お笑いコンビ・中川家の中川剛(41)が、すい炎で都内の病院に入院していることが9日、分かった。剛は03年と10年にもすい炎でダウンしており、今回で3度目となる。
所属事務所によると、7日に定期検診を受けたところ、すい炎で約1週間の加療が必要と診断され、同日から入院した。コンビで予定していた仕事はキャンセルしたが、剛が復帰するまでは、相方で弟の礼二(39)が、ひとりで対応するケースもあるという。所属事務所は「大事には至っておりません。しっかり休養してから、復帰することになります」としている。
すい炎は、すい臓から分泌される消化酵素が何らかの原因ですい臓自体を消化することで炎症を起こした状態をいい、アルコールや脂肪分の多い食事をとることなどが原因に挙げられている。症状としては腹痛や背部痛がある。
剛は昨年、7月下旬から9月上旬までの約40日間、すい炎の治療で休養していた。
(中川家剛、すい炎で入院…3度目ダウン)
急性膵炎とは、膵内で病的に活性化された膵酵素が膵内部と周囲組織を自己消化する急性病変です。軽症、(中等症)、重症に分けられます。軽症では膵浮腫程度で改善しますが、壊死が膵ならびに膵周囲に広範に生じると重症化してしまいます。
原因としては、アルコール性が約40%、胆石性が約25%、特定の原因が認められない特発性が約20%となっています。日本の急性膵炎受療患者数は年間約35,300人と推定され、重症例が約15%を占めています。
炎症が膵局所にとどまらず、腹腔内に広く進展すると、活性化膵酵素や各種炎症性メディエーターが血液やリンパを介して膵から離れた重要臓器におよんでしまいます。具体的には、膵内のトリプシンが活性化され、さらにトリプシン自身や他のエラスターゼ、リパーゼ、キニン、カリクレインなどを活性化し、膵の自己消化に至ると考えられます。
結果、発症早期に循環不全、腎不全、呼吸不全などの多臓器障害(multiple organ failure:MOF)を合併しやすく、発症2週以降には敗血症などの重症感染症の合併頻度が高まってしまいます。こうなってしまうと、致命率は8.9%と予後が悪いと考えられます。
症状としては、上腹部の激痛を認め、しばしば背部に放散します。前屈姿勢で軽減する傾向があるため、側臥位でエビのように丸まっていることが多いです。その他、発熱、悪心・嘔吐を認めることがあります。
重症例ではショック、呼吸困難、乏尿・無尿、精神症状、重症感染症、出血傾向を認めることがあります。急性期以後も仮性嚢胞の膿瘍化、嚢胞内出血に起因する種々の症状を認めることがあります。
診断としては、
検査としては、膵酵素の測定を含む血液一般検査を行い、胸腹部単純X線、腹部長音波検査、CTなどの画像検査によって速やかに鑑別診断を行います。急性膵炎例では胆石の有無、胆管拡張、膵腫瘤や石灰化の有無、高脂血症など、成因や合併症の有無を調べる必要もあります。
また、軽・中等症と重症では治療方針が大きく異なるため、入院24時間以内に「急性膵炎の重症度判定基準と重症度スコア」(厚生労働省特定疾患難治性膵疾患調査研究班)で判別することも重要です。
治療としては、以下のようなものがあります。
治療としては、速やかに初期治療を開始し、十分な輸液によって循環動態を改善・維持して多臓器不全の発症を予防すること、重症例やその可能性のあるものでは、早期より予防的に抗菌薬を投与して感染性合併症を防ぐことが重要となります。
軽症例および中等症例では致死的な合併症である膵および膵周囲の感染症の発生頻度が低いため、抗菌薬の予防的投与は必要ないとされています。重症例や重症化が予測される症例ではこれら合併症の発生頻度が高いため、膵移行性の高い広域スペクトラムをもつ抗菌薬を早期から予防的に投与します。カルバペネム系抗菌薬が推奨されています。胆道感染症の合併があれば、胆汁移行性を考慮して第2世代以降のセフェム系抗菌薬の投与が推奨されます。
