一般的に、高齢となれば癌のリスクは高くなる可能性が高いと考えられています。よって、親が高齢で癌になっても、子供にはその家族性の癌のリスクはあまり関係ないと考えられます。
ところが、親が高齢になってから癌と診断された場合でも、その子どもが親と同じ癌になるリスクは、家族歴のない人々より高いことが、指摘されています。ドイツ癌研究センターのElhamalsadat Kharazmi氏らが、BMJ誌電子版に2012年12月20日に報告しております。
この研究では、大腸癌(子の代の罹患は2万4121人)、肺癌(1万6545人)、乳癌(5万8505人)、前立腺癌(3万6878人)、膀胱癌(9662人)、メラノーマ(2万804人)、皮膚扁平上皮癌(6998人)、非ホジキンリンパ腫(9687人)について研究されています。
果たして、どの疾患がどのような関連があるのか、以下のようになっていたそうです。
親が高齢で癌に罹患した場合も、子に家族性の癌リスク
「ハザード比」とは、一方を基準にして他方の結果発生の確率が何倍高いかを示すものです。
例えば、「100人に1人起こる」という発生確率を基準とすれば、「100人に2人起こる」という発生確率は、2倍高く、ハザード比は「2」になります。
上の"大腸癌が1.9"という記載で考えれば、親が大腸癌と診断されている場合、そうでない場合に比べて1.9倍、癌になる可能性が高い、ということですね。
ところが、親が高齢になってから癌と診断された場合でも、その子どもが親と同じ癌になるリスクは、家族歴のない人々より高いことが、指摘されています。ドイツ癌研究センターのElhamalsadat Kharazmi氏らが、BMJ誌電子版に2012年12月20日に報告しております。
この研究では、大腸癌(子の代の罹患は2万4121人)、肺癌(1万6545人)、乳癌(5万8505人)、前立腺癌(3万6878人)、膀胱癌(9662人)、メラノーマ(2万804人)、皮膚扁平上皮癌(6998人)、非ホジキンリンパ腫(9687人)について研究されています。
果たして、どの疾患がどのような関連があるのか、以下のようになっていたそうです。
親の代がそのタイプの癌に罹患していなかった子に比べ、親も同じ癌と診断されていた子の癌リスクは、どの種類の癌においても有意に高かった。診断時の年齢を問わず、親が癌と診断されていた子の同じ癌罹患のハザード比は、大腸癌が1.9(1.8-2.0)、肺癌は2.1(1.9-2.2)、乳癌は2.0(1.9-2.1)、前立腺癌は2.3(22-2.4)、膀胱癌が2.0(1.8-2.2)、メラノーマが2.9(2.7-3.2)、皮膚扁平上皮癌は2.2(2.0-2.5)、非ホジキンリンパ腫は1.8(1.5-2.0)だった。
子が同じ癌に罹患するリスクが最も高かったのは、親が若年で癌と診断された場合だった。例えば大腸癌の場合、親が40歳未満で診断されていた子の大腸癌罹患のハザード比は8.3(5.7-12.1)。同様に、乳癌は4.7(3.9-5.7)、メラノーマは5.4(4.1-7.2)だった。
しかし、親の診断が80〜89歳でも、子の代の同じ癌のリスクは有意に高かった。例えば、大腸癌では1.6(1.4-1.7)、肺癌は1.8(1.6-2.1)、乳癌は1.6(1.5-1.7)、前立腺癌は1.9(1.8-2.0)、膀胱癌は1.9(1.5-2.3)、メラノーマは2.3(1.9-2.8)、皮膚扁平上皮癌は2.0(1.7-2.4)、非ホジキンリンパ腫は1.7(1.3-2.3)だった。
親が高齢で癌に罹患した場合も、子に家族性の癌リスク
「ハザード比」とは、一方を基準にして他方の結果発生の確率が何倍高いかを示すものです。
例えば、「100人に1人起こる」という発生確率を基準とすれば、「100人に2人起こる」という発生確率は、2倍高く、ハザード比は「2」になります。
上の"大腸癌が1.9"という記載で考えれば、親が大腸癌と診断されている場合、そうでない場合に比べて1.9倍、癌になる可能性が高い、ということですね。