RocketNews24にて、「【韓国】テレビ番組のダイエット企画に参加した女性が突如死亡 / 食事を受け付けない体に」という記事が掲載されていました。

焦らなくてもいい!拒食症・過食症の正しい治し方と知識
焦らなくてもいい!拒食症・過食症の正しい治し方と知識

テレビ番組の人気企画のひとつに、ダイエット企画がある。自力で減量が難しいと考える参加者が、番組の協力を得ながら次第にやせていくというものだ。なかなか思うように成果が出ないなかで目標体重に近づいて行く姿に、励まされるという人も多いはず。

だが、危険が伴う場合もある。最近韓国のテレビ番組に参加した20代女性が、死亡してしまったそうだ。彼女は131.8キログラムから56キロまで体重を落としたのだが、9月22日に亡くなったのである。どうやらダイエットによる影響が否定できないようだ。

・2012年1月に番組出演
亡くなった女性は、2012年1月に韓国のケーブルテレビの企画に参加した。彼女の努力によって体重はみるみる減って行き、話題になったのである。彼女自身、ちょっとした有名人になったようだ。

・「胃バンディング」の手術を受ける
今年1月に再び番組に出演。今後は「胃バンディング」という手術を受ける様子が放映された。これは、胃の上部を縛り食事量を減らすというもの。手術後に45キロ減量し、彼女は最終的に約75キロも体重を減らしたという。

・食事の度に嘔吐
おそらく彼女は、容姿だけでなく生活も一変しただろう。だが、それは必ずしも良い側面だけを持っていただけではない。彼女は食事の度に嘔吐していたようだ。また意図的に吐く様子も友人が確認している。減量を意識するあまりに、食事を受け付けなくなっていた可能性がある。

・洗面所で倒れ……
この8月には、彼女が倒れているところを父親が発見し、身体を大事にするようにと話したそうだ。だが彼女は、40キロ台まで減量する意志を示したそうだ。彼女の死はボーイフレンドによって発見された。食後にやはり吐き気を催して洗面所に行ったようだ。そのことに気づいた彼が洗面所に行くと、彼女はすでに意識を失くしていたそうである。

ダイエットにおける手術


過度な肥満の方への治療の一環として、手術によるものがあります。上記以外にも、胃を小袋に分けて小腸につなぐ「腹腔鏡下ルーワイ胃バイパス術」という手術や、胃バルーンシステム(内視鏡的胃内バルーン留置術)などがあります。

ただ、手術適応となるのは、BMIが35以上で、糖尿病や高血圧、高脂血症、睡眠時無呼吸症候群、膝関節症などの合併症がある場合となります。さらに、薬や食事療法、体重を毎日記録して減量の動機づけをする行動療法で改善しないことも条件になる、とかなり厳しめです。

やはり手術は最終手段と考え、まずは栄養管理・運動療法でダイエットを行う必要があると考えられます。

摂食障害


摂食障害は拒食や過食といった、食行動のコントロールが困難となる疾患です。思春期の女性に多いといわれています(ですが、近年では若年例、高年例、男性例が増加しています)。神経性無食欲症(いわゆる拒食症)と神経性大食症(いわゆる過食症)の2つの病態に大きく分けられます。

神経性大食症(いわゆる過食症)の方は、短時間内(多くは夜間)に大量の食物をむちゃ食いする点に特徴があり、抑えがたい衝動によってむちゃ食いしてしまいます。また過食後も多くのケースでやせ願望や肥満恐怖があり、自己誘発性嘔吐や下剤の乱用などがみられます。

ちなみに、極端な過食をしながら、自己誘発嘔吐や下剤,利尿薬乱用などの排出行為を伴うタイプと、運動によって体重増加を防ぐのみで排出行為のないタイプがあります。神経性大食症は肥満恐怖がありますが、極度の体重減少はない点が神経性無食欲症とは異なります。

ダイエットを意識するあまり、過食→嘔吐を繰り返しており、摂食障害を発症してしまっていたことが、大きな問題です。看過されず、治療される必要があったと考えられます。

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