9日、緊急入院したことが報道された元タレントの田代まさし氏(53)が、ブログで現在の容態を語っている。

田代氏は「一週間ほど前に胆石で腹痛を起こして救急車で病院に搬送されました。現在病院で点滴等の治療を受けています」と説明。「しかし死んでしまう様な病気ではなく、経過も良くたまに外出許可をもらって仕事もしています(笑)」と行動は可能なようだ。

デイリースポーツによると、10日に外出許可を得てラジオ番組に出演した田代氏は、近日中に手術を受けるという。
(田代まさし氏、胆石が悪化し緊急入院との報道)

急性胆嚢炎とは


胆嚢炎には、急性胆嚢炎と慢性胆嚢炎があります。急性胆嚢炎は大部分慢性胆嚢炎の経過中に起こり、胆嚢管が結石、浮腫、寄生虫などで閉塞し、これに細菌感染や他の因子が加わって生じます。

胆石を合併している場合、胆石による胆嚢管の閉塞により、胆嚢への血流障害が生じ、組織壊死を生じるとともに、胆汁酸などの化学物質が炎症を誘発し、さらに細菌感染が加わって急性胆嚢炎を引き起こします。

一方、胆石を伴わない場合は、腹部手術後や糖尿病などの消耗性疾患患者において、長期絶食、経静脈栄養が誘因となり、胆嚢収縮能の低下による胆汁うっ滞が生じ,細菌感染を起こされます。

急性胆嚢炎は9割以上が胆石を合併します。症状は上腹部痛と発熱、血液検査では白血球、CRPの上昇に加え肝胆道系酵素の軽度上昇をみることが多いです。腹部超音波検査・CTにより、胆嚢腫大(最大径8 cm以上)、胆嚢の圧痛(超音波的Murphy徴候)、壁肥厚、壁内低エコー帯などを認めれば、診断は確定します。

一方、急性胆嚢炎の約5〜10%を占める無石胆嚢炎は、重症患者、術後、中心静脈栄養患者などに発生します。

急性胆嚢炎の治療


急性胆嚢炎の治療としては、以下のようなものがあります
軽症例であれば、鎮痛薬、抗菌薬の保存的治療を行うか早期腹鏡下胆嚢摘出術(発症より4日以内かつ腹腔鏡手術に熟練した術者がいる場合)を行います。

中等症の状態、すなわち1)高度の炎症反応(白血球数>18,000/mm3、CRP>10mg/dL)、2)胆嚢周囲液体貯留、胆嚢壁の高度炎症性変化(壁不整や高度肥厚)を伴う例。入院絶食、鎮痛薬、抗菌薬を開始し、経皮経肝胆嚢ドレナージ(PTGBD:percutaneous transgallbladder drainage)や経皮経肝胆嚢吸引(PTGBA:percutaneous transgallbladder aspiration)などの適応を検討します。通常、炎症所見消失後に胆嚢摘出術を行います。

重症例の場合、すなわち1)黄疸例、全身状態不良例、2)重篤な局所合併症(胆汁性腹膜炎、胆嚢周囲膿瘍など)例、3)胆嚢捻転症、気腫性胆嚢炎、壊疽性胆嚢炎、化膿性胆嚢炎例などでは手術などの加療が必要になります。

1)では鎮痛薬、抗菌薬治療とともに速やかに胆嚢ドレナージを行い、炎症所見の消失後に胆嚢摘出術を行います。2)、3)では全身管理のもとに緊急胆嚢摘出術を施行します。

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