アステラス製薬とアストラゼネカは9月30日、タレントの乙葉さんとお笑い芸人のロバートを招いた喘息(ぜんそく)疾患啓発活動「チェンジ喘息!」トークイベントを開催。「自分に合った治療法を続けて症状が出ない毎日を楽しみましょう」と呼びかけた。

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乙葉さん、ロバート、そして喘息治療の第一人者である山王病院アレルギー内科の足立満氏が登壇し、トークセッションを行った。

乙葉さんは、「症状があることはしょうがないことなのかなと思っていた」と幼少期を振り返る。芸能界に入ってからも、咳(せ)き込むことで周りに迷惑をかけてしまうのではないか、と気にする日々だったという。

一方、ロバートの秋山竜次さんは、「子供の頃がピークだった」とのこと。大人になってからもコントで舞台を動き回ったり、いっぱいしゃべったりすると症状が出ることがあり、「ここは人が多くほこりが舞ってるから喘息の症状が出そうだな」と、環境に敏感になると語った。

そんな2人だが、喘息への向き合い方は対照的。秋山さんは「幼少期に喘息キャンプに行ったが、環境の変化でかえって症状が悪化し、不安が増長されてしまった」というエピソードを明かした。現在は、「このくらいだったらまだ大丈夫だろう」と我慢したり、実際に苦しくなってから薬剤を吸入したりする程度だという。

乙葉さんはというと、数年前に自分に合った治療法と出合い、「現在では喘息を気にすることなく生活できている」とのこと。その治療法とは、医者の処方した飲み薬を服用し続けるというもので、症状を鎮めるだけではなく、毎日継続的に服薬を続けたことで、「喘息だから咳が出たり息苦しくなったりするのは仕方ない」という考え方はなくなり、喘息を持たない人と同様の生活が実現したという。

両者の話を聞いていた足立氏は、秋山さんの対処法について「非常に良くないですね」とコメント。今は若いので何事もないようだが、「ある日突然ドーンと(肺機能の低下による大病が)起きる可能性がある」と警告する。その上、「秋山さんの治療法は30年前の治療法です」と切り捨てた。

これに対して秋山さんは、「もっと早く聞きたかった!」と喜び半分、悲しみ半分の表情。「小学校の頃、毎年七夕の短冊に『喘息が治りますように』って書いてたのに……」と切ないエピソードを明かす。

さらに、幼馴染(なじ)みで相方でもある、「喘息患者の友人代表」として臨んだロバート・馬場裕之さんは、「秋山にネタを書いてもらって、芸人としての活動はほぼ秋山に頼っているので、すぐに病院に連れて行って、毎日の予防を心がけるように、僕が責任を持ってやります」と宣言した。

足立氏によると、学会では90年代から「気道の炎症が原因」という説が有力視され、現在では副作用のほとんどない吸入ステロイドにより気道の炎症を抑える治療法が主流とのこと。今では喘息による死亡者が、従来の3分の1から4分の1へ減少している。

幼少期から大人になっても続く喘息を完治させるということは、残念ながら難しい。しかし、自分に合った治療をしっかり続けることで、症状が出ない日常生活を送ることはできるという。
(ロバート秋山の治療は30年前のもの!? 乙葉らが“喘息の秋にチェンジ喘息”)

気管支喘息の有名人


気管支喘息の有名人としては、
乙葉さん
バナナマン・日村勇紀
などがいらっしゃいました。

気管支喘息とは


気管支喘息とは、以下のようなものです。
喘息とは、気道の慢性炎症性疾患であり、気管・気管支平滑筋の攣縮、気道内分泌物の過多、気道粘膜の浮腫など、広範な気道の狭窄に特徴づけられます。簡単に言ってしまえば、突然気管支が狭くなり、咳や呼吸困難などの発作を起こす疾患です。

小児および成人ともに軽症・中等度症の死亡例が増加して、急激な経過で死亡することが問題になっています。重症ほど突然死を生じやすいというわけでないため、注意が必要となります。そうした意味で、上記のような喘息発作の重症度を知っておくことは重要となります。

喘息発症の初期の誘因として、気道における抗原の慢性曝露や、気道感染を代表とする慢性気道刺激があるといわれています。具体的には、花粉やハウスダスト、ダニ、たばこの煙、ディーゼルの排気ガスなど、アレルギー物質を日常的に吸い込むことで、気道に炎症が起こります。

また、このような刺激に対する過敏反応として、気管支平滑筋・気道粘膜の浮腫、気道分泌亢進などにより気道の狭窄・閉塞が起こり、いわゆる喘息発作を起こすことがあります。

気管支喘息の長期管理では、基本的にこうした発作を起こさないことが必要となります。長期管理薬では、吸入ステロイド薬が最も重要な基本薬剤で、これにより気管支喘息の本体である気道の炎症を抑えることが気管支喘息治療の基本となります。

重症度に応じて、吸入ステロイドの増量、経口ステロイド、長時間作動型β2刺激薬(吸入薬・貼り薬があります。いわゆる気管支拡張薬です)、抗アレルギー薬、抗コリン剤などを併用します。

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