地域の消えゆく文化や人々の暮らしを映像で記録し、海外からも高い評価を受けたドキュメンタリー作家の姫田忠義さんが、先月29日、慢性閉そく性肺疾患のため、横浜市内の病院で亡くなりました。84歳でした。
姫田忠義さんは神戸市出身で、昭和29年に上京した後、民俗学者の宮本常一氏に師事しました。テレビ番組の脚本や構成、演出を手がけながら、九州の対馬への旅行をきっかけに民俗文化を記録する映画の製作を思い立ちました。
そして昭和36年から対馬の漁村の暮らしや、日向地方の山に伝わる狩猟生活などを記録したほか、昭和46年以降、アイヌの伝統的な結婚式や家造り、農耕の様子を記録したドキュメンタリー映画をたびたび公開し、話題となりました。さらに姫田さんは、昭和51年に民俗文化映像研究所を設立し、所長としてドキュメンタリーの可能性の模索を続けました。
また、フランスの地方文化の研究にも携わり、こうした功績が認められ、平成元年にはフランスの芸術文化勲章を受けました。姫田さんはことし3月に体調を崩し、横浜市内の病院に入院していましたが、先月29日に亡くなりました。
(映像作家の姫田忠義さん死去)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、「肺気腫と慢性気管支炎が様々に組み合わさって生じる、非可逆性の閉塞性換気障害を特徴とする病態」を総称しています。
COPDの最大の危険因子は、喫煙です(80〜90%がこの理由による)。喫煙開始年齢、総喫煙量、現在の喫煙状況からCOPDによる死亡率を予測することができるといわれています。
ただ、喫煙に匹敵する肺気腫の危険因子として、α1-アンチトリプシン(α1-AT)欠損症がありますが、頻度は欧米でも1%以下であり、やはり喫煙によるリスクを除いて考えることはできません。
COPDの最大の危険因子は、喫煙です(80〜90%がこの理由による)。喫煙開始年齢、総喫煙量、現在の喫煙状況からCOPDによる死亡率を予測することができるといわれています。
喫煙に匹敵する肺気腫の危険因子として、α1-アンチトリプシン(α1-AT)欠損症がありますが、頻度は欧米でも1%以下であり、やはり喫煙によるリスクを除いて考えることはできません。
診断基準は、以下のようなものです。
比較的高齢で喫煙歴があり、慢性的な咳・痰,進行性の息切れを伴う場合には、COPDを疑って肺機能検査を行うことが大切となります。
上記の診断基準にあるように、診断にスパイロメトリーは必須であり(定義の中に気流閉塞を特徴とする疾患とあることからも分かるとおり)、気管支拡張薬投与後の検査でFEV1/FVC<70%であれば、気流制限が存在すると判定されます。
スパイロメトリーとは、肺から出入りする空気の量を測定する検査です。 息をもらさないようクリップで鼻をつまみ、マウスピースを口にくわえ、検査を行います。肺活量や1秒率(最初の1秒間に何%の息をはき出すことができるか測定するもの)が測定できます。FEV1/FVCは1秒率示しており、COPDではこの値が低下します。
確定診断には、画像診断や呼吸機能精密検査により種々の疾患を除外することが必要となります。多く問題となるのは気管支喘息です。
COPDの定義では、"完全には可逆性ではない"とあります。
喘息などとは、この点で異なります(喘息では、発作後も元に戻ります)。そして、気流制限があることが特徴的です。気流制限とは、息が吐きづらくなる状態です。COPDとは、「元に戻らない(可逆性ではない)息切れが、徐々に進行する疾患」ということができると思われます。
検査としては、胸部X線所見や胸部CT検査などが重要となります。肺気腫では、肺過膨張所見(横隔膜低位、平低化)と肺野の透過性亢進の増加が認められます。肺野の透過性亢進は、気腫化による肺胞破壊・消失、肺血管影の減少と肺過膨張による含気の多さを反映しています。慢性気管支炎の場合、50%以上は正常と診断され、除外診断が重要となります。胸部X線検査により他疾患を除外し、肺機能検査により機能的に診断することが重要となります。
胸部CT所見、とくに高分解能CT(high resolution-CT; HR-CT)が、X線検査より感度も特異度もはるかに優れているといわれています。低吸収領域(low attenuation area;LAA)が病理学的な肺気腫を反映するとされ、これにより肺気腫と診断されているものが増えているようです。
重症度は予測値に対する1秒量の割合(%1秒量=1秒量÷予測肺活量×100)で決定されます。80%以上がステージ1(軽症)、50%以上80%未満をステージ2(中等症)、30%以上50%未満をステージ3(重症)、30%未満をステージ4(最重症)と定義します。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療としては、以下のようなものがあります。
姫田忠義さんは神戸市出身で、昭和29年に上京した後、民俗学者の宮本常一氏に師事しました。テレビ番組の脚本や構成、演出を手がけながら、九州の対馬への旅行をきっかけに民俗文化を記録する映画の製作を思い立ちました。
そして昭和36年から対馬の漁村の暮らしや、日向地方の山に伝わる狩猟生活などを記録したほか、昭和46年以降、アイヌの伝統的な結婚式や家造り、農耕の様子を記録したドキュメンタリー映画をたびたび公開し、話題となりました。さらに姫田さんは、昭和51年に民俗文化映像研究所を設立し、所長としてドキュメンタリーの可能性の模索を続けました。
また、フランスの地方文化の研究にも携わり、こうした功績が認められ、平成元年にはフランスの芸術文化勲章を受けました。姫田さんはことし3月に体調を崩し、横浜市内の病院に入院していましたが、先月29日に亡くなりました。
(映像作家の姫田忠義さん死去)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは
慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは、「肺気腫と慢性気管支炎が様々に組み合わさって生じる、非可逆性の閉塞性換気障害を特徴とする病態」を総称しています。
