん性内在性橋膠腫(diffuse intrinsic pontine glioma;DIPG)だったそうです。脳幹部内部に発生する予後不良の小児腫瘍であり、3歳から7歳くらいの小児に多いです。組織学的には、星細胞系腫瘍(びまん性星細胞腫、退形成性星細胞腫、膠芽腫)が多いようです。
脳幹とは、間脳を含む場合もありますが、通常は延髄、橋、中脳を合わせてこう呼びます。脳幹には、脊髄と前脳との間を連絡する多くの線維路に加え大部分の脳神経核および脳神経根があります。
そのため、この部位が腫瘍などで傷害されると、部位と大きさによって、各部位に特有な脳神経麻痺や種々の程度の運動麻痺、感覚麻痺、運動失調、意識障害などがみられます。脳幹部の広範な傷害では、高度の意識障害+四肢麻痺をきたすことが多いです。呼吸の異常も伴うこともあります。
上記のように、まずは初期症状はふらついて歩くのが不安定になること(失調性歩行)が多いようです。さらに、四肢の運動麻痺ばかりでなく顔面神経麻痺(顔がゆがむ)や、眼球運動障害(眼の位置・動きがおかしい)などの脳神経症状もでてくることもあります。
脳腫瘍の治療
脳腫瘍の治療としては、以下のようなものがあります。
脳腫瘍は種類が多彩であり、さらには同じ組織型でも発生部位やサイズによって治療方針・予後が大きく異なる場合があります。
脳腫瘍の一般的な治療としては、手術によって可及的全摘出を目指しますが、個々の腫瘍に応じて手術、放射線治療(ガンマナイフなどの定位放射線治療を含む)、化学療法の中から最も適切な治療法を選びます。
上記のような脳幹部の腫瘍は、手術は不可能(重大な機能障害をきたすと考えられる)と言わざるとえないでしょう。そこで、場所によっては放射線治療が行われることもあります。エレーナちゃんのケースでは、放射線照射が行われ、一時は縮小がみられていました。
化学療法としては、塩酸ニムスチン(ニドラン)、カルボプラチン(パラプラチン、カルボメルク)、硫酸ビンクリスチン(オンコビン)やエトポシド(ベプシド、ラステット)やテモゾロマイド(テモダール)などが使用される場合もあります。
それ以外は、高度な脳浮腫や急性水頭症による頭蓋内圧亢進などの対処療法を行っていくことになるでしょう。これには、グリセオール(濃グリセリン)やD-マンニトールなどの高張溶液の点滴静注、ステロイド治療を行います。上記のケースでは、ステロイド治療が行われていました。また、さらに併発するおそれのあるけいれん発作予防のために抗けいれん薬を投与します。
一般的には部分発作にはテグレトール、エクセグランなどの使用を、全般発作にはデパケンなどを用いることが多いです。注射薬ではセルシンなどの静注が行われます。
雨上がり決死隊の宮迫さんも、ボロ泣きしてしまってコメントにならなかったのが非常に印象的でした。
このエピソードが、『パパ、ママ、愛してる-エレナが残したメッセージ-』として早川書房より、2010年3月上旬に発売となるそうです。病気になったお子さんがいらっしゃるご両親の、心の支えとなっていただければ、と思われます。
【関連記事】
脳腫瘍(グリオーマ)の少女が残したメッセージ
15歳で脳腫瘍を発症した青年、母子の闘病−錦戸亮さんが演じる
脳腫瘍の一般的な治療としては、手術によって可及的全摘出を目指しますが、個々の腫瘍に応じて手術、放射線治療(ガンマナイフなどの定位放射線治療を含む)、化学療法の中から最も適切な治療法を選びます。
上記のような脳幹部の腫瘍は、手術は不可能(重大な機能障害をきたすと考えられる)と言わざるとえないでしょう。そこで、場所によっては放射線治療が行われることもあります。エレーナちゃんのケースでは、放射線照射が行われ、一時は縮小がみられていました。
化学療法としては、塩酸ニムスチン(ニドラン)、カルボプラチン(パラプラチン、カルボメルク)、硫酸ビンクリスチン(オンコビン)やエトポシド(ベプシド、ラステット)やテモゾロマイド(テモダール)などが使用される場合もあります。
それ以外は、高度な脳浮腫や急性水頭症による頭蓋内圧亢進などの対処療法を行っていくことになるでしょう。これには、グリセオール(濃グリセリン)やD-マンニトールなどの高張溶液の点滴静注、ステロイド治療を行います。上記のケースでは、ステロイド治療が行われていました。また、さらに併発するおそれのあるけいれん発作予防のために抗けいれん薬を投与します。
一般的には部分発作にはテグレトール、エクセグランなどの使用を、全般発作にはデパケンなどを用いることが多いです。注射薬ではセルシンなどの静注が行われます。
雨上がり決死隊の宮迫さんも、ボロ泣きしてしまってコメントにならなかったのが非常に印象的でした。
このエピソードが、『パパ、ママ、愛してる-エレナが残したメッセージ-』として早川書房より、2010年3月上旬に発売となるそうです。病気になったお子さんがいらっしゃるご両親の、心の支えとなっていただければ、と思われます。
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15歳で脳腫瘍を発症した青年、母子の闘病−錦戸亮さんが演じる