非常に稀なアレルギー反応を起こして長い間入院していた19歳の少女が、現在では回復して普通の生活を送れるようになった。彼女の起こしたアレルギー反応は、なんと100万人に1人の確率で起こり、死亡率は30-40%だという。
スウェーデン中部に住む19歳のEva Uhlinさんは、2005年の9月に100万人に1人の確率で起こる非常に稀なアレルギー反応を起こし、体中に水ぶくれが出来て長期入院を余儀なくされた。アレルギー反応を起こしたのは、一般的に若い人々に処方されている鎮痛剤だった。
鎮痛剤を飲んだ翌朝、目覚めたEvaさんが鏡を見ると、そこには顔中に水ぶくれが出来て「まるでホラー映画のよう」な変わり果てたEvaさんの姿があった。そしてそれはかなりの痛みを伴っており、Evaさんは病院へと向かった。
Evaさんが発症したのはToxic Epidermal Necrolysis(中毒性表皮壊死症)と呼ばれるもので、100万人に1人の確率で発症し死亡率は30-40%になるという。その原因は主に医薬品へのアレルギー反応で、高熱や痛み、全身の疱疹に悩まされるという。
Evaさんの様態が回復するのに時間はかかったが、徐々に良くなり「何ヶ月もかかりましたが、私のモンスターのようになった顔は少しずつ良くなっていきました。」とEvaさんは言う。
「以前より強くなれました。」「以前よりも自分の事を信じることが出来るようになりました。」「外見の重要性を知りました」等、この経験をした事で内面もだいぶ変わった事をEvaさんは語る。また、治療中は家族や友達の支えのおかげで頑張れたそうだ。
今ではすっかり普通の肌に戻ったEvaさんは、ウェイトレスとして働いており、今後アメリカにオーペアとして働きに出る計画があるのだという。
(【EU発!Breaking News】100万人に1人!稀なアレルギー反応を起こした少女(スウェーデン))
中毒性表皮壊死剥離症(toxic epidermal necrolysis;TEN)は、全身倦怠感、発熱、関節痛などの前駆症状に続き、紅斑を生じ、それが急速に全身に拡大するとともに、熱傷に似たびらんを呈する最も重症の薬疹(内服、注射、吸入などのさまざまな経路により体内に入った薬剤、あるいはその代謝産物により引き起こされる皮膚・粘膜の病変)のことを指します。
口腔、眼粘膜、外陰部などの粘膜ばかりでなく、上気道、消化管粘膜にも病変を認め、急激な経過とともに、しばしば死に至ってしまいます(死亡率25%程度)。死因は、敗血症や消化管出血などです。
表皮細胞全体が著明な壊死に陥るため、皮膚は擦るだけで容易に剥離してしまいます(これを、ニコルスキー現象と言います)。
重症の薬疹としては、Stevens-Johnson症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN:toxic epidermal necrolysis)がよく知られていますが、最近は薬剤誘発性過敏症症候群(DIHS:drug-induced hypersensitivity syndrome)、急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP:acute generalized exanthematous pustulosis)も注目されています。
薬疹は、検査のために投与された薬剤でも発症するし、また、市販薬や漢方薬でも薬疹が生じる可能性があります。多くの場合、免疫学的機序により発症しますが、遺伝学的素因、薬剤摂取量、摂取期間、ウイルス感染、運動、日光曝露、薬剤間の相互作用などが関与します。
薬疹の臨床症状は多彩で、あらゆる種類の発疹が出現するといっても過言ではないでしょう。薬疹の診断では、まず、細菌、ウイルスなどの感染症を否定し薬疹であることを確認し、最終的に、原因薬剤を同定することが重要となります。
診断には、皮疹や粘膜疹の特徴から、薬疹の臨床病型分類を行い、それをもとに、病型と原因薬剤との関連性を疫学的に検討した教科書ないし資料を参照し原因薬剤を推定するといった方法があります。
薬疹の治療としては、以下のようなものがあります。
スウェーデン中部に住む19歳のEva Uhlinさんは、2005年の9月に100万人に1人の確率で起こる非常に稀なアレルギー反応を起こし、体中に水ぶくれが出来て長期入院を余儀なくされた。アレルギー反応を起こしたのは、一般的に若い人々に処方されている鎮痛剤だった。
鎮痛剤を飲んだ翌朝、目覚めたEvaさんが鏡を見ると、そこには顔中に水ぶくれが出来て「まるでホラー映画のよう」な変わり果てたEvaさんの姿があった。そしてそれはかなりの痛みを伴っており、Evaさんは病院へと向かった。
