日経メディカルオンラインにて、「認知症か加齢による物忘れか迷ったら…」という記事が掲載されていました。

この記事では、病的な意味がある認知症と、単なる物忘れについての違いについて記載されていました。
重要なの違いは、
1) 物忘れ症状が進行するか否か
2) 日常生活に支障を来たすか否か

の2点に集約されるそうです。

1) 物忘れ症状が進行するか否か


アルツハイマー型認知症:その状態や程度、頻度が必ず進行・悪化するのが特徴。
年齢に伴う心配いらない物忘れ:物忘れの状態が何年経っても進行・悪化しないのが原則
だそうです。連れてきた家族に「患者さんの示す物忘れは、1年前よりも今のほうが悪くなっていますか? あるいは変化がありませんか?」と尋ねると、両者の鑑別に役立ちます。

つまりは、物忘れの状態が明らかに進行・悪化しているとの情報が、家族から得られたときには、認知症の可能性が高いと考えられるそうです。

2) 日常生活に支障を来たすか否か


患者さん自身が自分の物忘れを認識しているか、深刻感を持っているか、あるいは頓着していないかを観察することも、両者の鑑別に役立ちます。

アルツハイマー型認知症:では、自身の物忘れについて、認めないあるいは関心を示さない、深刻に考えていないことが多い(病識がないあるいは乏しい)。
年齢に伴う心配いらない物忘れでは、自身の物忘れを必要以上に心配する、神経過敏になる、医師に過剰に訴える場合が少なくない。

受診の経緯を見ても、アルツハイマー型認知症患者さんが自ら物忘れがひどいと言って受診してくることは皆無だそうです。大部分は家族や周囲の人々が物忘れに気付き、患者さんを医療機関に連れて来るようですね。一方、年齢に伴う物忘れを示す患者さんは自分の意志で受診してくるケースが多い、とのことです。

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