「みんなの家庭の医学」にて、以下のような内容が記されていました。
伊豆大島では、厚生労働省も認めるひざ痛改善のためのプロジェクト「膝いたゼロ作戦」によって、わずか3ヶ月で住民のひざの痛みが半減しました。そんな「ひざ痛半減島」である伊豆大島に住む健康賢者が、春木望さん。
7年前までは左ひざの痛み(変形性ひざ関節症)に苦しみ、つらい毎日を送っていましたが、「膝いたゼロ作戦」に出会い、1週間で痛みが無くなったと言います。では、春木さんは、どうやってひざ痛を解消する筋肉を鍛えたのでしょうか?「膝いたゼロ作戦」プロジェクトのリーダー、大淵修一先生(東京都老人総合研究所)に解説して頂きました。
まず春木さんが食事中に行っていたゴムを足で後ろに引っ張る運動。これは「ハムストリングスが鍛えられる」とのこと。ハムストリングスとは、ひざ関節を支える、ももの裏の筋肉。ゴムをひっかけひざを曲げると、ハムストリングスに負荷がかかり、筋肉が増強されるのです。また、片足に2kgの重りをつけて歩くウォーキングも、足が重りの影響で前に持っていかれないようハムストリングスに負荷がかかっていたのです。
続いて、2キロの重りをつけた足を持ち上げる運動。これは、ひざを支えるももの筋肉・大腿四頭筋を鍛えていました。そして、ゴムをひざに巻いて股を広げる運動。これで鍛えていたのが、骨盤を安定させる中殿筋。中殿筋を鍛えることにより、横ブレが防げ、ひざにかかる負担が少なくなります。この3つの筋肉を日々鍛えた結果、1週間でひざ痛が和らぎ、現在では76歳とは思えない筋肉を手に入れたのです。
では、なぜ春木さんはこれらの運動を続けられたのでしょうか?食事中や外出時など、日常生活の合間に運動を行っていた春木さん。わざわざするのではなく、何かをしながらついでに運動する。これが長く続けられる秘訣でした。
ということで、ひざを軽く楽にするためには、3つの筋肉を鍛えることが大切です。
変形性膝関節症とは、関節軟骨を中心とした膝関節の構成体が徐々に退行性変性を来たし、疼痛、腫脹、変形などが生じる疾患です。簡単にいえば、膝関節の2つの骨の間でクッションの役割を果たしている軟骨がすり減り、骨が削れて変形し、周りの組織に炎症が起きて、発症すると考えられています。
60歳以上(平均71.1歳)の住民調査(受診率70%で対象319例638膝)では、25.5%にX線所見ならびに症状を認め、X線所見に変形性変化を認めるが症状のない変形性膝関節症予備群を加えると50%を超えるといわれています。
原因としてはまず肥満が原因としてあげられます。体重が重いと、どうしても負荷が大きくなってしまうわけです。軟骨は加齢とともに減っていくので、年齢も要因となります。
症状としては、初期は膝関節の疼痛、特に歩行時や歩行後の疼痛が主症状となりますが、通常は安静により軽快します。また、内側型のものが圧倒的に多いため、疼痛も膝関節の内側部に訴えることが多いです。一方、主病変が膝蓋大腿関節にある場合には、階段の昇降や立ち上がり動作など屈曲位で荷重する際に疼痛を訴えることが多いです。
病期が進むと疼痛も増悪し、炎症症状が強くなると関節水症も出現してきます。さらに進行して骨や軟骨の変形が進むと、内反変形(O脚)、可動域制限などの形態変化も明らかになります。
膝内側部、膝蓋骨部の痛みは、歩行など荷重時・動作開始時が痛く、継続により痛みは軽減します。進行すると歩行困難となり、安静時も痛みます。治療が必要な変形性膝関節症の80%以上は、内反変形により荷重が内側に集中し軟骨磨耗が生じ発症します。
診断は、こうした臨床症状とX線検査が参考になります。単純X線写真は、正面像、側面像、膝蓋骨の軸射像の3枚に加え、立位正面像(または立位屈曲45度の正面像)を撮影します。これにより、関節裂隙の狭小化(軟骨の摩耗を示す)の所見が確かなものとなります。
内外側の大腿脛骨関節の狭小化が出現する関節リウマチと異なり、内側型では内側の、外側型では外側の大腿脛骨関節の狭小化が特徴的です。軟骨下骨の硬化や骨棘の形成もみられます。
CTは、複雑な骨変形を伴う場合の病態の把握、手術療法を行う場合の骨切りなどのプランニングに用いられます。MRIは、半月板や靱帯など軟部組織の病態の把握、滑膜炎の程度の判定などに用いられます。
変形性膝関節症の治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む