急性膵炎では発症早期から全身の血管透過性が亢進し、血漿成分が血管外に漏出すしてしまいます。また、大量の炎症性滲出液が膵周囲や腹腔内に貯留し、嘔吐や腸管麻痺が加わって極度の脱水に陥りやすく、循環不全あるいはその準備状態にあります。そのため、補液を行うことが重要です。
具体的には、乳酸リンゲル液や酢酸リンゲル液を基本として3,000mL/日以上を目安に十分な輸液を行います。中等症から重症の急性膵炎では、初期輸液量として60〜160mL/kg/日を設定し、最初の6時間に1日量の1/2〜1/3を投与します(収縮期血圧120mmHg以上、時間尿量1mL/kg以上を目標)。特に、来院時にショックあるいはプレショックを呈していれば、成人では500〜1,000mL/時間の急速輸液を行い、さらにカテコラミンの併用を考慮します。
また、腸管麻痺や腸粘膜バリアの破綻により腸内細菌が全身に移行し、膵や腹腔内の炎症部位に感染巣を作り敗血症などの重篤な感染性合併症を起こしやすいです。そのため、軽症例および中等症例では致死的な合併症である膵および膵周囲の感染症の発生頻度が低いため、抗菌薬の予防的投与は必要ないとされていますが、重症例や重症化が予測される症例では、これら合併症の発生頻度が高いため、膵移行性の高い広域スペクトラムをもつ抗菌薬を早期から予防的に投与(カルバペネム系など)します。
また、抗酵素療法として、膵内や血中に逸脱した活性化膵酵素を阻害して膵炎を鎮静化し、膵炎の進展や重症化を予防するために、メシル酸ガベキサート(FOY)、メシル酸ナファモスタット(FUT)、ウリナスタチン(UR)などの蛋白分解酵素阻害薬の点滴静注を行います。
重症膵炎ではDICやショックを合併することが多く、蛋白分解酵素阻害薬の大量持続投与やFOYとUR、FUTとURなどの2剤併用投与が行われます。さらに、急性胃粘膜病変や消化管出血の合併例、合併する可能性がある症例に対してはH2受容体拮抗薬を投与します。
所属事務所によると、7日に定期検診を受けたところ、すい炎で約1週間の加療が必要と診断され、同日から入院した。コンビで予定していた仕事はキャンセルしたが、剛が復帰するまでは、相方で弟の礼二(39)が、ひとりで対応するケースもあるという。所属事務所は「大事には至っておりません。しっかり休養してから、復帰することになります」としている。
すい炎は、すい臓から分泌される消化酵素が何らかの原因ですい臓自体を消化することで炎症を起こした状態をいい、アルコールや脂肪分の多い食事をとることなどが原因に挙げられている。症状としては腹痛や背部痛がある。
剛は昨年、7月下旬から9月上旬までの約40日間、すい炎の治療で休養していた。
(中川家剛、すい炎で入院…3度目ダウン)
急性膵炎とは
急性膵炎とは、膵内で病的に活性化された膵酵素が膵内部と周囲組織を自己消化する急性病変です。軽症、(中等症)、重症に分けられます。軽症では膵浮腫程度で改善しますが、壊死が膵ならびに膵周囲に広範に生じると重症化してしまいます。
原因としては、アルコール性が約40%、胆石性が約25%、特定の原因が認められない特発性が約20%となっています。日本の急性膵炎受療患者数は年間約35,300人と推定され、重症例が約15%を占めています。
炎症が膵局所にとどまらず、腹腔内に広く進展すると、活性化膵酵素や各種炎症性メディエーターが血液やリンパを介して膵から離れた重要臓器におよんでしまいます。具体的には、膵内のトリプシンが活性化され、さらにトリプシン自身や他のエラスターゼ、リパーゼ、キニン、カリクレインなどを活性化し、膵の自己消化に至ると考えられます。
結果、発症早期に循環不全、腎不全、呼吸不全などの多臓器障害(multiple organ failure:MOF)を合併しやすく、発症2週以降には敗血症などの重症感染症の合併頻度が高まってしまいます。こうなってしまうと、致命率は8.9%と予後が悪いと考えられます。
症状としては、上腹部の激痛を認め、しばしば背部に放散します。前屈姿勢で軽減する傾向があるため、側臥位でエビのように丸まっていることが多いです。その他、発熱、悪心・嘔吐を認めることがあります。
