「乳がん」撲滅運動が大変盛んなハリウッド。だが罹患数は増える一方、カイリー・ミノーグやシェリル・クロウの例でも分かるように、若い患者がいるのも特徴的だ。『帰郷』や『コールガール』などが有名なベテラン女優、ジェーン・フォンダがこの度自身の乳がんを告白した。
ベストセラーとなったビデオ『Jane Fonda/Workout』でも分かる通り、ハリウッド一のフィットネス・オタクとして知られたフォンダもすでに72歳。だが間もなく新しいフィットネスDVDが発売されるといい、プロモーションに忙しい中、彼女は数週間前に「乳がん」と診断されていたことを、芸能ニュース「ENTERTAINMENT TONIGHT」に告白した。
幸いがんは大変小さい段階で発見され、リンパ節転移などもなく、数日前には腫瘍摘出手術を受けたという。また、「完治」を十分期待できる段階での発見は、毎月欠かさずセルフチェック(しこりがないか自己触診)を行っていたためだとして、女性たちにその徹底を呼び掛けた。
「乳がん」には、なりやすい人、なりやすい生活習慣という危険因子がある。月経期間の長さや遺伝、肥満、睡眠不足や過労によるホルモンの失調などは以前より指摘されているが、チーズやバターといった脂肪分の多い乳製品や肉料理が好き、おまけにお酒をよく飲む、こういった生活習慣が良くないことも分かって来ているそうだ。
(女優ジェーン・フォンダ、乳がんを告白。)
乳癌とは、乳房にある乳腺組織に発生する悪性腫瘍のことです。乳癌罹患は年間約4万人で、女性が罹る癌の中でトップであり、年々増加傾向にあります。年間死亡は約1万人で、罹患のピークが40〜50歳代にあります。そのため、働き盛りの女性の罹患する癌の中で、乳癌は罹患率・死亡率とも第1位となっております。
乳癌罹患者数は1970年の約3倍で、食事内容の変化(脂肪摂取量の増加や初経年齢の低年齢化などで)今後も増加し、2015年には年間約48000人の女性が乳癌に罹患すると予測されています。年々増加の一途をたどり、現在、年間約1万人が死亡しています。
多くの女性が乳癌に最初に気づくのは、ほとんどが自分で「しこり」に気づいています。そのほか皮膚陥凹、乳頭からの血性分泌物、乳頭のびらん、疼痛などがみられることもあります。
患者さんは、「乳房にしこりがある」と訴え、痛みを伴わないことがほとんどですが、気がついてから、よく触れるために痛みや圧痛を伴うようになったと訴えることもあります。触れたしこりの大きさの変化も重要な情報となります。
こうして「しこりに気づいて」受診されているということは、逆に言えば、検診にて発見されるのは、たった2割でしかないと日本乳癌学会の大規模調査で判明しています。ただ、胸を触る自己診断で見つかる乳癌の大きさは平均約2cmで、自然に気づく場合は3cm以上が多いとのことです。
早期癌は、直径2cm以下とされています。ですが、発見時には43%が2.1〜2.5cmに達しており、発見時にリンパ節に転移していた人も、3分の1を占めています。リンパ節に転移しない乳癌の10年後の生存率は約9割と高いが、転移をしていると7割以下に落ちるといいます。
治療としては、以下のようなものがあります。
ベストセラーとなったビデオ『Jane Fonda/Workout』でも分かる通り、ハリウッド一のフィットネス・オタクとして知られたフォンダもすでに72歳。だが間もなく新しいフィットネスDVDが発売されるといい、プロモーションに忙しい中、彼女は数週間前に「乳がん」と診断されていたことを、芸能ニュース「ENTERTAINMENT TONIGHT」に告白した。
幸いがんは大変小さい段階で発見され、リンパ節転移などもなく、数日前には腫瘍摘出手術を受けたという。また、「完治」を十分期待できる段階での発見は、毎月欠かさずセルフチェック(しこりがないか自己触診)を行っていたためだとして、女性たちにその徹底を呼び掛けた。
