タレント・西川かの子(35)が耳の軟骨や組織が溶かされ聴力障害を引き起こす病気「真珠腫性中耳炎」を克服していたことを9日、明らかにした。
10年以上前から異変を感じ、3年前から本格的に治療を開始。両方の耳に3年にわたって計3回の手術を受けた。「子どもが私を呼ぶ声も聞こえなくて本当につらい時期もありましたが、家族に支えられてここまで来られました」と父親の西川きよし(63)とともに晴れやかな笑顔を見せた。
病気と向き合うことを決意させたのは長女・千咲芸(ちさき)ちゃん(2)の存在だった。「子どもが私を呼んでいるのに、声が聞こえない。もし何かあった時に親としてこれではダメだと思い、絶対に治そうと思ったんです」と3年前に闘病生活に入った。
昔から耳は弱かったが、3年前に専門医の診察を受けて初めて病名が分かったという。
「一番ひどい時は右耳はほとんど聞こえず、テレビを見てても、家族はなぜ笑っているのか分からなかった」と病状は深刻だった。それでも仕事を続けながら左耳、右耳と手術を受け、今年3月初旬に右耳の手術を終えて平癒に至った。
しかし、手術のたびに約2週間の入院が必要となり「離れ離れになる子どものことが気になりましたが、支えてくれる父や母がいたから何とか乗り切れました」と家族の愛に感謝した。
タレントのコロッケ(49)も同じ病気で右耳の聴力を失い、脳に影響が及ぶと命の危険にもさらされる恐ろしい病気。かの子は「今は悪い時からは考えられないくらい、しっかりと聞こえてます」と回復を実感している様子。
きよしも「右が特に悪かったので話しかける時は左に回って話しかけるようにしてました。見てるこちらも本当につらかった」と振り返った。
10日から親子共演するABCラジオ「きよし・八方のポン♪カラ♪リン」(土曜、後7・00)もスタート。
かの子は「ひどい時はヘッドホンの音も聞こえないのでラジオ番組なんて絶対にできない状態でした。治ってラジオのお仕事もいただけて、本当にありがたいことです」と喜びをかみしめていた。
(西川かの子が難病克服…3年間で手術3度)
真珠腫性中耳炎(中耳真珠腫)とは、何らかの原因で扁平上皮細胞が中耳腔に侵入して増殖したもので、袋状の内腔には上皮落屑物が堆積し真珠のように見えることから、「真珠腫性中耳炎」の名称があります。
落屑物は感染しやすく、しばしば悪臭のある膿性耳漏をきたします。本症の多くは長期にわたる耳管機能不全や中耳炎が原因とされます。
真珠腫は周囲の骨組織を破壊しながら次第に大きくなり、伝音難聴や顔面神経麻痺、迷路瘻孔、内耳炎、頭蓋内合併症などの合併症を来すので、特に感染を伴う場合は早期の手術治療を要します。
鼓膜所見からは、上鼓室(弛緩部)型、鼓膜後上部(緊張部)型、癒着型に分類されます。
上鼓室型は耳管機能不全のため中耳腔が陰圧化し、鼓膜弛緩部がポケット状に内陥して形成されるもので、最も発症頻度が高いです。
鼓膜後上部型はキヌタ骨付近の鼓膜が内陥して生ずるもので、キヌタ骨やアブミ骨が早期より破壊されるため難聴は高度なことが多いです。
症状としては、耳漏、難聴が最も多い訴えです。ですが、弛緩部型真珠腫では真珠腫が耳小骨をある程度破壊しても耳小骨連鎖が保たれている間は難聴が軽度です。
一方、緊張部型真珠腫の場合には、最初に鼓膜が耳小骨に癒着しキヌタ・アブミ関節を破壊するために、早期に難聴を呈することが多いです。このほか、耳鳴、耳閉感などがみられます。さらに進展して合併症が起こると、めまい、顔面神経麻痺などを呈します。
真珠腫性中耳炎の治療としては、以下のようなものがあります。
10年以上前から異変を感じ、3年前から本格的に治療を開始。両方の耳に3年にわたって計3回の手術を受けた。「子どもが私を呼ぶ声も聞こえなくて本当につらい時期もありましたが、家族に支えられてここまで来られました」と父親の西川きよし(63)とともに晴れやかな笑顔を見せた。
病気と向き合うことを決意させたのは長女・千咲芸(ちさき)ちゃん(2)の存在だった。「子どもが私を呼んでいるのに、声が聞こえない。もし何かあった時に親としてこれではダメだと思い、絶対に治そうと思ったんです」と3年前に闘病生活に入った。
昔から耳は弱かったが、3年前に専門医の診察を受けて初めて病名が分かったという。
「一番ひどい時は右耳はほとんど聞こえず、テレビを見てても、家族はなぜ笑っているのか分からなかった」と病状は深刻だった。それでも仕事を続けながら左耳、右耳と手術を受け、今年3月初旬に右耳の手術を終えて平癒に至った。
しかし、手術のたびに約2週間の入院が必要となり「離れ離れになる子どものことが気になりましたが、支えてくれる父や母がいたから何とか乗り切れました」と家族の愛に感謝した。
タレントのコロッケ(49)も同じ病気で右耳の聴力を失い、脳に影響が及ぶと命の危険にもさらされる恐ろしい病気。かの子は「今は悪い時からは考えられないくらい、しっかりと聞こえてます」と回復を実感している様子。
