患者さんと医師とが良好な関係にあると、スムーズに診療が進みます。一方、その関係がこじれてトラブルになると、検査も不十分で見落としなどが起こりやすく、説明が不十分になる、といったことが起きやすいです。

医師といえど、やはり人間ですので、感情などにも左右されやすいです。多くの医師は、できるかぎり良好な関係を築こうと努力していると思いますが、その一方で患者さん側の努力というのも実は重要だったりします。

今回の記事では、患者さん側が、どのようなポイントを押さえれば医師と良好な関係を築け、最良の医療を受けられるか、といったことに関して書いてみたいと思います。

1) 基本的なルールを守る


まずは基本的なことですが、診療時間に遅れたり、アドバイスを聞かず生活習慣を変えない、服薬指示を守らなかったり…といった基本的なルールを守らないと、「あぁ、何を言ってもダメな人なんだ」と思われてしまいます。

社会的なルールや、医師-患者間のルールをしっかりと守りましょう。

2) 話す内容はまとめ、態度にも気をつけましょう


学校での勉強ではないですが、「予習と復習」が重要です。
予習というのは、受診前に症状が、「いつから、どこに、どのように、以前もあったか」現れるようになったのか、整理しておくことです。こうすることで、情報提供が円滑に行われ、時間の無い医師に喜ばれます。

復習とは、受診後に治療を行い、その症状がどうなったのか、まとめておきます。薬の効果などを把握でき、次の診療に活かされます。

また、話をする際に、病気で不安だからといってかっとなり、反抗的な態度を取るのはダメです。それで関係が悪化し、損をするのは患者さんです。

3) 病名や治療法を決めつけない


「水分が足らないから、点滴してくれ」「風邪だ。風邪薬くれ」といった、病名や治療法を決めつける患者は嫌がられます。プライドを傷つけられたと感じる医師もいるので、そのようなことは慎んだ方が良さそうです。

4) 他の医師・病院の悪口は厳禁


他の医者・病院の悪口を言ったりするのはもってのほかです。「自分の悪口も言われているのでは?」と思ってしまいます。症状が改善しないと、批判を行いたい気持ちも分かりますが、そこはグッとこらえて、担当医師に委ねましょう。

5) ドクターショッピングはやめましょう


かかっている医者に内緒で、複数の医者にかかったり、前の病院の紹介状なしに病院を転々とすることを「ドクターショッピング」と言います。もちろん、「セカンドオピニオン」は患者さんの権利ですが、「セカンドオピニオン」の場合は、主治医に事前に相談し、これまでの検査結果などの情報を持って別の医者に相談に行くことを指します。

一方、ドクターショッピングをする人は、これまでの診察の情報を何も持たずに新しい病院に行くため、また最初から問診をし同じ検査をやり直すことになり、無駄が多いうえ、医者との信頼関係を築きにくいこともあります。

他の病院を受診したい場合は、相談しにくいかもしれませんが、しっかりと担当医師に相談し、紹介状などを書いてもらいましょう。

病院を受診する際には、このような5つのポイントを押さえ、良好な医師-患者さん関係を築いて、できうる限りの最良の医療を受けましょう。

【関連記事】
手術中、患者の肝臓に「焼印」をした医師、停職処分

患者と医師との見解不一致が、癌患者の死亡リスクを高める

不眠症患者の訴えと処方の難しさ