昨年12月にくも膜下出血と診断され、現在療養中のシンガー・ソングライター/俳優の星野源(31歳)が、自身が月曜日のナビゲーターを担当している深夜ラジオ番組「RADIPEDIA」(J-WAVE/月〜木/24〜26時)3月4日放送分で復帰することがわかった。これを機に本人の体調を見ながら徐々に活動を再開していく。
星野は2011年1月より同番組のナビゲーターを担当。昨年末より病気療養のため番組を休んでおり、その間はサイトウ“JxJx”ジュン(YOUR SONG IS GOOD)、ROY(THE BAWDIES)、宮藤官九郎、レキシが代役を務めていた。
星野は昨年12月に体調不良を訴え、病院で検査を受けたところくも膜下出血と診断され、検査当日に手術。公式サイトでは術後の状況などを報告し、「本人の体調を見ながら来年春頃の復帰を目標に、準備を進めてまいります」と復帰の見通しを明かしていた。
(療養中の星野源が3月4日復帰、昨年12月にくも膜下出血のため手術。)
くも膜とは髄膜の一部です。脳と脊髄を覆う3層の膜を髄膜といいますが、髄膜は脳・脊髄の表面に密着した軟膜、その外側にあるくも膜、最外側にある硬膜からなります。この髄膜のうち、くも膜と軟膜との間に存在するやや広い空間のことをくも膜下腔といいます。くも膜下出血は、このくも膜下腔に出血が生じ、脳脊髄液中に血液が混入した状態をいいます。
脳卒中の10%前後を占め、原因のほとんどは脳動脈瘤の破裂で、まれに血管奇形やもやもや病、出血傾向など脳動脈瘤以外の原因もあります。原発性くも膜下出血の原因として重要なものは、この脳動脈瘤の破綻と、脳動静脈奇形からの出血です。脳動脈瘤の破綻は、くも膜下出血の75〜90%以上を、脳動静脈奇形からの出血は5〜10%を占めています。
脳動脈瘤破裂に伴うくも膜下出血は、40〜60歳をピークとした成人に多くみられますが、20歳代の若年やまれに小児に起こることもあります。男女差は50歳頃まではほとんどありませんが、高齢者ほど女性の比率が多くなります。人口10万人に対して、10〜20人程度が発症するといわれています。
最近では、脳ドックを受けられる方も多くなり、未破裂脳動脈瘤の発見頻度が増加して、約2%の発見率(未破裂脳動脈瘤は成人の約5%に存在していると考えられている)といわれています。そうした場合、破裂してくも膜下出血を起こす前に手術を行うことができます。
くも膜下出血は、特徴的な症状である「(バットで殴られたような)突然起こる激しい頭痛」で起こる、といったことでも有名です。今までに感じたことのないような頭痛がみられます。さらに悪心・嘔吐を伴い、頭痛が持続します。
約半数が意識障害を起こすといわれています(一過性のことが多いようですが)。約20%が初発で亡くなってしまいます。重症なものでは5分以内に急死することもあります。上記のように、いつもとは感じの異なる頭痛(突然の激しい頭痛)や、持続性の頭痛があった場合、やはり受診されることが望ましいと思われます。
出血が激しければ意識障害を伴い、昏睡や呼吸停止となり即死する場合もあります。意識障害は約半数近くにみられますが、多くは一過性で、数分ないし1時間以内で回復します。しかし錯乱や健忘が1〜2日持続することもあります。発症時は昏睡でも、救急車の中であるいは入院後に意識が清明となることもあり、刻々と症状は変化したりします。軽微な出血では軽い頭痛のために歩いて受診することもあり、感冒や緊張型頭痛、片頭痛などと診断されてしまうこともあります。
診断はくも膜下腔に出血を証明することで、発症当日や2〜3日以内ならCTでくも膜下腔や脳槽に出血の高吸収域を認めます。軽い出血の数日後には、CT上異常を認めない場合もありますが、くも膜下出血は否定できないので腰椎穿刺による髄液検査を行います。
キサントクロミー(黄色調)髄液ならSAHであったことを示唆します。血性(赤色)の時は腰椎穿刺による血管損傷と区別するため、遠心分離してキサントクロミーの有無を調べます。疑わしければ、脳動脈瘤を直接証明できるMR angiography(MRA)や3D-CTAなどの非侵襲的検査を行います。
CT angiography、MR angiographyなどは脳血管撮影より非侵襲的な方法であり、画像の精度もよくなってきていますが、未破裂動脈瘤の診断(スクリーニング的検査)に用いられる場合が多いです。
