日本高血圧学会によれば、収縮期血圧が140以上または拡張期血圧が90以上に保たれた状態が高血圧であるとされています。しかし、近年の研究では血圧は高ければ高いだけ合併症のリスクが高まるため、収縮期血圧で120未満が生体の血管にとって負担が少ない血圧レベルとされています。

高血圧症といえば、脳出血のリスクや動脈硬化・狭心症/心筋梗塞のリスクとなります。あまりに無自覚であると、手痛いしっぺ返しを食う可能性があります。



JAMAによると、「高血圧の半数以上は、自覚なし」(Prevalence, Awareness, Treatment, and Control of Hypertension in Rural and Urban Communities in High-, Middle-, and Low-Income Countries)とのことでした。
世界628地域に住む35-70歳の14万2042人を対象に、高血圧の罹患状況を横断研究で調査。高血圧の有病率は40.8%で、うち自覚者は46.5%だった。自覚者の87.5%は薬物治療中で、32.5%で血圧コントロールができていた。低所得国では学歴と自覚率・治療率・コントロール率のそれぞれに関連が見られた。


さらに、BMJによると、以下のように「高血圧症に関して、あまりにも無関心である」という実態が指摘されています(Lay perspectives on hypertension and drug adherence: systematic review of qualitative research)。
16カ国の質的研究59件の報告を対象に、合併症のない高血圧患者の治療不遵守をシステマティックレビューとナラティブ統合により検討。患者の多くが高血圧の原因はストレスと考えていた。ストレスや頭痛、めまいなどの症状が軽減すると、患者は高血圧が改善したと判断して、治療不順守に至っていた。この傾向は国、民族にかかわらず見られた。

症状さえなくなってしまえば、治療しなくて良い、とお考えの方も多いようです。
是非とも、血圧のコントロールに関心を持っていただき、大病を起こさないようにお気をつけください。