女優の天海祐希(45)が軽度の心筋梗塞と診断されたことを受け、舞台「おのれナポレオン」(東京芸術劇場プレイハウス、12日まで)の主催者は8日午後7時と9日午後2時からの2公演を中止すると発表した。レプリークBis18 (HANKYU MOOK)

天海は6日の公演終了後に体調不良を訴え、都内の病院で「軽度の心筋梗塞で1週間から10日の安静加療を要する」と診断を受けた。公演は12日が千秋楽で、本人は最後まで舞台を務めることを強く希望したが、医師の判断により無念の降板となった。

また、天海が演じた「アルヴィーヌ」役の代役を宮沢りえ(40)が務めることも併せて発表。主催者は「宮沢さんの勇気あるご英断に、心から感謝申し上げます」と感謝の意を表し、上演の再開時期については、最終調整中としている。チケット払い戻しの方法などは8日午後5時ごろに同劇場のホームページなどで発表する。

同舞台は三谷幸喜氏(51)の作・演出で4月6日に初日を迎えた。野田秀樹(57)が主役のナポレオン役を務め、天海はその愛人アルヴィーヌを演じていた。
(本人は出演希望も…天海祐希 無念の降板、代役は宮沢りえ)

心筋梗塞を公表した有名人


心筋梗塞を公表した有名人には、
C-C-B関口誠人さん
徳光和夫さん
遠藤実さん
松村邦洋さん
三國連太郎さん
田の中勇さん
森本レオさん
吉岡治さん
ブラザートムさん
吉岡治さん
などがいらっしゃいます。

心筋梗塞とは


心筋梗塞とは、心臓を栄養している冠動脈の血流量が下がり、心筋が虚血状態になり壊死してしまった状態です。日本全体では、約25万人の急性心筋梗塞症の発症が推測されています(その中で、約8万人が死亡しているとされています)。

冠動脈が閉塞する原因としては、冠動脈の粥状動脈硬化(アテローム硬化)による狭窄が基礎にあります。粥状動脈硬化(アテローム硬化)とは、脳や心臓などの太い動脈内にコレステロールなどが沈着し、粥状のかたまりができて血管内が細くなった状態です。

具体的には、冠動脈内膜下に形成された粥腫(血管壁にたまったコレステロールが、血管の内側にこびりついたもの)が破綻し、 血小板が凝集して冠動脈血栓の形成が起こり、結果として冠動脈が完全閉塞して起こると考えられています。

日本では心筋梗塞は欧米と比較して大変少なかったですが、食習慣や生活様式の西欧化、社会生活におけるストレスの増加、人口の高齢化などに伴って近年増加しています。増加率は若年者に低く、高齢者で高いという特徴があります。

症状としては、以下のようなものがあります。
症状としては、狭心痛(胸が締め付けられるような痛み)を生じます。「痛い」よりも「胸が苦しい」「重い感じがする」など、締め付けられる(絞扼感)を訴えることが多いといわれています。

通常、狭心症では胸痛の持続時間は数分程度でおさまりますが、安静にしていても30分以上胸痛の持続する場合は急性心筋梗塞を疑います(通常30分以上持続する前胸部の強度の胸痛や絞扼感で、恐怖や不安感を伴う)。

大多数は典型的な胸痛・絞扼感を主訴としますが、中には心窩部・背部痛呼吸困難、悪心・冷汗・失神などの非典型的な症状を訴えることもあります。典型的な急性心筋梗塞の胸痛と鑑別を要する疾患には、解離性大動脈瘤、急性心膜炎、肺塞栓が最も重要であり、次に胸膜炎、自然気胸、逆流性食道炎などがあげられます。

悪心・嘔吐などの消化器症状も伴うことがあるため、胆石症、胃・十二指腸潰瘍などとの鑑別が必要になることもあります。高齢者や脳梗塞、糖尿病を有する患者さんでは、無痛性に発症することもあります。その結果、放置してしまうケースもあります。

また、関連痛といって、疾患のある臓器以外の部位に出現する痛みが生じることがあります。具体的には、胃の痛みを中枢へと伝える神経と、心臓の痛みを伝える神経が近い位置にあるため、誤って「胃の痛み・不快感」として伝えられてしまったような状態です(共通の神経で痛覚が脳へ伝達されるために起こると考えられている)。

心筋梗塞の治療


治療法としては、まずは対症療法中心に行いつつ病状の安定を図り、合併症の発生を厳重に管理します。通常は、アスピリン内服、酸素吸入、輸液、硝酸薬などを中心に行います。

発症6時間以内の心筋梗塞の場合、積極的に閉塞した冠動脈の再灌流療法を行うことで、心筋の壊死範囲を縮小可能であるといわれています。

経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)を行う場合や、血栓溶解療法(PTCR)、狭窄部位が3つ以上であった場合などに、緊急冠動脈大動脈バイパス移植術 (CABG) が行われる施設もあります。

経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)は、1977年にGruentzigらにより初めて行われて以来、さまざまな技術上の、あるいは器具における進歩を遂げています。

当初は、バルーンによる拡張術のみであり、経皮的バルーン冠動脈形成術(percutaneous transluminal coronary angioplasty:PTCA)とよばれていました。ですが、冠動脈ステント留置術(coronary artery stenting)、方向性冠動脈粥腫切除術(directional coronary atherectomy:DCA)、ロータブレーター、といった新しい器具の発明とそれを用いた治療が普及するにつれ、経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)と総称されるようになりました。

経皮的冠動脈形成術(PTCA:percutaneous transluminal coronary angioplasty)とは、心臓を栄養する血管である冠動脈の閉塞した箇所にカテーテルを用いて、バルーン(風船)を拡張して狭くなった冠動脈を拡げる手術です。

PTCAは約3分の1の割合で、再狭窄が数か月後に起こるのが欠点の1つとして挙げられていましたが、最近ではステントと呼ばれる小さなメッシュ状の金属チューブを動脈壁に留置することが行われています。

ステントを留置することにより、再狭窄を少なくすることができると考えられます。ステントによって、再狭窄率は15%前後にまで低減することができたと言われています。急性閉塞や再狭窄を抑制する目的で、円筒状の金属ステントを留置する手技が開発され、現在では冠動脈ステント留置術がPCIの主流となっています。

冠状動脈バイパス術(coronary artery bypass grafting;CABG)という手術が行われることもあります。これは、冠状動脈の閉塞、狭窄に対して行われる外科的血行再建術です。体循環と冠状動脈の間にバイパスを作り(グラフトと呼ばれる血管を用いる)、心筋への動脈血流を増加させる方法です。

用いられるグラフトには、左右内胸動脈、右胃大網動脈、大伏在静脈、下腹壁動脈などが用いられます。長期開存性において、有茎の動脈グラフトが優れるといわれています。

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