元モーニング娘。の保田圭が扁桃炎を患っていたことを明かし、朝日新聞紙上で3月2日から告白手記を連載している。保田は"圭ちゃん"、"ケメ子"の愛称で知られ、彼女が卒業した2003年5月のさいたまスーパーアリーナでのコンサートは、モー娘。歴代最大動員となる2万8,000人を集めたほど、ファンに親しまれていた。だが、彼女のモー娘。としての5年間は、デビュー当初から病との熾烈な戦いだったという。保田は手記で次のように明かす。

「『サマーナイトタウン』の販売促進イベントに向かっていた。のどが腫れ、40度近い熱があった。仕事を休むように勧める医師に『どうしても行かなきゃいけないんです』と訴え、抗生物質と熱を下げる座薬を処方してもらっていた。車両のトイレで座薬を入れ、汗にぬれた服を着替えた。露出の多い衣装での野外イベントはまだ肌寒く、高熱の体にこたえた。スタッフやメンバーには隠し通した。『体調の管理もできない人間』。そう思われたくなかった」

98年、保田の加入後初となるシングル「サマーナイトタウン」の発売時から保田は扁桃腺に異変を感じ、病魔に蝕まれてきた。ルックスではほかのメンバーに敵わない分、パワフルなダンスと巧みなボーカルワークでファンを魅了してきた保田。プロ意識で周囲に悟られまいとするが、ついにダウン。医師からは「なぜこんなになるまで放っておいたのか。もう少し腫れがひどかったら、切開しないといけなかった」と叱られたという。さらに保田は次のように続ける。

「のどに異変を感じるとすぐに抗生物質を飲み、なるべく早く受診した。数日後には高熱が出ることかわかっていたからだ。抗生物質がかばんに入っていないと、不安でしょうがなかった。ひどい時は月に2、3回も炎症を起こし、気づけば1カ月間ほぼ毎日、抗生物質を飲み続けたこともあった。『だんだん腫れがひきにくくなっているな』。そう感じた」

その後、保田は扁桃を摘出し、手術は無事に成功したという。当時からのファンだという雑誌編集者は「そんなそぶりは、まったく見せていなかった」と話すが、保田のプロ意識の高さが伺われるエピソードだ。

現在は、舞台を中心に女優として活動を続けている保田。今年、三十路に突入するが、今後、彼女がどのような生き方を見せてくれるのか楽しみだ。
(人気絶頂期のモー娘。に隠された「座薬の日々」 保田圭が難病との戦いを衝撃告白)

扁桃炎とは


扁桃は、そもそもアーモンドの種子の形に似ているため、アーモンドの別称である「扁桃」と命名されました。口蓋弓の中間にある陥没に位置する口蓋扁桃と舌根にある舌扁桃、咽頭円蓋にある咽頭扁桃はまとめてワルダイエルの咽頭輪と呼ばれます。

慢性扁桃炎は、急性炎症の反復を原因とする慢性化した口蓋扁桃の炎症を指します。喫煙、塵埃といった持続する物理・化学的刺激、慢性副鼻腔炎なども誘因となります。

ふだんの症状はないかあっても軽度で、咽頭不快感、異常感、微熱などがみられ、急性炎症を反復します。所見としては、扁桃の表面は肥厚し凹凸が著しく、前口蓋弓から軟口蓋にかけて発赤がみられます。腺窩内に膿栓をしばしば認め、圧迫すると膿汁が流出します。

急性炎症を起こすと、悪寒戦慄を伴う高熱を発し、咽頭痛、嚥下痛を伴うことがあります。食事摂取が困難となり、全身倦怠感、頭痛、関節痛、頸部痛も伴います。耳への放散痛もみられることはあります。

急性扁桃炎は、その所見から扁桃表層の比較的軽度の炎症である「カタル性扁桃炎」、扁桃陰窩に一致して炎症の著しい「陰窩性扁桃炎」、炎症が扁桃実質に及んでいる「実質性扁桃炎」の3つに分類されます。

急性扁桃炎であっても、合併症を起こさなければ約1週間で軽快します。ただ、原因としてはウイルス性(ライノウイルス、コロナウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルス、パラインフルエンザウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルスなどがあげられる)の扁桃炎が最も多いです。

急性扁桃炎の症状がいったん軽快した後、新たに高熱を発し、高度の嚥下痛を訴え、全身状態が悪化するときは扁桃周囲膿瘍を考えます。20〜30歳代に多く発生し、咽頭痛、嚥下痛、耳への放散痛、発熱、流涎、含み声が特徴的症状で、開口困難の頻度も高い。進行すると呼吸困難が生じえます。

扁桃炎の治療


扁桃炎の治療としては、以下のようなものがあります。
合併症を起こさなければ約1週間で軽快します。安静を保つことが第一です。最も多いウイルス性の扁桃炎には特効薬はなく、補液、栄養管理、消炎鎮痛といった対症療法がとられますが、細菌感染の併発が多いので抗生物質投与は必要です。

ウィルス性の扁桃炎には特効薬はなく、補液、栄養管理、消炎鎮痛といった対症療法がとられますが、細菌感染の併発が多いので抗生物質投与は必要となります。この場合の投与日数は5〜7日間程度です。EBウイルス感染が疑われるときには、ペニシリン系は皮疹を誘発するので避けます。

また、現在の扁桃炎の反復に対しての扁桃摘出術の適応は論議のあるところですが、幼児期の扁桃炎による熱性痙攣誘発については絶対的適応とし、習慣性扁桃炎(年に4〜5回以上程度)、扁桃周囲膿瘍反復は相対的適応とみなされています。
 
習慣性扁桃炎の扁桃炎罹患回数からの定義はなされていませんが、おおよそと了解されています。扁桃摘出をするとその後の発熱、咽頭痛の発作は激減してきます。しかし、長期経過をみると、小児では扁桃摘出にかかわらず、2年すると発熱・咽頭痛発作の罹患頻度は同じになります。

ただし、9歳以降になっても反復する例、特に成人例では自然軽快はまずありません。そのため、手術により治療することが望まれます。

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