「平成仮面ライダー」シリーズなどでメガホンを取った映画監督の長石多可男さんが先月31日、進行性核上性麻痺のため都内の病院で亡くなっていたことがわかった。享年68歳。東映が3日に発表した。
東映によると長石監督は、3月31日午後11時33分に都内病院にて息を引き取ったとのこと。通夜・告別式は親族のみで執り行われ、後日、東映東京撮影所で偲ぶ会が行われる予定。
(長石多可男監督が死去、「平成仮面ライダー」など東映ヒーロー支える 享年68歳)
進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy;PSP)は、
を呈する進行性の神経変性症です。発病は40歳以後が一般的で、特に60歳代が多いです。男女比は男性が多いと言われています。
歩行障害(転びやすさ,すくみ足など)、眼の症状(物が見づらい、近くで見ると二重に見えるなど)、性格変化、記憶することが困難となることなどが初発の症状となります。
病気の経過からは必ずしも目の動きの障害が先行するわけではなく、転びやすさが初期症状として頻度が高いと言われています。病名から想像されるとおり、最も重要な症状は核上性眼球運動障害で、垂直方向(特に下方)に眼球を動かすことが困難となります。意識的な眼球運動(注視)は障害されますが、眼球頭位反射(人形の目現象)は保たれます。
そのほか、頸の固縮とジストニアによる項部の後屈姿勢、体幹の筋固縮、仮性球麻痺による嚥下障害、認知症が重要な症候です。認知症は、物忘れ、思考の緩徐化、情動・性格の変化、知識の操作能力の低下などが特徴で、皮質下性痴呆といわれます。
東映によると長石監督は、3月31日午後11時33分に都内病院にて息を引き取ったとのこと。通夜・告別式は親族のみで執り行われ、後日、東映東京撮影所で偲ぶ会が行われる予定。
(長石多可男監督が死去、「平成仮面ライダー」など東映ヒーロー支える 享年68歳)
進行性核上性麻痺とは
進行性核上性麻痺(progressive supranuclear palsy;PSP)は、
・核上性眼球運動障害:垂直方向、特に下方に動かすことが困難となります。意識的に動かす眼球運動は障害されますが、眼球頭位反射は保たれます。
・姿勢反射障害:姿勢を維持しようとする無意識のコントロールが障害されます。
・頸部を主体とする体軸ジストニア:首が後ろに反り返るような状態になります。
・仮性球麻痺:物を飲み込んだりすることが困難となります。
・認知症
を呈する進行性の神経変性症です。発病は40歳以後が一般的で、特に60歳代が多いです。男女比は男性が多いと言われています。
歩行障害(転びやすさ,すくみ足など)、眼の症状(物が見づらい、近くで見ると二重に見えるなど)、性格変化、記憶することが困難となることなどが初発の症状となります。
病気の経過からは必ずしも目の動きの障害が先行するわけではなく、転びやすさが初期症状として頻度が高いと言われています。病名から想像されるとおり、最も重要な症状は核上性眼球運動障害で、垂直方向(特に下方)に眼球を動かすことが困難となります。意識的な眼球運動(注視)は障害されますが、眼球頭位反射(人形の目現象)は保たれます。
そのほか、頸の固縮とジストニアによる項部の後屈姿勢、体幹の筋固縮、仮性球麻痺による嚥下障害、認知症が重要な症候です。認知症は、物忘れ、思考の緩徐化、情動・性格の変化、知識の操作能力の低下などが特徴で、皮質下性痴呆といわれます。
診断には、臨床症状と抗パーキンソン病薬に対する反応の悪さ、MRIでの中脳被蓋の萎縮と第3脳室の拡大(humming bird sign:脳被蓋の著明な萎縮によって脳幹の矢状断面像で第3脳室底後部が陥凹し、鳥のくちばし状を呈する特徴的な像がみられる)が参考となります。
病気の進行により、随意的な眼球運動(特に垂直方向)はまったくできなくなります。また、仮性球麻痺も罹病期間を加味するとParkinson病よりはるかに高度で、構音障害や嚥下障害が目立ちます。経過は平均6年前後ですが、すくみ足(足をうまく前に出せなくなる)で発症し、固縮(身体の筋肉が持続的に強くこわばること)、無動(動けなくなる)、振戦のない純粋無動症を呈する症例の場合は、経過が長いです。
治療としては、抗Parkinson病薬のなかではドパミン作動性の薬剤(Lドパなど)が最もしばしば使用され、わずかながら効果がみられることがあります。
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病気の進行により、随意的な眼球運動(特に垂直方向)はまったくできなくなります。また、仮性球麻痺も罹病期間を加味するとParkinson病よりはるかに高度で、構音障害や嚥下障害が目立ちます。経過は平均6年前後ですが、すくみ足(足をうまく前に出せなくなる)で発症し、固縮(身体の筋肉が持続的に強くこわばること)、無動(動けなくなる)、振戦のない純粋無動症を呈する症例の場合は、経過が長いです。
治療としては、抗Parkinson病薬のなかではドパミン作動性の薬剤(Lドパなど)が最もしばしば使用され、わずかながら効果がみられることがあります。
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