2013年10月23日放送の「ザ!世界仰天ニュース」では、マルファン症候群の女性が取り上げられるようです。
2メートル美人大学生の秘密
ウクライナの首都・キエフから車で5時間ほど南へ下った所にある町ニコラエフ。リュドミーラ・チェチェンコーワ18歳。
身長2メートル7センチ。長い手足、小さな顔、そして異常に長い首。姉のタマーラも身長2メートルを超える超ビッグ姉妹。だが、妹のリュドミーラはある病の影響でこの様な体になったという。
1995年、チェチェンコーワ家の二女として生まれたリュドミーラ。幼い頃は他の子ども達よりも少し背が高いくらいだったが、12歳になる頃、背が急に伸びだし、178センチにもなった。2歳上のタマーラも180センチと高かった事もあり、不思議には思わなかった。
しかし、学校では大きな身長をからかわれる毎日。特に長い首は自分でも好きになれず髪の毛で隠していた。更に彼女を悩ませたのはその外見だけではなく、様々な症状が出はじめる。
運動をするとすぐに息があがり、背中には痛みが。そして急激に落ちる視力。急に体が大きくなったから成長についていけていないだけ、そう家族は言ったが、実は、彼女の症状はすべてある病によるものだった!
ある日息苦しさに耐えられなくなり、病院に救急搬送されたリュドミーラ。5000人に1人が発症するという驚きの病とは。
マルファン(Marfan)症候群とは、常染色体優性遺伝の形式をとる細胞間接着因子(フィブリンと弾性線維)の先天異常症による遺伝疾患です。
症状としては、
筋骨格系:身長が高く、骨格筋の発達が悪くやせています。arm span(両上肢を広げた長さ)が身長よりも大きいです。手指、足趾とも長く(くも指と言います)、関節の弛緩性または拘縮を認めます。扁平足も伴うことが多く、脊柱ではしばしば側彎症を伴い、通常のものと比べて進行性です。胸郭では肋骨の過成長のため漏斗胸などの変形をみることがあります。
眼:水晶体亜脱臼による視力障害や、白内障、緑内障とも一般人より発症率が高いといわれています。その他、斜視、乱視、近視、網膜剥離はしばしば合併します。
循環器:大動脈の拡張(大動脈瘤破裂の頻度が高く、30歳代で死亡することが稀ではない)、僧帽弁逸脱などの症状がみられます。なお、突然変異例も多いです。
呼吸器:自然気胸の発症率は10%程度といわれています。
上記のケースでは、突然の呼吸困難感がみられており、もしかしたら自然気胸を呈したのではないか、と考えられます。
→脊柱側弯症が原因だったそうです。
また、日頃から運動していた際に、すぐに呼吸困難感がみられていた(労作時呼吸困難感)がみられていたのは、僧帽弁閉鎖不全によるものかもしれません。視力低下は、水晶体亜脱臼によると考えられます。
診断としては、家族歴(父母のどちらかが高身長など)、特徴的な体型、水晶体亜脱臼、上行大動脈瘤、異所性髄膜瘤などを認めれば、Marfan症候群を考えます。
2メートル美人大学生の秘密
ウクライナの首都・キエフから車で5時間ほど南へ下った所にある町ニコラエフ。リュドミーラ・チェチェンコーワ18歳。
身長2メートル7センチ。長い手足、小さな顔、そして異常に長い首。姉のタマーラも身長2メートルを超える超ビッグ姉妹。だが、妹のリュドミーラはある病の影響でこの様な体になったという。
1995年、チェチェンコーワ家の二女として生まれたリュドミーラ。幼い頃は他の子ども達よりも少し背が高いくらいだったが、12歳になる頃、背が急に伸びだし、178センチにもなった。2歳上のタマーラも180センチと高かった事もあり、不思議には思わなかった。
しかし、学校では大きな身長をからかわれる毎日。特に長い首は自分でも好きになれず髪の毛で隠していた。更に彼女を悩ませたのはその外見だけではなく、様々な症状が出はじめる。
運動をするとすぐに息があがり、背中には痛みが。そして急激に落ちる視力。急に体が大きくなったから成長についていけていないだけ、そう家族は言ったが、実は、彼女の症状はすべてある病によるものだった!
ある日息苦しさに耐えられなくなり、病院に救急搬送されたリュドミーラ。5000人に1人が発症するという驚きの病とは。
マルファン(Marfan)症候群とは
マルファン(Marfan)症候群とは、常染色体優性遺伝の形式をとる細胞間接着因子(フィブリンと弾性線維)の先天異常症による遺伝疾患です。
症状としては、
筋骨格系:身長が高く、骨格筋の発達が悪くやせています。arm span(両上肢を広げた長さ)が身長よりも大きいです。手指、足趾とも長く(くも指と言います)、関節の弛緩性または拘縮を認めます。扁平足も伴うことが多く、脊柱ではしばしば側彎症を伴い、通常のものと比べて進行性です。胸郭では肋骨の過成長のため漏斗胸などの変形をみることがあります。
眼:水晶体亜脱臼による視力障害や、白内障、緑内障とも一般人より発症率が高いといわれています。その他、斜視、乱視、近視、網膜剥離はしばしば合併します。
循環器:大動脈の拡張(大動脈瘤破裂の頻度が高く、30歳代で死亡することが稀ではない)、僧帽弁逸脱などの症状がみられます。なお、突然変異例も多いです。
呼吸器:自然気胸の発症率は10%程度といわれています。
上記のケースでは、突然の呼吸困難感がみられており、もしかしたら自然気胸を呈したのではないか、と考えられます。
→脊柱側弯症が原因だったそうです。
救急搬送されたリュドミーラ。診断結果は脊柱側弯症。
脊柱側弯症になると、骨格が正常に成長できず背骨が大きくS字に曲がってしまうのが特徴。これを治すには…曲がった背骨にボルトを埋め込み、ボルト同士をチタン製の棒で接続。これをまっすぐにし、更に移植用の骨で背骨の骨同士を接着、棒をギプス代わりにしてそのまま骨を固めてしまうという大手術が必要になることがある。リュドミーラは曲がりの進行を抑える為に、コルセットをつけた生活を余儀なくされた。しかし、コルセットをしていても、動悸や息切れはひどくなる一方。こんな生活が3年続き、15歳になると身長は2メートルを超えていた。首も益々伸び好奇の目で見られるように。
また、日頃から運動していた際に、すぐに呼吸困難感がみられていた(労作時呼吸困難感)がみられていたのは、僧帽弁閉鎖不全によるものかもしれません。視力低下は、水晶体亜脱臼によると考えられます。
診断としては、家族歴(父母のどちらかが高身長など)、特徴的な体型、水晶体亜脱臼、上行大動脈瘤、異所性髄膜瘤などを認めれば、Marfan症候群を考えます。