DEEPの楽曲「SORA〜この声が届くまで〜」が、7月にTBS系で放送されるドラマ「ヒューマンドラマ特別企画・愛と感動のドキュメント『いぬのおまわりさん』〜ママは産むよ!がんとの壮絶な戦い。夫婦の245日 涙と笑顔の記録〜」の主題歌に決定した。
このドラマの原作は、第2子の妊娠中にがんに侵され出産後にこの世を去った、実在の女性の闘病記を綴った「いぬのおまわりさん―24歳で逝ったまゆちゃんのブログより」。水川あさみと永井大が出演し、新たな命を守るため全力で闘おうとする若い主婦の姿が描かれる。
(DEEP、がん闘病妊婦のテレビドラマに名曲再録Ver.提供)
悪性リンパ腫は、リンパ節や全身のリンパ組織(胸腺、脾臓、扁桃腺、リンパ管など)に存在する、リンパ球系細胞の悪性腫瘍です(腫瘍の起源や、腫瘍化の過程も単一ではありません)。
上記の例では、二人目の子の検診のエコー検査で、子宮外側に腫瘤が見つかり、「悪性リンパ腫」と診断されたそうです。
若年者にもみられますが、30歳以上では年齢とともに増加します。男女比は2:1で男性に多いです。日本の悪性リンパ腫の発生率は10万人当たり約5人であり、欧米の約12人に比べて低いです(この理由としては、節性リンパ腫であるHodgkin病と濾胞性リンパ腫の発生率が低いためです。節外性リンパ腫の占める割合が相対的に高くなっています)。
病理組織学的所見から、Hodgkin(ホジキン)病と非Hodgkinリンパ腫(NHL)とに大別されます。
ホジキン病は、リード-ステルンベルグ(Reed-Sternberg)細胞の出現する特徴のあるリンパ腫です(ただ、その起源はまだ分かってません)。背景の多彩な細胞を病理組織学的特徴とするリンパ系腫瘍で、悪性リンパ腫全体の5〜10%を占めます。
好発年齢は若年者と中・高年者の2相性です。WHO分類では、結節性リンパ球優勢型と古典型に大別され、後者はさらに結節硬化型、混合細胞型、リンパ球豊富型、リンパ球減少型に分類されます。結節硬化型の頻度が最も高いです。ホジキンリンパ腫は頸部に発生することが多く、連続性に進展し、しばしば縦隔に巨大腫瘍をきたします。
非ホジキンリンパ腫の大多数は、Bリンパ球あるいはTリンパ球の腫瘍であることが判明しています。そこで、非ホジキンリンパ腫は、形態学的特徴(病理学的分類)、細胞系質的特徴(B細胞性、T細胞性、NK細胞性)、染色体・遺伝子情報などをもとに分類されます。また、発症してからの病気の進行速度によっても分けることができます(年単位で進行する低悪性度、月単位で進行する中悪性度、週単位で進行する高悪性度など)。
一般的に低悪性度のものには、濾胞性リンパ腫、MALTリンパ腫などが該当し、中悪性度のものにはびまん性大細胞性B細胞性リンパ腫や未分化大細胞リンパ腫など、高悪性度のものにはリンパ芽球性リンパ腫、バーキットリンパ腫などが該当します。
このように、「悪性リンパ腫」という病名は、さまざまなリンパ系組織の悪性腫瘍を大きくまとめて呼んでいます。それぞれ性質が異なるため、最適な治療を選択する上では、「悪性リンパ腫の中のどのようなタイプなのか」ということが非常に重要になってきます。
悪性リンパ腫の治療としては、以下のようなものがあります。
このドラマの原作は、第2子の妊娠中にがんに侵され出産後にこの世を去った、実在の女性の闘病記を綴った「いぬのおまわりさん―24歳で逝ったまゆちゃんのブログより」。水川あさみと永井大が出演し、新たな命を守るため全力で闘おうとする若い主婦の姿が描かれる。
(DEEP、がん闘病妊婦のテレビドラマに名曲再録Ver.提供)
悪性リンパ腫とは
悪性リンパ腫は、リンパ節や全身のリンパ組織(胸腺、脾臓、扁桃腺、リンパ管など)に存在する、リンパ球系細胞の悪性腫瘍です(腫瘍の起源や、腫瘍化の過程も単一ではありません)。
