yomiDrの医療相談室に、「腎不全で発疹 かゆみ消えない」という59歳の男性が相談が寄せられていました。
腎不全で人工透析を受けていますが、赤黒い発疹が全身に現れ、かゆみに悩まされています。皮膚科で紫外線治療を繰り返し、ステロイド(副腎皮質ホルモン)の塗り薬や、かゆみ止めの飲み薬も使っていますが、改善しません。(59歳男性)

この質問に対し、防衛医大腎臓内分泌内科教授である熊谷裕生先生がお答えになっていました。
腎臓の状態が非常に悪くなると体の老廃物や水分を捨てることができないので、その代わりに週に3回、4時間ずつ血液透析を続けなければなりません。

腎不全の様々な合併症の一つに、かゆみがあります。睡眠や日常生活にも大きく影響するため厄介で、一番の原因は皮膚の乾燥です。透析では体内の余分な水分を捨てるため、皮膚が乾き過ぎることが多いのです。皮膚の刺激に敏感になり、健康な腎臓を持つ人よりもかゆみを強く感じます。

現在、透析療法が導入されている患者さんは、全国で約28万人おり、毎年新たに約3万人が透析導入を余儀なくされています。原因疾患の1位は、糖尿病に合併する糖尿病性腎症です。

腎機能の低下が起こってくると、老廃物の蓄積や水・電解質の不均衡から生体内の恒常維持ができなくなり、いわゆる尿毒症症状を呈してきます。被災地では透析療法が受けられないとなると、命に関わってくる問題となります。

透析療法とは、血液を半透膜を用いて透析し、水分および溶質を除去して血液の浄化を図る方法です。急性腎不全や慢性腎不全、透析可能な薬物による中毒(医療用薬剤、農薬、工業薬品など)、急性肝不全などの治療として行われます。

大別して、血液を透析器(ダイアライザー)に導き浄化した後に体内に返血する血液透析(HD)と、透析液を腹腔内に注入し腹膜の半透膜機能を利用して透析を行う腹膜透析(PD)とがあります。

血液透析(HD)とは、カテーテルあるいは皮下の動静脈瘻(シャント)のいずれかにより、血液をダイアライザーに導入し、透析液と透析膜を介して、血液中の高窒素血症、水・電解質異常を是正する方法です。
皮膚の乾燥には、皮膚の細胞内に水分を保つために、透析後の体重を増やすことも対策の一つですが、優れた保湿薬も多数あるので試すのも有用です。

また、透析の量が不足すれば、尿毒症の物質や、カルシウム、リン、副甲状腺ホルモンが血液中に多くなることが、かゆみの原因となります。透析器を大型のものに替えたり、透析時間を長くしたりする方法などもあります。

なお、お使いの飲み薬は、強いかゆみを訴える透析患者さんの7割が改善しています。薬の増量も試みてください。

ただ、慢性腎不全によるかゆみは通常、発疹がありません。赤黒い発疹が全身に現れる症状は、腎不全による発疹ではないのかもしれません。ご質問者がお便りで心配されていたように、透析液や回路のチューブの材質などが発疹の原因かもしれません。

主治医に相談し、それらを順次変更してみるのも良いと思います。

このような対策があるようです。まとめると、
・保湿剤の使用
・抗ヒスタミン薬などの内服薬、ステロイド含有塗布剤の使用
・透析器を大型のものに替えたり、透析時間を長くする。
・透析液や回路のチューブの材質などによるアレルギーを考慮
ということになるようです。