COPDの最大の危険因子は、喫煙です(80〜90%がこの理由による)。喫煙開始年齢、総喫煙量、現在の喫煙状況からCOPDによる死亡率を予測することができるといわれています。
ただ、喫煙に匹敵する肺気腫の危険因子として、α1-アンチトリプシン(α1-AT)欠損症がありますが、頻度は欧米でも1%以下であり、やはり喫煙によるリスクを除いて考えることはできません。
COPDの最大の危険因子は、喫煙です(80〜90%がこの理由による)。喫煙開始年齢、総喫煙量、現在の喫煙状況からCOPDによる死亡率を予測することができるといわれています。
喫煙に匹敵する肺気腫の危険因子として、α1-アンチトリプシン(α1-AT)欠損症がありますが、頻度は欧米でも1%以下であり、やはり喫煙によるリスクを除いて考えることはできません。
診断基準は、以下のようなものです。
1. 気管支拡張薬投与後のスパイロメトリーで FEV1/FVC<70%を満たすこと
2. 他の気流制限を来しうる疾患を除外すること
比較的高齢で喫煙歴があり、慢性的な咳・痰,進行性の息切れを伴う場合には、COPDを疑って肺機能検査を行うことが大切となります。
上記の診断基準にあるように、診断にスパイロメトリーは必須であり(定義の中に気流閉塞を特徴とする疾患とあることからも分かるとおり)、気管支拡張薬投与後の検査でFEV1/FVC<70%であれば、気流制限が存在すると判定されます。
スパイロメトリーとは、肺から出入りする空気の量を測定する検査です。 息をもらさないようクリップで鼻をつまみ、マウスピースを口にくわえ、検査を行います。肺活量や1秒率(最初の1秒間に何%の息をはき出すことができるか測定するもの)が測定できます。FEV1/FVCは1秒率示しており、COPDではこの値が低下します。
確定診断には、画像診断や呼吸機能精密検査により種々の疾患を除外することが必要となります。多く問題となるのは気管支喘息です。
COPDの定義では、"完全には可逆性ではない"とあります。
喘息などとは、この点で異なります(喘息では、発作後も元に戻ります)。そして、気流制限があることが特徴的です。気流制限とは、息が吐きづらくなる状態です。COPDとは、「元に戻らない(可逆性ではない)息切れが、徐々に進行する疾患」ということができると思われます。
検査としては、胸部X線所見や胸部CT検査などが重要となります。肺気腫では、肺過膨張所見(横隔膜低位、平低化)と肺野の透過性亢進の増加が認められます。肺野の透過性亢進は、気腫化による肺胞破壊・消失、肺血管影の減少と肺過膨張による含気の多さを反映しています。慢性気管支炎の場合、50%以上は正常と診断され、除外診断が重要となります。胸部X線検査により他疾患を除外し、肺機能検査により機能的に診断することが重要となります。
胸部CT所見、とくに高分解能CT(high resolution-CT; HR-CT)が、X線検査より感度も特異度もはるかに優れているといわれています。低吸収領域(low attenuation area;LAA)が病理学的な肺気腫を反映するとされ、これにより肺気腫と診断されているものが増えているようです。
重症度は予測値に対する1秒量の割合(%1秒量=1秒量÷予測肺活量×100)で決定されます。80%以上がステージ1(軽症)、50%以上80%未満をステージ2(中等症)、30%以上50%未満をステージ3(重症)、30%未満をステージ4(最重症)と定義します。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療
慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療としては、以下のようなものがあります。
安定期の治療としては、
1.危険因子の回避
a)禁煙指導,粉塵曝露の回避指導を行う。
b)感染予防を行い、増悪や肺炎を予防する(インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなど)。
2.気管支拡張薬 労作時息切れおよび運動能力の改善(スピリーバやオンブレス、アドエア、シムビコートなど)
3.喀痰調整薬
4.呼吸リハビリテーション
5.在宅酸素療法(HOT)
などを行ったりします。
増悪期の治療としては、
安定期の治療に加えて、
1)短時間作用型気管支拡張薬(β2 刺激薬が推奨されるが,抗コリン薬の併用も可)の頓用(ジェットネブライザーによる定期吸入も可)。
2)喀痰の増量や膿性化があれば抗菌薬を使用する。
3)増悪の程度が中等症以上,あるいは安定期の重症度が重症以上の増悪ではステロイドの全身投与を行う。
4)呼吸不全に対しては酸素療法を行う。
などを行ったりします。
【関連記事】
本当は怖いタバコ−COPD(慢性閉塞性肺疾患)
慢性閉塞性肺疾患(COPD)対策のため、「肺年齢」を提唱へ
肺癌、COPD予防に−正しいニコチンパッチの使い方
1.危険因子の回避
a)禁煙指導,粉塵曝露の回避指導を行う。
b)感染予防を行い、増悪や肺炎を予防する(インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンなど)。
2.気管支拡張薬 労作時息切れおよび運動能力の改善(スピリーバやオンブレス、アドエア、シムビコートなど)
3.喀痰調整薬
4.呼吸リハビリテーション
5.在宅酸素療法(HOT)
などを行ったりします。
増悪期の治療としては、
安定期の治療に加えて、
1)短時間作用型気管支拡張薬(β2 刺激薬が推奨されるが,抗コリン薬の併用も可)の頓用(ジェットネブライザーによる定期吸入も可)。
2)喀痰の増量や膿性化があれば抗菌薬を使用する。
3)増悪の程度が中等症以上,あるいは安定期の重症度が重症以上の増悪ではステロイドの全身投与を行う。
4)呼吸不全に対しては酸素療法を行う。
などを行ったりします。
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