上記の例では、二人目の子の検診のエコー検査で、子宮外側に腫瘤が見つかり、「悪性リンパ腫」と診断されたそうです。
若年者にもみられますが、30歳以上では年齢とともに増加します。男女比は2:1で男性に多いです。日本の悪性リンパ腫の発生率は10万人当たり約5人であり、欧米の約12人に比べて低いです(この理由としては、節性リンパ腫であるHodgkin病と濾胞性リンパ腫の発生率が低いためです。節外性リンパ腫の占める割合が相対的に高くなっています)。
病理組織学的所見から、Hodgkin(ホジキン)病と非Hodgkinリンパ腫(NHL)とに大別されます。
ホジキン病は、リード-ステルンベルグ(Reed-Sternberg)細胞の出現する特徴のあるリンパ腫です(ただ、その起源はまだ分かってません)。背景の多彩な細胞を病理組織学的特徴とするリンパ系腫瘍で、悪性リンパ腫全体の5〜10%を占めます。
好発年齢は若年者と中・高年者の2相性です。WHO分類では、結節性リンパ球優勢型と古典型に大別され、後者はさらに結節硬化型、混合細胞型、リンパ球豊富型、リンパ球減少型に分類されます。結節硬化型の頻度が最も高いです。ホジキンリンパ腫は頸部に発生することが多く、連続性に進展し、しばしば縦隔に巨大腫瘍をきたします。
非ホジキンリンパ腫の大多数は、Bリンパ球あるいはTリンパ球の腫瘍であることが判明しています。そこで、非ホジキンリンパ腫は、形態学的特徴(病理学的分類)、細胞系質的特徴(B細胞性、T細胞性、NK細胞性)、染色体・遺伝子情報などをもとに分類されます。また、発症してからの病気の進行速度によっても分けることができます(年単位で進行する低悪性度、月単位で進行する中悪性度、週単位で進行する高悪性度など)。
一般的に低悪性度のものには、濾胞性リンパ腫、MALTリンパ腫などが該当し、中悪性度のものにはびまん性大細胞性B細胞性リンパ腫や未分化大細胞リンパ腫など、高悪性度のものにはリンパ芽球性リンパ腫、バーキットリンパ腫などが該当します。
このように、「悪性リンパ腫」という病名は、さまざまなリンパ系組織の悪性腫瘍を大きくまとめて呼んでいます。それぞれ性質が異なるため、最適な治療を選択する上では、「悪性リンパ腫の中のどのようなタイプなのか」ということが非常に重要になってきます。
悪性リンパ腫の治療
悪性リンパ腫の治療としては、以下のようなものがあります。
悪性リンパ腫の治療としては、以下のようなものがあります。
治療は、上記のステージにより、治療方針が決定されます。標準的な治療法の選択肢としては、
ホジキン病の化学療法は4剤併用のABVD(アドリアマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)療法が用いられます。
非ホジキンリンパ腫では、低悪性度B細胞リンパ腫の場合、限局期であればは30〜40グレイの局所放射線療法を選択します。胃のMALTリンパ腫であれば、Helicobacter pylori除菌療法が第1選択となります。ですが、染色体転座t(11;18)(q22;q22)をもつ例は除菌療法抵抗性であるため、生検時に確認する必要があります。眼付属器のMALTリンパ腫では、放射線療法を選択するか、無治療で経過観察し増悪傾向がみられたら治療します。
進行期の場合、CHOP(シクロホスファミド,アドリアマイシン,ビンクリスチン,プレドニゾロン)療法が標準となっています。
また、最近ではCD20陽性の成熟B細胞の性格を示す悪性リンパ腫には、生物学的製剤であるリツキサンが用いられることもあります(海外では再発・難治性の低悪性度群リンパ腫に効果が認められている)。
