YomiDrの医療相談室に「乳児の娘 腕にいちご状血管腫」という相談が寄せられていました。
この相談に対して、順天堂大形成外科 先任准教授である林礼人先生は以下のようにお答えになっています。
苺状血管腫は、毛細血管の増殖により生後1〜2週から隆起する苺状の表面顆粒状・分葉状の軟らかい皮膚腫瘍です。大部分は自然消失すると言われています。
表面に顆粒状の凹凸を有し、苺状の外観を呈することから名付けられています。治療としては、以下の様なものがあります。
自然消退傾向を有するものの、消退後に萎縮性・弛緩性の瘢痕を残すことが多いので、早期の積極的治療的介入が勧められています。発生直後から色素レーザー照射療法を行います。
また、皮膚以外に肝臓・肺・脳などの他臓器にも多発するdiffuse neonatal hemangioendotheliomatosisや、単発でも視力障害や気道閉塞などの原因となるものはプレドニゾロン全身投与の適応があるといわれています。
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生後40日の娘は、生後10日ほどしてから右腕に赤いあざが現れました。1か月健診で「いちご状血管腫」と告げられましたが、いつ頃、どのような治療をするのが最適なのでしょうか。(35歳女性)
この相談に対して、順天堂大形成外科 先任准教授である林礼人先生は以下のようにお答えになっています。
いちご状血管腫は、血管の内皮細胞に異常が起きて発症すると考えられています。生後間もなくは、平らで赤いあざですが、少し時間がたつと隆起し、いちごのような外観を呈してきます。大半は、小学校低学年頃には自然に縮小し、色も消失します。
かつては経過を見守るのが一般的でしたが、生後半年頃までの間に急に大きくなることがあります。
一度大きくなると、その後縮んで色あせても、でき物のだぶついた感覚や質感が、正常な皮膚とは少し異なってしまいます。また、眼の周りにあると、眼を塞いで視力低下を招く恐れもあるなど、血管腫の場所によっては体の機能に悪影響を及ぼします。
特に顔や腕など目立つ部位では、生後半年以内にあまり大きくしないために、積極的に治療を行うようになってきています。
苺状血管腫は、毛細血管の増殖により生後1〜2週から隆起する苺状の表面顆粒状・分葉状の軟らかい皮膚腫瘍です。大部分は自然消失すると言われています。
表面に顆粒状の凹凸を有し、苺状の外観を呈することから名付けられています。治療としては、以下の様なものがあります。
治療は一般的に、レーザーの照射やドライアイスを用いて、色素を薄くしたり、でき物を小さく保つようにしたりします。それでも増大傾向にあれば、ステロイド(副腎皮質ホルモン)の内服や、病変部への注射を行うこともあります。最近、血圧降下薬の一つが効果的とわかり、新たな治療の可能性が期待されています。
最終的に膨らみが残った場合は、手術で切除することもあります。
生後1か月で腕の場合、目立ちやすいかや大きさ、形などを総合的に判断し、治療を検討します。早めに形成外科や皮膚科専門医を受診することが大切です。
自然消退傾向を有するものの、消退後に萎縮性・弛緩性の瘢痕を残すことが多いので、早期の積極的治療的介入が勧められています。発生直後から色素レーザー照射療法を行います。
また、皮膚以外に肝臓・肺・脳などの他臓器にも多発するdiffuse neonatal hemangioendotheliomatosisや、単発でも視力障害や気道閉塞などの原因となるものはプレドニゾロン全身投与の適応があるといわれています。
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