きよしも「右が特に悪かったので話しかける時は左に回って話しかけるようにしてました。見てるこちらも本当につらかった」と振り返った。
10日から親子共演するABCラジオ「きよし・八方のポン♪カラ♪リン」(土曜、後7・00)もスタート。
かの子は「ひどい時はヘッドホンの音も聞こえないのでラジオ番組なんて絶対にできない状態でした。治ってラジオのお仕事もいただけて、本当にありがたいことです」と喜びをかみしめていた。
(西川かの子が難病克服…3年間で手術3度)
真珠腫性中耳炎とは
真珠腫性中耳炎(中耳真珠腫)とは、何らかの原因で扁平上皮細胞が中耳腔に侵入して増殖したもので、袋状の内腔には上皮落屑物が堆積し真珠のように見えることから、「真珠腫性中耳炎」の名称があります。
落屑物は感染しやすく、しばしば悪臭のある膿性耳漏をきたします。本症の多くは長期にわたる耳管機能不全や中耳炎が原因とされます。
真珠腫は周囲の骨組織を破壊しながら次第に大きくなり、伝音難聴や顔面神経麻痺、迷路瘻孔、内耳炎、頭蓋内合併症などの合併症を来すので、特に感染を伴う場合は早期の手術治療を要します。
鼓膜所見からは、上鼓室(弛緩部)型、鼓膜後上部(緊張部)型、癒着型に分類されます。
上鼓室型は耳管機能不全のため中耳腔が陰圧化し、鼓膜弛緩部がポケット状に内陥して形成されるもので、最も発症頻度が高いです。
鼓膜後上部型はキヌタ骨付近の鼓膜が内陥して生ずるもので、キヌタ骨やアブミ骨が早期より破壊されるため難聴は高度なことが多いです。
症状としては、耳漏、難聴が最も多い訴えです。ですが、弛緩部型真珠腫では真珠腫が耳小骨をある程度破壊しても耳小骨連鎖が保たれている間は難聴が軽度です。
一方、緊張部型真珠腫の場合には、最初に鼓膜が耳小骨に癒着しキヌタ・アブミ関節を破壊するために、早期に難聴を呈することが多いです。このほか、耳鳴、耳閉感などがみられます。さらに進展して合併症が起こると、めまい、顔面神経麻痺などを呈します。
真珠腫性中耳炎の治療
真珠腫性中耳炎の治療としては、以下のようなものがあります。
溜まった膿などの吸引・除去を丹念に行うことで進行を防止できることがあります。また、進展した真珠腫でも吸引・清掃などの局所治療と抗菌薬の全身投与で炎症を治め、進展を防止し手術を避けることができる場合もあり、高齢者や全身疾患のために手術を行いがたい症例にはこうした治療が行われます。
術前にめまいと高度難聴を呈する場合には迷路瘻孔から内耳炎を併発している可能性を考えて、抗菌薬投与を行います。早期の対応によって骨導聴力が回復することがあります。
真珠腫は、中耳腔あるいは乳突蜂巣に侵入した表皮嚢胞であるから、摘出には側頭骨の骨削除が必要となります。したがって、真珠腫に対する根本的治療は手術療法といえます。症例の特徴を考慮した術式の選択を行います。
骨破壊の高度な症例、ダウン症候群に合併した真珠腫、耳管機能障害を伴う症例、蜂巣発育の小さい症例などではOpen法(Canal Wall Down法)とし、筋骨膜弁による部分充填を行います。また、外耳道入口部を軟骨切除によって拡大形成する。この術式は再発が少なく安定しています。
手術を複数回受けられたとのことで、非常に大変な思いをされていたと考えられます。聴力はどれほど快復しているのか分かりませんが、是非とも今後のお仕事を頑張っていただければ、と思われます。
【関連記事】
真珠腫性中耳炎について Part01
真珠腫性中耳炎について Part02
真珠腫性中耳炎について Part03(鼓室形成術について)
術前にめまいと高度難聴を呈する場合には迷路瘻孔から内耳炎を併発している可能性を考えて、抗菌薬投与を行います。早期の対応によって骨導聴力が回復することがあります。
真珠腫は、中耳腔あるいは乳突蜂巣に侵入した表皮嚢胞であるから、摘出には側頭骨の骨削除が必要となります。したがって、真珠腫に対する根本的治療は手術療法といえます。症例の特徴を考慮した術式の選択を行います。
骨破壊の高度な症例、ダウン症候群に合併した真珠腫、耳管機能障害を伴う症例、蜂巣発育の小さい症例などではOpen法(Canal Wall Down法)とし、筋骨膜弁による部分充填を行います。また、外耳道入口部を軟骨切除によって拡大形成する。この術式は再発が少なく安定しています。
手術を複数回受けられたとのことで、非常に大変な思いをされていたと考えられます。聴力はどれほど快復しているのか分かりませんが、是非とも今後のお仕事を頑張っていただければ、と思われます。
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真珠腫性中耳炎について Part01
真珠腫性中耳炎について Part02
真珠腫性中耳炎について Part03(鼓室形成術について)