Evaさんが発症したのはToxic Epidermal Necrolysis(中毒性表皮壊死症)と呼ばれるもので、100万人に1人の確率で発症し死亡率は30-40%になるという。その原因は主に医薬品へのアレルギー反応で、高熱や痛み、全身の疱疹に悩まされるという。
Evaさんの様態が回復するのに時間はかかったが、徐々に良くなり「何ヶ月もかかりましたが、私のモンスターのようになった顔は少しずつ良くなっていきました。」とEvaさんは言う。
「以前より強くなれました。」「以前よりも自分の事を信じることが出来るようになりました。」「外見の重要性を知りました」等、この経験をした事で内面もだいぶ変わった事をEvaさんは語る。また、治療中は家族や友達の支えのおかげで頑張れたそうだ。
今ではすっかり普通の肌に戻ったEvaさんは、ウェイトレスとして働いており、今後アメリカにオーペアとして働きに出る計画があるのだという。
(【EU発!Breaking News】100万人に1人!稀なアレルギー反応を起こした少女(スウェーデン))
中毒性表皮壊死剥離症(TEN)とは
中毒性表皮壊死剥離症(toxic epidermal necrolysis;TEN)は、全身倦怠感、発熱、関節痛などの前駆症状に続き、紅斑を生じ、それが急速に全身に拡大するとともに、熱傷に似たびらんを呈する最も重症の薬疹(内服、注射、吸入などのさまざまな経路により体内に入った薬剤、あるいはその代謝産物により引き起こされる皮膚・粘膜の病変)のことを指します。
口腔、眼粘膜、外陰部などの粘膜ばかりでなく、上気道、消化管粘膜にも病変を認め、急激な経過とともに、しばしば死に至ってしまいます(死亡率25%程度)。死因は、敗血症や消化管出血などです。
表皮細胞全体が著明な壊死に陥るため、皮膚は擦るだけで容易に剥離してしまいます(これを、ニコルスキー現象と言います)。
重症の薬疹について
重症の薬疹としては、Stevens-Johnson症候群(SJS)や中毒性表皮壊死症(TEN:toxic epidermal necrolysis)がよく知られていますが、最近は薬剤誘発性過敏症症候群(DIHS:drug-induced hypersensitivity syndrome)、急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP:acute generalized exanthematous pustulosis)も注目されています。
薬疹は、検査のために投与された薬剤でも発症するし、また、市販薬や漢方薬でも薬疹が生じる可能性があります。多くの場合、免疫学的機序により発症しますが、遺伝学的素因、薬剤摂取量、摂取期間、ウイルス感染、運動、日光曝露、薬剤間の相互作用などが関与します。
薬疹の臨床症状は多彩で、あらゆる種類の発疹が出現するといっても過言ではないでしょう。薬疹の診断では、まず、細菌、ウイルスなどの感染症を否定し薬疹であることを確認し、最終的に、原因薬剤を同定することが重要となります。
診断には、皮疹や粘膜疹の特徴から、薬疹の臨床病型分類を行い、それをもとに、病型と原因薬剤との関連性を疫学的に検討した教科書ないし資料を参照し原因薬剤を推定するといった方法があります。
薬疹の治療について
薬疹の治療としては、以下のようなものがあります。
当然のことながら、薬剤の中止が必要であり、そのことが診断にも役立ちます。
具体的な治療としては、表皮壊死の程度により、熱傷の輸液に準じて補液と全身の軟膏処置を行います。ソル・メドロールを1回1,000mg点滴静注、3日連続で行っていきます。
また、適宜、胃粘膜保護、眼科による診察を必要とします。最近、免疫グロブリンの大量療法の有効性が報告されています。
非常に大変な疾患を発症してしまったようですね。現在では回復なさっているようであり、なによりです。薬疹は突然、起こりえます。疑ったらまず薬剤の使用を止め、受診していただきたいと思われます。
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具体的な治療としては、表皮壊死の程度により、熱傷の輸液に準じて補液と全身の軟膏処置を行います。ソル・メドロールを1回1,000mg点滴静注、3日連続で行っていきます。
また、適宜、胃粘膜保護、眼科による診察を必要とします。最近、免疫グロブリンの大量療法の有効性が報告されています。
非常に大変な疾患を発症してしまったようですね。現在では回復なさっているようであり、なによりです。薬疹は突然、起こりえます。疑ったらまず薬剤の使用を止め、受診していただきたいと思われます。
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