米国神経学会(AAN)が、8月28日配信のNeurologyオンライン版に掲載した内容です。「片頭痛が高所得層よりも低所得層で多く発症する」ことを示した研究を紹介しています(Does Migraine Affect Income or Income Affect Migraine?)。



研究の方法としては、
・12歳以上の被験者16万2705人が対象。
・片頭痛の症状経験の有無、症状が始まった年齢、および家庭の収入について質問。
・低所得家庭の収入 < 年収入2万2500ドル未満、高所得家庭 ≧ 年収入6万ドル以上 と規定


その結果としては、以下のようなものだったそうです。
25-34歳の範囲では、片頭痛を持つ人の割合は高所得層で女性20%、男性5%、中所得層で女性29%、男性8%、低所得層で女性37%、男性13%。人種、年齢、性別などについて調整しても、結果は同様だったそうです。

また、低所得層の患者は高所得層よりも強い痛みを感じる傾向があり、就業不能や登校不能を来すことが多く、一方、片頭痛の寛解率は、どの所得層でも同じだったそうです。

研究を行ったWalter F. Stewart氏は、「寛解率はどの所得層でも同じなので、片頭痛に罹患する期間には各層とも差がない。低所得層に患者が多い理由は、この層の罹患期間が長いからではなく、発症者の割合が高いため。低所得に関わるストレスが、片頭痛と所得の関係において重要な役割を担っているのではないか」とコメントしています。

母親が「家計簿をつけていて、頭が痛い」と、頭を抱えるいった光景もありますが、もしかしたら家計がうまくいかないと、頭痛も増えるのかもしれませんね。

【関連記事】
頭痛による症状・治療にお悩みの方に「頭痛日記」

片頭痛の原因となるもの−予防と治療法について