読売新聞の医療相談室で、以下のような相談がなされていました。
自宅で血圧を測定しています。寝て測った時と体を起こして測った時では、数値が異なります。どのようにして測れば、正確に血圧を測定できるのでしょうか。教えてください。(43歳女性)

この相談に対し、宮川内科小児科医院院長である宮川政昭先生は以下のようにお答えになっています。
寝た状態と座った状態では、血圧の値は変わってきます。通常、横になった状態が一番低く、座った状態、立った状態の順で高くなります。

また、測定する部位(腕)を心臓より下げると血圧は上がります。測定時には、常に測る部分が心臓の高さと同じになるようにする必要があります。医療機関で血圧を測る時は通常、座った状態で行います。家庭でも座って測ってください。

血圧計には様々なタイプがありますが、必ず上腕にカフを巻くタイプを使ってください。手首や指で測る血圧計もありますが、誤差が大きく、必ずしも正確に測れません。

測定する時はいすなどに腰掛け、1〜2分間、安静にしてから測ります。そして血圧計のカフが心臓と同じ高さになるよう、肘の位置をタオルやクッションなどで調節します。

血圧を測定する際に、変動する要因となることとしては、以下のようなものがあります。
朝、測る場合は、起床後1時間以内に行います。朝食は取らず、降圧薬を飲んでいる場合は、薬を飲まずに測ります。夜、測る場合は、就寝前に測定します。日によって食事や飲酒、入浴などの時間が異なっていても問題ありません。

尿意があると血圧が上がります。測る前にトイレは済ませましょう。また、着ているものでも数値は異なってきます。必ず、素肌か薄手のシャツの上からカフを巻き付けて下さい。高血圧治療の第一歩は、血圧の正しい測定の仕方を覚えることです。

このようなことにご注意いただき、できるだけ決まった時間に測るなどの工夫をされてはいかがでしょうか。

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