冬場は、乾燥しているということもあり、皮膚トラブルが起きやすい時期でもあります。お風呂に入ったとき、「髪はシャンプー、身体は石鹸やボディーソープなどの洗浄剤で洗う」というのが一般的でですが、その使用方法についてスキンケアで気をつけたい4つのポイントについて御知らせしたいと思います。

米国皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎の患者に対するスキンケアの方法(Atopic dermatitis: Tips for managing)」では、「洗浄剤は必要なときのみ使用する」と示されています。
過度に洗浄剤を使用することで、ボディーソープなどに含まれる界面活性剤を用いて過剰な洗浄をすると、保湿に必要な皮脂や皮膚常在菌までもが落ちてしまう可能性があります。さらに、肌が傷つき、アレルギー感作や細菌感染の原因となる可能性があるため、過剰な使用は避けるべきだと考えられます。
肌着をつけている部位の皮膚の汚れは汗や皮脂、角質の剥離成分(垢)など、水溶性のものがほとんどだから、身体に油汚れが付いたり、体臭が気になったときだけ洗浄剤を使えばよいのではないでしょうか。
石鹸、とくに防腐剤、香料、着色料の入っていない無添加石鹸の使用が望まれます。ただ、流し残しのないように入念にすすげば、「無添加じゃなきゃダメだ!」と強くこだわる必要はないようです。
無添加石鹸白いせっけん

一方、ボディーソープは合成界面活性剤を用いており、石鹸とは異なり、界面活性剤の効果が薄まりにくく、流し残しがあった場合は皮膚バリアを低下させる可能性があるため、ボディーソープより石鹸を使用する方が望まれます。
ヒトの皮膚は通常、皮膚常在菌により皮脂がパルミチン酸やステアリン酸に分解されて弱酸性に保たれており、黄色ブドウ球菌や化膿レンサ球菌が増殖しにくい環境となっています。
健常な皮膚は、アレルギー感作を引き起こす大きな分子量の物質は透過させない構造をしています。これら皮膚の防御機構を最大限に発揮するには、常在菌叢を維持するとともに皮膚を傷つけないようにする必要があるわけです。
このバリア機能を保つために、擦らず、洗うときは(石鹸などを使うときにはよく泡立てて)手でなでるくらいがよろしいと考えられます。垢すりは行わないようにするほうが望ましいです。
保湿をすることで、ドライスキン(乾燥肌)を防げます。ヒルドイドソフト軟膏(一般名ヘパリン類似物質軟膏)やワセリンなどの保湿剤を適切に使用することが必要です。具体的な使用法については、「冬の乾燥肌に!保湿剤の正しい使い方」ご参考にしてくだされば、と存じます。
正しい身体の洗い方や、保湿を行うことで、しっかりとスキンケアを行い、肌トラブルを減らしましょう。
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1) ボディーソープなどの洗浄剤の使用は最低限に
米国皮膚科学会の「アトピー性皮膚炎の患者に対するスキンケアの方法(Atopic dermatitis: Tips for managing)」では、「洗浄剤は必要なときのみ使用する」と示されています。
過度に洗浄剤を使用することで、ボディーソープなどに含まれる界面活性剤を用いて過剰な洗浄をすると、保湿に必要な皮脂や皮膚常在菌までもが落ちてしまう可能性があります。さらに、肌が傷つき、アレルギー感作や細菌感染の原因となる可能性があるため、過剰な使用は避けるべきだと考えられます。
肌着をつけている部位の皮膚の汚れは汗や皮脂、角質の剥離成分(垢)など、水溶性のものがほとんどだから、身体に油汚れが付いたり、体臭が気になったときだけ洗浄剤を使えばよいのではないでしょうか。
2) ボディーソープより石鹸
石鹸、とくに防腐剤、香料、着色料の入っていない無添加石鹸の使用が望まれます。ただ、流し残しのないように入念にすすげば、「無添加じゃなきゃダメだ!」と強くこだわる必要はないようです。
無添加石鹸白いせっけん

一方、ボディーソープは合成界面活性剤を用いており、石鹸とは異なり、界面活性剤の効果が薄まりにくく、流し残しがあった場合は皮膚バリアを低下させる可能性があるため、ボディーソープより石鹸を使用する方が望まれます。
3) 擦らない。洗うときは手でなでる
ヒトの皮膚は通常、皮膚常在菌により皮脂がパルミチン酸やステアリン酸に分解されて弱酸性に保たれており、黄色ブドウ球菌や化膿レンサ球菌が増殖しにくい環境となっています。
健常な皮膚は、アレルギー感作を引き起こす大きな分子量の物質は透過させない構造をしています。これら皮膚の防御機構を最大限に発揮するには、常在菌叢を維持するとともに皮膚を傷つけないようにする必要があるわけです。
このバリア機能を保つために、擦らず、洗うときは(石鹸などを使うときにはよく泡立てて)手でなでるくらいがよろしいと考えられます。垢すりは行わないようにするほうが望ましいです。
4) 入浴後、すぐに保湿!
保湿をすることで、ドライスキン(乾燥肌)を防げます。ヒルドイドソフト軟膏(一般名ヘパリン類似物質軟膏)やワセリンなどの保湿剤を適切に使用することが必要です。具体的な使用法については、「冬の乾燥肌に!保湿剤の正しい使い方」ご参考にしてくだされば、と存じます。
正しい身体の洗い方や、保湿を行うことで、しっかりとスキンケアを行い、肌トラブルを減らしましょう。
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ケロイドや肥厚性瘢痕を目立たなくする治療とは