「乳がん」には、なりやすい人、なりやすい生活習慣という危険因子がある。月経期間の長さや遺伝、肥満、睡眠不足や過労によるホルモンの失調などは以前より指摘されているが、チーズやバターといった脂肪分の多い乳製品や肉料理が好き、おまけにお酒をよく飲む、こういった生活習慣が良くないことも分かって来ているそうだ。
(女優ジェーン・フォンダ、乳がんを告白。)
乳癌とは
乳癌とは、乳房にある乳腺組織に発生する悪性腫瘍のことです。乳癌罹患は年間約4万人で、女性が罹る癌の中でトップであり、年々増加傾向にあります。年間死亡は約1万人で、罹患のピークが40〜50歳代にあります。そのため、働き盛りの女性の罹患する癌の中で、乳癌は罹患率・死亡率とも第1位となっております。
乳癌罹患者数は1970年の約3倍で、食事内容の変化(脂肪摂取量の増加や初経年齢の低年齢化などで)今後も増加し、2015年には年間約48000人の女性が乳癌に罹患すると予測されています。年々増加の一途をたどり、現在、年間約1万人が死亡しています。
多くの女性が乳癌に最初に気づくのは、ほとんどが自分で「しこり」に気づいています。そのほか皮膚陥凹、乳頭からの血性分泌物、乳頭のびらん、疼痛などがみられることもあります。
患者さんは、「乳房にしこりがある」と訴え、痛みを伴わないことがほとんどですが、気がついてから、よく触れるために痛みや圧痛を伴うようになったと訴えることもあります。触れたしこりの大きさの変化も重要な情報となります。
こうして「しこりに気づいて」受診されているということは、逆に言えば、検診にて発見されるのは、たった2割でしかないと日本乳癌学会の大規模調査で判明しています。ただ、胸を触る自己診断で見つかる乳癌の大きさは平均約2cmで、自然に気づく場合は3cm以上が多いとのことです。
早期癌は、直径2cm以下とされています。ですが、発見時には43%が2.1〜2.5cmに達しており、発見時にリンパ節に転移していた人も、3分の1を占めています。リンパ節に転移しない乳癌の10年後の生存率は約9割と高いが、転移をしていると7割以下に落ちるといいます。
治療としては、以下のようなものがあります。
乳癌はホルモン療法や化学療法への感受性があり、全身病としての認識が確立しています。ですが、治療はやはり手術が基本で、病期?までの約9割は手術療法の適応となります。
術後には、全身に対する補助療法を行うのが標準的な治療法です。間質浸潤がない乳管内癌はリンパ節を含め転移はないため、手術だけで治癒できますが、エストロゲン受容体(ER)陽性のことが多く、ホルモン療法を付加するのが一般的です。遠隔転移がある場合は全身療法を行いますが、局所の疼痛や出血、壊死により日常生活に支障をきたすような場合は、手術を行うこともあります。
手術方法としては
があります。最近では胸筋温存乳房切除術(非定型的乳房切除術および、乳房温存手術が主流となり、乳房温存手術が半数以上に行われています。
乳房温存手術は、超音波検査やマンモグラフィー、CTやMRIで広範囲な乳管内進展巣のない腫瘍径3cm以下の腫瘍に対し、マージンを十分とった乳腺部分切除と腋窩リンパ節郭清を行った後、残存乳房に対する放射線治療(通常50グレイ)を付加することが原則となっています。さらに、センチネルリンパ節生検を行い、転移の有無を病理組織学的に検索し郭清を省略することも行われています。
進行乳癌では、根治が期待できる全身状態の良いものに対しては術後治療に準じた根治的治療を行います。乳癌の組織学的悪性度(HER2/neu 遺伝子)、ホルモン感受性を調べたうえで、抗癌剤や内分泌療法剤、抗体[トラスツズマブ(ハーセプチン)]を使った乳癌標的療法などを組み合わせて治療します。
