原田芳雄(71)の激ヤセが芸能界に衝撃を与えている。11日に行われた主演映画「大鹿村騒動記」のプレミア試写会に車いすで登場。のどの炎症のため声が出にくいとかで、挨拶も、共演の石橋蓮司が代読した。

5月4日の完成披露試写会では元気そうな姿を見せていたから、たった2カ月でずいぶん痩せてしまったことになる。5月初旬にウイルス性腸炎にかかり、その後腸閉塞を引き起こした。吐物をのみ込んで起こる誤嚥(ごえん)性肺炎も併発したという。

「ウイルス性腸炎はどんな人にもなりやすい病気です」と言うのは、聖マリアンナ医大元准教授(神経内科)で、米山医院の米山公啓院長。

「風邪と同じで症状は吐き気と下痢。ひどいと脱水症状を引き起こしますが、普通は数日で治ります。ただ、抵抗力が弱い人や老人は要注意。十分な水分補給ができなかったり食事が取れないでいると病態が悪化し、カリウム血症などで心臓が止まることもある。下痢のときに水分摂取をイヤがる人は多いですが、今のような気温が高く暑い時季は危険です。一般に、ウイルス性腸炎が腸閉塞を招くことはありません。ただ、体が悪いと抵抗力が弱く、付随して発症することがあります」

原田は08年に大腸がんを克服しているが、「それが今回の病気と関係していた可能性があります」(米山氏)。腸閉塞になると飲食は厳禁だ。栄養は点滴頼み。となると、激ヤセもうなずける。

原田は現在、都内の病院に入院中。持病の腰痛にも悩まされ、腰部脊柱管狭窄症にもなっているというから三重苦、四重苦だ。サマータイムや猛暑で体調を崩しやすい時季だけに、サラリーマンも他人事じゃない。
(衝撃の激ヤセ 原田芳雄を襲ったウィルス性腸炎)

感染性胃腸炎とは


感染性胃腸炎とは細菌やウイルス、真菌、原虫などの病原微生物が原因となって起こる消化管感染症の総称を指します。

原因は細菌ではサルモネラ、カンピロバクター、腸炎ビブリオ、腸管出血性大腸菌、黄色ブドウ球菌が、ウイルスではロタウイルス、ノロウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルスが、真菌ではカンジダ、アクチノミセスが、原虫では赤痢アメーバ、クリストスポリジウムなどが主なものです。

感染経路は多くは食品・水を介しての経口感染ですが、一部ペットやヒトからの接触感染もあります。潜伏期は病原体により異なりますが、短いものでは6時間、長いものでは10日前後まであります。

主な症状は下痢(時に血便)、腹痛、悪心、嘔吐、発熱であり、その診断には病歴(食事内容、集団内発生、海外渡航歴、ペットとの接触)が重要ですが、確定診断は糞便・血液培養からの菌検出、糞便中の抗原や毒素の検出,血清抗体上昇などによります。

原因が不明の初期治療では、まず対症療法を優先し、症状の重症度と患者背景から抗菌薬の適応を判断します。ウイルス性の場合は有効な抗菌薬がないので、対症療法に頼らざるを得ません。

対症療法のポイントは、脱水に対する補液です。軽症で経口摂取が可能であればスポーツ飲料などにより、中等症以上では経静脈的に水分、電解質、代謝性アシドーシスの補正を行います。

整腸薬は病原菌の定着を阻止し、腸内細菌叢回復に有用とされますが、強力な止痢薬は細菌の体外排除を遷延させるため原則として使いません。また、食事制限は最小限にとどめるほうが回復が早いです。解熱薬は治療薬であるニューキノロン薬との併用が好ましくない薬剤が多いことから慎重に選びます。

誤嚥性肺炎とは


誤嚥性肺炎とは、以下のようなものを指します。
誤嚥とは、水分・食物など外来性のものや口腔−咽頭分泌物、胃液など内因性のものが間違って喉頭下部気道に侵入することです。

誤嚥には、Mendelson(メンデルソン)症候群に代表される急速かつ多量の胃内容物の誤嚥と、気づかないうちに少量の口腔・咽頭分泌物や胃液を繰り返して気道内へ吸引する不顕性誤嚥があります。通常、高齢者肺炎にかかわる重要な因子は後者の不顕性誤嚥です(大量誤嚥よりは反復する微量誤嚥による誤嚥性肺炎が多い)。

誤嚥性肺炎ととは、雑菌を含んだ口腔内容物や、逆流した食道・胃内容物が気道内へ侵入することによって発生する肺炎です。

ほとんどの場合高齢者に発症し、脳血管性障害や神経筋疾患、胃切除後など基礎疾患をもつ場合が多いです。高齢者では咳反射の低下、気管粘膜線毛運動障害などの気道クリアランスの低下や、体液性、細胞性免疫の低下と複合し誤嚥性肺炎が発症しやすいです。

誤嚥性肺炎は通常の肺炎に比べて、発症の多くが高齢者であるため発熱、せき、痰、呼吸困難などの典型的症状を認めないことが少なくないです。基礎疾患の悪化に伴い心不全、腎不全などの症状が前面に出る場合や、全身倦怠感、食欲不振、意識障害、頻脈など非特異的症状のみが認められることもあります。

胸部X線写真、CTではさまざまな陰影をとり得ますが、背側優位の肺炎像を呈することが多いです。S2やS6などdependent zoneに陰影の分布をみることが多いです。誤嚥性肺炎は嚥下機能障害を基礎に発症する肺炎であり、嚥下機能障害の診断・判定が重要となります。

詳細な判定にはX線透視下に行う嚥下造影検査が用いられますが、一般的にはベッドサイドでの簡便な嚥下機能評価には水飲み試験がスクリーニングとして有用であるといわれています。

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