現在、アメリカではある生物に市民の生活が脅かされている。2008年、アメリカ・ルイジアナ州に住む少年は、ハリケーンで荒れた裏庭の掃除をしている時に、腐葉土の中に大量にいたアリに足をかまれた。300ヶ所以上刺され、腫れ上がった。

アリの生態と分類
アリの生態と分類

病院の待合室で待っていると、突然立ち上がり、倒れた。呼吸困難を呈し、意識を失った。血圧低下を引き起こし、人工呼吸器に繋がれ、吐血まで引き起こした。DIC(播種性血管内凝固)も引き起こし、血栓が多発していた。その後、そのまま3日間こん睡状態になった。医師たちの懸命な治療により、少年は九死に一生を得た。

またある女性は、家で寝ている時にその生物に足をかまれた。この女性は 20 年前にも同じ生物にかまれており、今回で2度目だった。喉頭浮腫を起こし、呼吸困難となった。緊急用のエピペン(アドレナリン注射薬)をすぐに打ったが、その後の必死の救助活動もむなしく、亡くなってしまった。
人間の命までも奪う、その恐怖の生物とは、「ヒアリ(fire ant,Red imported fire ant)」だった。ヒアリは、アメリカ南部、フィリピン、台湾、中国南部に定着しており、アルカロイド系の毒液を仕込んだ毒針を有しており、これで相手を刺すため、激しい痛みを生じる。

その後、さらに毒に対してアレルギー反応を引き起こすため、重篤な症状を引き起こすのだ。また、2度目以降はアナフィラキシーショックを引き起こすこともあるため、さらに重篤化することもある。世界の侵略的外来種ワースト100にも含まれており、今後、日本への侵入が懸念されている。

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