伊豆大島では、厚生労働省も認めるひざ痛改善のためのプロジェクト「膝いたゼロ作戦」によって、わずか3ヶ月で住民のひざの痛みが半減しました。そんな「ひざ痛半減島」である伊豆大島に住む健康賢者が、春木望さん。
7年前までは左ひざの痛み(変形性ひざ関節症)に苦しみ、つらい毎日を送っていましたが、「膝いたゼロ作戦」に出会い、1週間で痛みが無くなったと言います。では、春木さんは、どうやってひざ痛を解消する筋肉を鍛えたのでしょうか?「膝いたゼロ作戦」プロジェクトのリーダー、大淵修一先生(東京都老人総合研究所)に解説して頂きました。
まず春木さんが食事中に行っていたゴムを足で後ろに引っ張る運動。これは「ハムストリングスが鍛えられる」とのこと。ハムストリングスとは、ひざ関節を支える、ももの裏の筋肉。ゴムをひっかけひざを曲げると、ハムストリングスに負荷がかかり、筋肉が増強されるのです。また、片足に2kgの重りをつけて歩くウォーキングも、足が重りの影響で前に持っていかれないようハムストリングスに負荷がかかっていたのです。
続いて、2キロの重りをつけた足を持ち上げる運動。これは、ひざを支えるももの筋肉・大腿四頭筋を鍛えていました。そして、ゴムをひざに巻いて股を広げる運動。これで鍛えていたのが、骨盤を安定させる中殿筋。中殿筋を鍛えることにより、横ブレが防げ、ひざにかかる負担が少なくなります。この3つの筋肉を日々鍛えた結果、1週間でひざ痛が和らぎ、現在では76歳とは思えない筋肉を手に入れたのです。
では、なぜ春木さんはこれらの運動を続けられたのでしょうか?食事中や外出時など、日常生活の合間に運動を行っていた春木さん。わざわざするのではなく、何かをしながらついでに運動する。これが長く続けられる秘訣でした。
ということで、ひざを軽く楽にするためには、3つの筋肉を鍛えることが大切です。
1.ハムストリングスを鍛える
2.大腿四頭筋を鍛える
3.中殿筋を鍛える
変形性膝関節症とは
変形性膝関節症とは、関節軟骨を中心とした膝関節の構成体が徐々に退行性変性を来たし、疼痛、腫脹、変形などが生じる疾患です。簡単にいえば、膝関節の2つの骨の間でクッションの役割を果たしている軟骨がすり減り、骨が削れて変形し、周りの組織に炎症が起きて、発症すると考えられています。
60歳以上(平均71.1歳)の住民調査(受診率70%で対象319例638膝)では、25.5%にX線所見ならびに症状を認め、X線所見に変形性変化を認めるが症状のない変形性膝関節症予備群を加えると50%を超えるといわれています。
原因としてはまず肥満が原因としてあげられます。体重が重いと、どうしても負荷が大きくなってしまうわけです。軟骨は加齢とともに減っていくので、年齢も要因となります。
症状としては、初期は膝関節の疼痛、特に歩行時や歩行後の疼痛が主症状となりますが、通常は安静により軽快します。また、内側型のものが圧倒的に多いため、疼痛も膝関節の内側部に訴えることが多いです。一方、主病変が膝蓋大腿関節にある場合には、階段の昇降や立ち上がり動作など屈曲位で荷重する際に疼痛を訴えることが多いです。
病期が進むと疼痛も増悪し、炎症症状が強くなると関節水症も出現してきます。さらに進行して骨や軟骨の変形が進むと、内反変形(O脚)、可動域制限などの形態変化も明らかになります。
膝内側部、膝蓋骨部の痛みは、歩行など荷重時・動作開始時が痛く、継続により痛みは軽減します。進行すると歩行困難となり、安静時も痛みます。治療が必要な変形性膝関節症の80%以上は、内反変形により荷重が内側に集中し軟骨磨耗が生じ発症します。
診断は、こうした臨床症状とX線検査が参考になります。単純X線写真は、正面像、側面像、膝蓋骨の軸射像の3枚に加え、立位正面像(または立位屈曲45度の正面像)を撮影します。これにより、関節裂隙の狭小化(軟骨の摩耗を示す)の所見が確かなものとなります。
内外側の大腿脛骨関節の狭小化が出現する関節リウマチと異なり、内側型では内側の、外側型では外側の大腿脛骨関節の狭小化が特徴的です。軟骨下骨の硬化や骨棘の形成もみられます。
CTは、複雑な骨変形を伴う場合の病態の把握、手術療法を行う場合の骨切りなどのプランニングに用いられます。MRIは、半月板や靱帯など軟部組織の病態の把握、滑膜炎の程度の判定などに用いられます。
変形性膝関節症の治療
変形性膝関節症の治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む