重症例ではショック、呼吸困難、乏尿・無尿、精神症状、重症感染症、出血傾向を認めることがあります。急性期以後も仮性嚢胞の膿瘍化、嚢胞内出血に起因する種々の症状を認めることがあります。
診断としては、
1)上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある。これら1)〜3)のうち2項目以上を満たし、他の膵疾患および急性腹症を除外したものを急性膵炎と診断します。
2)血中、尿中アミラーゼや血中リパーゼが上昇する。
3)腹部超音波(US)や腹部X線CTで膵の腫大や実質の不均一、血流障害、膵周囲の滲出液貯留や脂肪壊死を中心とする炎症の進展が認められる。
検査としては、膵酵素の測定を含む血液一般検査を行い、胸腹部単純X線、腹部長音波検査、CTなどの画像検査によって速やかに鑑別診断を行います。急性膵炎例では胆石の有無、胆管拡張、膵腫瘤や石灰化の有無、高脂血症など、成因や合併症の有無を調べる必要もあります。
また、軽・中等症と重症では治療方針が大きく異なるため、入院24時間以内に「急性膵炎の重症度判定基準と重症度スコア」(厚生労働省特定疾患難治性膵疾患調査研究班)で判別することも重要です。
治療としては、以下のようなものがあります。
急性膵炎の治療
治療としては、速やかに初期治療を開始し、十分な輸液によって循環動態を改善・維持して多臓器不全の発症を予防すること、重症例やその可能性のあるものでは、早期より予防的に抗菌薬を投与して感染性合併症を防ぐことが重要となります。
軽症例および中等症例では致死的な合併症である膵および膵周囲の感染症の発生頻度が低いため、抗菌薬の予防的投与は必要ないとされています。重症例や重症化が予測される症例ではこれら合併症の発生頻度が高いため、膵移行性の高い広域スペクトラムをもつ抗菌薬を早期から予防的に投与します。カルバペネム系抗菌薬が推奨されています。胆道感染症の合併があれば、胆汁移行性を考慮して第2世代以降のセフェム系抗菌薬の投与が推奨されます。
急性膵炎では発症早期から全身の血管透過性が亢進し、血漿成分が血管外に漏出すしてしまいます。また、大量の炎症性滲出液が膵周囲や腹腔内に貯留し、嘔吐や腸管麻痺が加わって極度の脱水に陥りやすく、循環不全あるいはその準備状態にあります。そのため、補液を行うことが重要です。
具体的には、乳酸リンゲル液や酢酸リンゲル液を基本として3,000mL/日以上を目安に十分な輸液を行います。中等症から重症の急性膵炎では、初期輸液量として60〜160mL/kg/日を設定し、最初の6時間に1日量の1/2〜1/3を投与します(収縮期血圧120mmHg以上、時間尿量1mL/kg以上を目標)。特に、来院時にショックあるいはプレショックを呈していれば、成人では500〜1,000mL/時間の急速輸液を行い、さらにカテコラミンの併用を考慮します。
また、腸管麻痺や腸粘膜バリアの破綻により腸内細菌が全身に移行し、膵や腹腔内の炎症部位に感染巣を作り敗血症などの重篤な感染性合併症を起こしやすいです。そのため、軽症例および中等症例では致死的な合併症である膵および膵周囲の感染症の発生頻度が低いため、抗菌薬の予防的投与は必要ないとされていますが、重症例や重症化が予測される症例では、これら合併症の発生頻度が高いため、膵移行性の高い広域スペクトラムをもつ抗菌薬を早期から予防的に投与(カルバペネム系など)します。
また、抗酵素療法として、膵内や血中に逸脱した活性化膵酵素を阻害して膵炎を鎮静化し、膵炎の進展や重症化を予防するために、メシル酸ガベキサート(FOY)、メシル酸ナファモスタット(FUT)、ウリナスタチン(UR)などの蛋白分解酵素阻害薬の点滴静注を行います。
重症膵炎ではDICやショックを合併することが多く、蛋白分解酵素阻害薬の大量持続投与やFOYとUR、FUTとURなどの2剤併用投与が行われます。さらに、急性胃粘膜病変や消化管出血の合併例、合併する可能性がある症例に対してはH2受容体拮抗薬を投与します。