東京都調布市の市立小学校で昨年12月、食物アレルギーのある5年生の女子児童が給食後に死亡した事故を受け、再発防止策を議論してきた同市の検討委員会は23日、教職員の研修強化などの対策を盛り込んだ報告書を長友貴樹市長らに提出した。
この際、亡くなった女児の両親のメッセージが、調布市職員によって涙ながらに代読された。
メッセージでは、死亡の原因となった料理の「お代わり」について、同級生から聞いた話として、クラス全体で目標にしていた残飯を出さない「給食完食」に貢献するため、めったにお代わりをしない女児が、お代わりの呼び掛けに手を挙げたという。余っていた料理は人気がなく、希望者がほとんどいなかった。
女児は、体調不良を訴える直前、級友に「給食の完食記録に貢献したかった」と話していたといい、両親は「何かできることがあれば周囲の役に立ちたいという思いが、このような結果を引き起こすことになろうとは。残念でなりません」とした。
(めったにしないお代わりで…給食アレルギー死)
食物アレルギーとは、食物を摂取して起きる、生体に不利益な反応のなかで免疫学的機序を介して起きるもの、と定義することができると思われます。症状としては、蕁麻疹や紅斑、湿疹、嘔吐や下痢、アナフィラキシーショックなどがあります。
中でも、食物アレルギーの臨床症状で最も重篤なものは、全身性の即時型反応であるアナフィラキシーです。アナフィラキシーとは、外来物質の侵入が原因となり、それに対する急激な生体反応の結果、循環器系や消化器系、呼吸器系、皮膚などの広範な臓器が障害を受ける状態を指します。これが重篤となり、循環・呼吸不全に陥る場合をアナフィラキシーショックといいます。
簡単に言ってしまえば、劇症型のアレルギー反応であり、入ってきた異物に身体が過剰に反応し、あらゆる場所が腫れ上がってしまい、最悪の場合、呼吸困難で死に至ることもあります。
一方で、食物依存性運動誘発アナフィラキシーというアレルギーもあります。食物依存性運動誘発アナフィラキシーとは、特定の食物を摂取した後、1〜4時間以内にランニングなどの運動負荷が掛かることにより、蕁麻疹とともにアナフィラキシー症状が現れる状態を指します。
運動のみや食物摂取のみでは発症しません。ところが、特定の食物を食べた後に、運動を行うことで蕁麻疹などの症状が現れてきます。小麦によることが最も多く、他にもエビや牡蠣、セロリなども原因となることがあります。
治療としては、以下のようなものがあります。
この際、亡くなった女児の両親のメッセージが、調布市職員によって涙ながらに代読された。
メッセージでは、死亡の原因となった料理の「お代わり」について、同級生から聞いた話として、クラス全体で目標にしていた残飯を出さない「給食完食」に貢献するため、めったにお代わりをしない女児が、お代わりの呼び掛けに手を挙げたという。余っていた料理は人気がなく、希望者がほとんどいなかった。
女児は、体調不良を訴える直前、級友に「給食の完食記録に貢献したかった」と話していたといい、両親は「何かできることがあれば周囲の役に立ちたいという思いが、このような結果を引き起こすことになろうとは。残念でなりません」とした。
(めったにしないお代わりで…給食アレルギー死)
食物アレルギー/アナフィラキシーショックとは
食物アレルギーとは、食物を摂取して起きる、生体に不利益な反応のなかで免疫学的機序を介して起きるもの、と定義することができると思われます。症状としては、蕁麻疹や紅斑、湿疹、嘔吐や下痢、アナフィラキシーショックなどがあります。
中でも、食物アレルギーの臨床症状で最も重篤なものは、全身性の即時型反応であるアナフィラキシーです。アナフィラキシーとは、外来物質の侵入が原因となり、それに対する急激な生体反応の結果、循環器系や消化器系、呼吸器系、皮膚などの広範な臓器が障害を受ける状態を指します。これが重篤となり、循環・呼吸不全に陥る場合をアナフィラキシーショックといいます。
簡単に言ってしまえば、劇症型のアレルギー反応であり、入ってきた異物に身体が過剰に反応し、あらゆる場所が腫れ上がってしまい、最悪の場合、呼吸困難で死に至ることもあります。
一方で、食物依存性運動誘発アナフィラキシーというアレルギーもあります。食物依存性運動誘発アナフィラキシーとは、特定の食物を摂取した後、1〜4時間以内にランニングなどの運動負荷が掛かることにより、蕁麻疹とともにアナフィラキシー症状が現れる状態を指します。
運動のみや食物摂取のみでは発症しません。ところが、特定の食物を食べた後に、運動を行うことで蕁麻疹などの症状が現れてきます。小麦によることが最も多く、他にもエビや牡蠣、セロリなども原因となることがあります。
食物アレルギー/アナフィラキシーショックの治療
治療としては、以下のようなものがあります。
治療としては、原因食物を摂取したときに出現するアレルギー症状を予防するための食物除去を中心とした食事療法、食物アレルギーにより引き起こされた症状を軽快・消失させる薬物療法に分けられます。
食物アレルギー症状の出現を完全に抑制できる治療法はないため、食物アレルギーで起きる症状が強い場合には、原因食物を摂取しないようにすること(除去食療法)ことが優先されます。
症状出現時には、症状に応じた薬物療法を実施します。たとえば、蕁麻疹などが生じた場合は抗ヒスタミン薬を投与します。アナフィラキシーショックが生じた場合には、症状出現後できるだけ早期にエピネフリンの筋注を行うことが重要です。その後に、必要に応じて輸液、昇圧薬、抗ヒスタミン薬、ステロイド薬などを投与するとともに、気道を確保するなど、ショックに対する治療を行います。
過去に食物アレルギーによりアナフィラキシーショックを起こした既往のある患者さんに対しては、エピネフリン自己注射器(エピペン)をあらかじめ処方します。万が一の時は、緊急避難的に自己注射してもらいます。上記のケースでは、エピペンの使用を躊躇していたようです。もし食物アレルギーが疑われたら、緊急を要する状況であるため、躊躇なく使用することが望まれます。
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食物アレルギー症状の出現を完全に抑制できる治療法はないため、食物アレルギーで起きる症状が強い場合には、原因食物を摂取しないようにすること(除去食療法)ことが優先されます。
症状出現時には、症状に応じた薬物療法を実施します。たとえば、蕁麻疹などが生じた場合は抗ヒスタミン薬を投与します。アナフィラキシーショックが生じた場合には、症状出現後できるだけ早期にエピネフリンの筋注を行うことが重要です。その後に、必要に応じて輸液、昇圧薬、抗ヒスタミン薬、ステロイド薬などを投与するとともに、気道を確保するなど、ショックに対する治療を行います。
過去に食物アレルギーによりアナフィラキシーショックを起こした既往のある患者さんに対しては、エピネフリン自己注射器(エピペン)をあらかじめ処方します。万が一の時は、緊急避難的に自己注射してもらいます。上記のケースでは、エピペンの使用を躊躇していたようです。もし食物アレルギーが疑われたら、緊急を要する状況であるため、躊躇なく使用することが望まれます。
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