くも膜下出血の治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む
星野は2011年1月より同番組のナビゲーターを担当。昨年末より病気療養のため番組を休んでおり、その間はサイトウ“JxJx”ジュン(YOUR SONG IS GOOD)、ROY(THE BAWDIES)、宮藤官九郎、レキシが代役を務めていた。
星野は昨年12月に体調不良を訴え、病院で検査を受けたところくも膜下出血と診断され、検査当日に手術。公式サイトでは術後の状況などを報告し、「本人の体調を見ながら来年春頃の復帰を目標に、準備を進めてまいります」と復帰の見通しを明かしていた。
(療養中の星野源が3月4日復帰、昨年12月にくも膜下出血のため手術。)
くも膜下出血とは
くも膜とは髄膜の一部です。脳と脊髄を覆う3層の膜を髄膜といいますが、髄膜は脳・脊髄の表面に密着した軟膜、その外側にあるくも膜、最外側にある硬膜からなります。この髄膜のうち、くも膜と軟膜との間に存在するやや広い空間のことをくも膜下腔といいます。くも膜下出血は、このくも膜下腔に出血が生じ、脳脊髄液中に血液が混入した状態をいいます。
脳卒中の10%前後を占め、原因のほとんどは脳動脈瘤の破裂で、まれに血管奇形やもやもや病、出血傾向など脳動脈瘤以外の原因もあります。原発性くも膜下出血の原因として重要なものは、この脳動脈瘤の破綻と、脳動静脈奇形からの出血です。脳動脈瘤の破綻は、くも膜下出血の75〜90%以上を、脳動静脈奇形からの出血は5〜10%を占めています。
脳動脈瘤破裂に伴うくも膜下出血は、40〜60歳をピークとした成人に多くみられますが、20歳代の若年やまれに小児に起こることもあります。男女差は50歳頃まではほとんどありませんが、高齢者ほど女性の比率が多くなります。人口10万人に対して、10〜20人程度が発症するといわれています。
最近では、脳ドックを受けられる方も多くなり、未破裂脳動脈瘤の発見頻度が増加して、約2%の発見率(未破裂脳動脈瘤は成人の約5%に存在していると考えられている)といわれています。そうした場合、破裂してくも膜下出血を起こす前に手術を行うことができます。
くも膜下出血は、特徴的な症状である「(バットで殴られたような)突然起こる激しい頭痛」で起こる、といったことでも有名です。今までに感じたことのないような頭痛がみられます。さらに悪心・嘔吐を伴い、頭痛が持続します。
約半数が意識障害を起こすといわれています(一過性のことが多いようですが)。約20%が初発で亡くなってしまいます。重症なものでは5分以内に急死することもあります。上記のように、いつもとは感じの異なる頭痛(突然の激しい頭痛)や、持続性の頭痛があった場合、やはり受診されることが望ましいと思われます。
出血が激しければ意識障害を伴い、昏睡や呼吸停止となり即死する場合もあります。意識障害は約半数近くにみられますが、多くは一過性で、数分ないし1時間以内で回復します。しかし錯乱や健忘が1〜2日持続することもあります。発症時は昏睡でも、救急車の中であるいは入院後に意識が清明となることもあり、刻々と症状は変化したりします。軽微な出血では軽い頭痛のために歩いて受診することもあり、感冒や緊張型頭痛、片頭痛などと診断されてしまうこともあります。
診断はくも膜下腔に出血を証明することで、発症当日や2〜3日以内ならCTでくも膜下腔や脳槽に出血の高吸収域を認めます。軽い出血の数日後には、CT上異常を認めない場合もありますが、くも膜下出血は否定できないので腰椎穿刺による髄液検査を行います。
キサントクロミー(黄色調)髄液ならSAHであったことを示唆します。血性(赤色)の時は腰椎穿刺による血管損傷と区別するため、遠心分離してキサントクロミーの有無を調べます。疑わしければ、脳動脈瘤を直接証明できるMR angiography(MRA)や3D-CTAなどの非侵襲的検査を行います。
CT angiography、MR angiographyなどは脳血管撮影より非侵襲的な方法であり、画像の精度もよくなってきていますが、未破裂動脈瘤の診断(スクリーニング的検査)に用いられる場合が多いです。
くも膜下出血の治療
くも膜下出血の治療としては、以下のようなものがあります。続きを読む