リツキサンは、1本の薬価が最高で約25万円(保険適用前)と非常に高価な薬剤でありますが、進行期濾胞性リンパ腫では、CHOP療法とRituximab(リツキサンのことで、マウス-ヒトキメラ型抗CD20モノクローナル抗体)の併用療法が標準療法となる可能性もあります。
リツキサンでは、infusion reactionとよばれる合併症に注意する必要があります。発熱、寒気、頭痛、ふらつき、息苦しいなどの症状を自覚したときは直ちに知らせる必要があります。特に初回投与時や注入速度を上げた直後から30分以内に出現しやすいです。
また、CHOP療法では、吐き気や嘔吐、不眠、便秘、口渇、口内炎、動悸、手足のしびれなどの副作用に注意する必要があります。治療当日は尿が赤くなることがあります。
もちろん、妊娠を継続するならば、これらの治療はできません。そのため、出産まで治療を待たねばならなかったようです。ドラマでは、妻・真由美さんを水川あさみさんが、夫・有紀矢さんを永井大さんが演じられるようです。
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悪性リンパ腫で化学療法による治療中の愛華みれさん
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治療は、上記のステージにより、治療方針が決定されます。標準的な治療法の選択肢としては、
1)放射線療法などがあります。標準療法としては、化学療法や放射線療法が中心です。
3)化学療法(抗がん剤)
3)生物学的製剤:抗CD20抗体(成熟B細胞の性格を示す悪性リンパ腫に効果的)
4)経過観察
5)造血幹細胞移植:自家移植、同種移植
ホジキン病の化学療法は4剤併用のABVD(アドリアマイシン、ブレオマイシン、ビンブラスチン、ダカルバジン)療法が用いられます。
非ホジキンリンパ腫では、低悪性度B細胞リンパ腫の場合、限局期であればは30〜40グレイの局所放射線療法を選択します。胃のMALTリンパ腫であれば、Helicobacter pylori除菌療法が第1選択となります。ですが、染色体転座t(11;18)(q22;q22)をもつ例は除菌療法抵抗性であるため、生検時に確認する必要があります。眼付属器のMALTリンパ腫では、放射線療法を選択するか、無治療で経過観察し増悪傾向がみられたら治療します。
進行期の場合、CHOP(シクロホスファミド,アドリアマイシン,ビンクリスチン,プレドニゾロン)療法が標準となっています。
また、最近ではCD20陽性の成熟B細胞の性格を示す悪性リンパ腫には、生物学的製剤であるリツキサンが用いられることもあります(海外では再発・難治性の低悪性度群リンパ腫に効果が認められている)。
リツキサンは、1本の薬価が最高で約25万円(保険適用前)と非常に高価な薬剤でありますが、進行期濾胞性リンパ腫では、CHOP療法とRituximab(リツキサンのことで、マウス-ヒトキメラ型抗CD20モノクローナル抗体)の併用療法が標準療法となる可能性もあります。
リツキサンでは、infusion reactionとよばれる合併症に注意する必要があります。発熱、寒気、頭痛、ふらつき、息苦しいなどの症状を自覚したときは直ちに知らせる必要があります。特に初回投与時や注入速度を上げた直後から30分以内に出現しやすいです。
また、CHOP療法では、吐き気や嘔吐、不眠、便秘、口渇、口内炎、動悸、手足のしびれなどの副作用に注意する必要があります。治療当日は尿が赤くなることがあります。
もちろん、妊娠を継続するならば、これらの治療はできません。そのため、出産まで治療を待たねばならなかったようです。ドラマでは、妻・真由美さんを水川あさみさんが、夫・有紀矢さんを永井大さんが演じられるようです。
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