原文(Ann Intern Med)」の研究です。

大腸癌検診の未受診者4675人を対象に、検査受診を促す介入の効果を無作為化効果比較試験で検討したという研究です。

2年間の介入による各年の受診率は、通常ケア群26.3%に比べ、電子健康記録での自動メール50.8%、+電話連絡57.5%、+看護師による誘導64.7%と介入群で高く、介入強度により有意に増加した、とのことです。

要は、メールでの勧誘で50%も増加しているということであり、意外とスパムメール的なものでも効果はあるのだという結果でした。

大腸癌検診とは



大腸癌検診とは、実際にどのようなものか、以下に記してみたいと思います。
大腸癌検診は、まず便中への出血(便潜血)の有無による大腸癌のスクリーニングを行います。免疫学的な検査法を用いるので、大腸の出血に対し鋭敏で特異性も高いと言われています。

この検査で陽性となった方は、大腸内視鏡検査などによる精密検査を行います。多くは、市町村が住民に提供する保健事業として、また人間ドックや企業検診でよく実施されます。

大腸癌とは、大腸(結腸、直腸)粘膜に発生する悪性腫瘍のことを指します。癌がどれだけ深達しているかにより、粘膜下層までの早期癌と、固有筋層より深部に達している進行癌に分けられます。大部分が腺癌ですが、まれに扁平上皮癌のこともあります。

大腸癌の中では、直腸癌が大腸癌全体の約40%と最も多く、次いでS状結腸癌に頻度が高くなっています。男性に多いといわれ、40歳以上に多く、50〜60歳台に最も高率であるとのことです。

症状としては、早期癌は無症状のことが多いです。早期癌に関係のある症状は、下部(直腸,S状結腸)大腸癌における血便のみです。

ただ、S状結腸癌では、直腸癌とは異なり、癌からの出血があっても通過している間に血が便に混じりこみ、見た目では出血が分かりにくいこともあります。そのため、トイレの時での見た目だけでは、血便があるかどうか判断しかねる、というところがあります。このようなとき、便潜血反応は陽性となり、検査では容易に分かります。

是非とも、検診を受ける機会があった場合、とくに40歳以上の方は受けてみてください。