以下は、ザ!世界仰天ニュースで取り上げられていた内容です。
南米エクアドル。ここに人類の未来を変えるかもしれない特殊な遺伝子を持つ人々がいるという。仰天ニュースはエクアドルの首都キトから500km離れたピーニャスという小さな町へと向かった。
そこで出会ったのは身長が110?程しかない低身長症の人たち。彼らがその特殊な遺伝子を持っている人たちだった。
今から25年前。当時エクアドルの首都キトにいたゲバラ医師の調査によって33名の低身長症の人々がこのピーニャスという街で確認された。彼はその低身長症の人々を集め、検査。彼らがラロン型低身長症であることをつきとめる。
ラロン型低身長症では、脳下垂体から成長ホルモンは正常に分泌されているのだが、肝臓の機能が壊れているため、その成長ホルモンを骨や筋肉を成長させる物質に変換することができないという世界でも珍しい病気だった。これは5番染色体に変異が生じたために起こる症状。
ゲバラ医師はさらに調査を進める中であることに気が付いた。ラロン型低身長症の患者は太った人が多いのに血糖値が高い人がいないということ。さらに調査を進めると、ガンで亡くなった人がひとりもいないということを発見した。
そしてゲバラ医師はある仮説をたてた。ラロン型低身長症の人は身長を伸ばす機能が壊れている。つまりそれは細胞を成長させる機能が壊れているということで、さらにはそれはガン細胞を成長させないということにつながるのでは…。現在も調査を続けているゲバラ医師。ラロン型低身長症の人の遺伝子が人類の歴史を変える日がくるかもしれない。
ラロン症候群とは、成長ホルモン分泌不全性低身長症と臨床上類似し、血中インスリン様成長因子I・II(IGF-I、-II)は低値ですが、血中成長ホルモン(GH)は高値であり、GH治療により身長の増加が認められず、血中IGF-Iも増加しない低身長症をいいます。
ラロン(Zvi Laron)により初めて報告されました(1966年に)。多くは常染色体劣性遺伝形式をとり、東洋系ユダヤ人に多くみられると報告されていましたが、最近では、上記のようにエクアドルでの集団の報告もあり、世界各国からも報告されています。ちなみに、日本での報告は少ないです。
ラロン症候群は疾患単位として記載された当初より、その生化学的所見よりGH抵抗性の病態であると考えられていました。ですが、その後の検索により、GH受容体の異常であることが明らかにされ、遺伝子検索の結果、GH受容体遺伝子の種々の変異が報告されています。
しかし、全ての症例で、このGH受容体遺伝子の異常が指摘されているわけではなく、本症の病因は現在のところ、GH受容体の構造異常あるいは受容体以降の情報伝達の異常により、IGF-Iの合成障害を来すためと考えられています。IGF-I治療が有効であるといわれています。
IGF-Iとは、以下のようなものがあります。
南米エクアドル。ここに人類の未来を変えるかもしれない特殊な遺伝子を持つ人々がいるという。仰天ニュースはエクアドルの首都キトから500km離れたピーニャスという小さな町へと向かった。
そこで出会ったのは身長が110?程しかない低身長症の人たち。彼らがその特殊な遺伝子を持っている人たちだった。
今から25年前。当時エクアドルの首都キトにいたゲバラ医師の調査によって33名の低身長症の人々がこのピーニャスという街で確認された。彼はその低身長症の人々を集め、検査。彼らがラロン型低身長症であることをつきとめる。
ラロン型低身長症では、脳下垂体から成長ホルモンは正常に分泌されているのだが、肝臓の機能が壊れているため、その成長ホルモンを骨や筋肉を成長させる物質に変換することができないという世界でも珍しい病気だった。これは5番染色体に変異が生じたために起こる症状。
ゲバラ医師はさらに調査を進める中であることに気が付いた。ラロン型低身長症の患者は太った人が多いのに血糖値が高い人がいないということ。さらに調査を進めると、ガンで亡くなった人がひとりもいないということを発見した。