さらに、最近では「ラジオ波熱凝固療法」といった治療法も行われています。「ラジオ波熱凝固療法」の原理としては、直接数mmの針を腫瘍に直接刺して、AMラジオと同じ波帯の電波(460-480 KHz)を照射し、60-70度の熱を加えて、癌細胞を焼く(正確には100度前後の熱で凝固させる)というもの。原理的には電気メスと同じです。周囲への浸潤を含めて、腫瘍径が2cm以下でリンパ節転移がみられない方が適応となります。
乳癌細胞の7割が女性ホルモン受容体を有し、癌の発育はホルモン療法に感受性があるといわれています。ホルモン療法には、ホルモン受容体拮抗薬(閉経前)やLH-RHアナログ(閉経前)、合成黄体ホルモン(酢酸メドロキシプロゲステロン)などがもちいられています。
ホルモン感受性乳癌に対しては、術後5年間のタモキシフェン投与が有用であるといわれています。また、閉経前乳癌であれば、卵巣機能抑制療法が有用であり、LH-RHアナログが推奨されています。
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術後には、全身に対する補助療法を行うのが標準的な治療法です。間質浸潤がない乳管内癌はリンパ節を含め転移はないため、手術だけで治癒できますが、エストロゲン受容体(ER)陽性のことが多く、ホルモン療法を付加するのが一般的です。遠隔転移がある場合は全身療法を行いますが、局所の疼痛や出血、壊死により日常生活に支障をきたすような場合は、手術を行うこともあります。
手術方法としては
1)胸筋合併乳房切除術(定型的乳房切除術:Halsted手術)
2)拡大乳房切除術
3)胸筋温存乳房切除術(非定型的乳房切除術)
4)乳房温存手術
5)単純乳房切除術
があります。最近では胸筋温存乳房切除術(非定型的乳房切除術および、乳房温存手術が主流となり、乳房温存手術が半数以上に行われています。
乳房温存手術は、超音波検査やマンモグラフィー、CTやMRIで広範囲な乳管内進展巣のない腫瘍径3cm以下の腫瘍に対し、マージンを十分とった乳腺部分切除と腋窩リンパ節郭清を行った後、残存乳房に対する放射線治療(通常50グレイ)を付加することが原則となっています。さらに、センチネルリンパ節生検を行い、転移の有無を病理組織学的に検索し郭清を省略することも行われています。
進行乳癌では、根治が期待できる全身状態の良いものに対しては術後治療に準じた根治的治療を行います。乳癌の組織学的悪性度(HER2/neu 遺伝子)、ホルモン感受性を調べたうえで、抗癌剤や内分泌療法剤、抗体[トラスツズマブ(ハーセプチン)]を使った乳癌標的療法などを組み合わせて治療します。
さらに、最近では「ラジオ波熱凝固療法」といった治療法も行われています。「ラジオ波熱凝固療法」の原理としては、直接数mmの針を腫瘍に直接刺して、AMラジオと同じ波帯の電波(460-480 KHz)を照射し、60-70度の熱を加えて、癌細胞を焼く(正確には100度前後の熱で凝固させる)というもの。原理的には電気メスと同じです。周囲への浸潤を含めて、腫瘍径が2cm以下でリンパ節転移がみられない方が適応となります。
乳癌細胞の7割が女性ホルモン受容体を有し、癌の発育はホルモン療法に感受性があるといわれています。ホルモン療法には、ホルモン受容体拮抗薬(閉経前)やLH-RHアナログ(閉経前)、合成黄体ホルモン(酢酸メドロキシプロゲステロン)などがもちいられています。
ホルモン感受性乳癌に対しては、術後5年間のタモキシフェン投与が有用であるといわれています。また、閉経前乳癌であれば、卵巣機能抑制療法が有用であり、LH-RHアナログが推奨されています。
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