yomiDrの医療相談室に、「半月板損傷 運動再開できますか」という相談が寄せられていました。
2か月前に、段差を上る時に左膝を傷めてしまい、整形外科で半月板損傷と診断されました。駆け足もままならず、ヒアルロン酸注射による痛み止めの治療を始めました。今後、運動ができるようになりますか。(64歳女性)

この相談に対し、順天堂大整形外科先任准教授である池田浩先生は、以下のようにお答えになっています。
半月板は、膝関節に挟まれた軟骨組織です。荷重を分散させて関節の軟骨を保護する働きがあり、半月板の3分の1には血管があるものの、血管がない残る3分の2は自然修復が望めません。

半月板は、跳躍して着地した際や急激なターンなど、膝関節を不自然にひねることで損傷します。ただ、加齢により半月板が擦り切れる半月板の変性断裂は、明らかなきっかけがなくても起こります。この損傷部位が、周囲の組織を刺激するなどして痛みを引き起こすことがあるのです。

診断は、磁気共鳴画像装置(MRI)の普及で格段に進歩した一方で、半月板に異常があると、膝関節痛の原因に安易に結びつけられる傾向があります。

中高年に多い変性断裂は、膝関節痛の原因ではないことがあり、特に膝関節の軟骨の摩耗で痛む変形性膝関節症を併発している場合、半月板の損傷がどの程度痛みに関わっているかを確認する必要があります。症状や検査画像などから総合的な評価が重要です。

半月板は、大腿骨と脛骨の間に存在する軟骨を指します。機能としては、荷重の伝達分散、膝安定性の確保および潤滑の促進などです。

最も重要なのは、荷重の伝達分散機能です。膝は人体最大の荷重関節であり、体重などの大きな荷重を、分散させてより広い面積で受け止めることで、骨同士にかかる圧力を軽減している役割があります。荷重のおよそ50〜70%を伝達しているとされています。

半月板損傷や半月板切除などにより、半月板の機能障害があると関節面に異常負荷が起こり、二次性の変形性関節症が生じてきてしまいます。

半月板損傷はスポーツなどによる膝関節外傷の中で、最も頻度の高いものの1つであるといわれています。活動期である10歳代後半から20歳代に頻発します。

急性期には、突然の激痛と運動制限が生じ、脱臼感(「膝がはずれる」「ずれる感じ」など)や、軽度の関節血症、膝関節の嵌頓であるロッキングなどを生じます。慢性期は安静時痛は通常軽度ですが、スポーツをするときや階段の昇降時、長時間の歩行などの運動時に痛みを生じることがあります。また、轢音(クリック)、ひっかかり感(キャッチング)といった特徴的な感覚も生じてきます。

治療としては、以下のようなものがあります。
半月板は損傷があるからといって、全部が全部、手術適応となるわけではありません。痛みに加えてひっかかり感などの症状があり、伸展制限や関節水腫が見られるケースでは手術となります。また、スポーツで疼痛や水腫を生じる例も、手術の適応となることが多いようです。

手術としては、半月板切除術や半月板縫合術などがあります。

半月板切除術では、関節鏡手術の進歩により、現在では半月板の損傷部位のみを切除し健常部分は温存する部分切除術が一般的となっているようです。術後1か月でスポーツ活動復帰は可能とあんるようですが、その後の十分な大腿四頭筋訓練などのリハビリが必要となります。

保存療法としては、大腿四頭筋の筋力強化を含めたリハビリテーションが主体となり、痛みなどには消炎鎮痛剤を投与します。

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