そしてゲバラ医師はある仮説をたてた。ラロン型低身長症の人は身長を伸ばす機能が壊れている。つまりそれは細胞を成長させる機能が壊れているということで、さらにはそれはガン細胞を成長させないということにつながるのでは…。現在も調査を続けているゲバラ医師。ラロン型低身長症の人の遺伝子が人類の歴史を変える日がくるかもしれない。
ラロン症候群とは
ラロン症候群とは、成長ホルモン分泌不全性低身長症と臨床上類似し、血中インスリン様成長因子I・II(IGF-I、-II)は低値ですが、血中成長ホルモン(GH)は高値であり、GH治療により身長の増加が認められず、血中IGF-Iも増加しない低身長症をいいます。
ラロン(Zvi Laron)により初めて報告されました(1966年に)。多くは常染色体劣性遺伝形式をとり、東洋系ユダヤ人に多くみられると報告されていましたが、最近では、上記のようにエクアドルでの集団の報告もあり、世界各国からも報告されています。ちなみに、日本での報告は少ないです。
ラロン症候群は疾患単位として記載された当初より、その生化学的所見よりGH抵抗性の病態であると考えられていました。ですが、その後の検索により、GH受容体の異常であることが明らかにされ、遺伝子検索の結果、GH受容体遺伝子の種々の変異が報告されています。
しかし、全ての症例で、このGH受容体遺伝子の異常が指摘されているわけではなく、本症の病因は現在のところ、GH受容体の構造異常あるいは受容体以降の情報伝達の異常により、IGF-Iの合成障害を来すためと考えられています。IGF-I治療が有効であるといわれています。
IGF-Iとは
IGF-Iとは、以下のようなものがあります。
インスリン様成長因子(insulin-like growth factor;IGF)は、インスリンの生理作用が代謝の調節であるのに対し、IGFは主に細胞増殖を促進します。
IGF-I(ソマトメジンC)は、成長ホルモン(GH)の作用で主に肝臓で産生され、成長時に骨形成の一因子として働いています。IGF-IIはGHに支配されておらず、胎児の成長に働くと考えられています。
特に、血清中に存在するIGF-Iの大部分は肝臓で成長ホルモン(GH)応答性に産生されたものでGH作用の媒体として骨などの成長を促進します。肝臓以外にも、IGF-?はさまざまな臓器、組織で発現し、組織分化、増殖および腫瘍の発生などに関与します。
ちなみに、血中IGF-?の測定はGH分泌能を評価する指標として有用とされています。GH分泌過剰症(末端肥大症、下垂体性巨人症)ではIGF-?は異常高値を、GH分泌不全症やGH異常症による低身長症では異常低値となります。
治療としては、リコンビナントIGF-Iが作製され、成長ホルモン抵抗性低身長症やインスリン受容体異常症に伴う糖尿病に対し臨床的に用いられています。
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IGF-I(ソマトメジンC)は、成長ホルモン(GH)の作用で主に肝臓で産生され、成長時に骨形成の一因子として働いています。IGF-IIはGHに支配されておらず、胎児の成長に働くと考えられています。
特に、血清中に存在するIGF-Iの大部分は肝臓で成長ホルモン(GH)応答性に産生されたものでGH作用の媒体として骨などの成長を促進します。肝臓以外にも、IGF-?はさまざまな臓器、組織で発現し、組織分化、増殖および腫瘍の発生などに関与します。
ちなみに、血中IGF-?の測定はGH分泌能を評価する指標として有用とされています。GH分泌過剰症(末端肥大症、下垂体性巨人症)ではIGF-?は異常高値を、GH分泌不全症やGH異常症による低身長症では異常低値となります。
治療としては、リコンビナントIGF-Iが作製され、成長ホルモン抵抗性低身長症やインスリン受容体異常症に伴う糖尿病に対し臨床的に用いられています。
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